飼育しているタナゴを出来るだけ自然繁殖に近づけて繁殖させたいと脳軟化症のネットワークを繋ぎ繋ぎ解に辿りつきたいと孤軍奮闘しているのだが貝にはお近づきになれても解には難しい。池内の繁殖なので魚溜まりの砂層に母貝を放していたのだが避暑の為に連れ出す時、どうしても見失ってしまう事があって、気が付いた時には口を開いて成仏した姿で砂底に現れる。貴重な産卵母貝を失いたくは無いので方法を考慮した末にたどり着いたのが砂槽で生活させると言う形態だ。魚溜まりよりは小さいから窮屈と言われればそうだろうが密度が高くなるほどの狭さでも無いし砂中の餌を摂る食生活でも無いので「取り上げる時に取り残しのない」方式としたのだ。
槽の中には川砂が主体の現在、魚溜まりにある砂を入れても良いのだが取り上げる時が重い。出来るだけ重量を減らすために軽石砂を使ってみる事にしたのだ。軽石自体は水に浮くくらいだからそれでは役に立たない。そこで師走の頃から仔魚の浮揚用水槽として使っていた水を張った植木鉢の中で浸水させておいた。これでアクを摂りつつ沈下出来るだけの微生物を取り込ませようとしたのである。二カ月も晒したので十分と考えて用意した砂層に移した。砂槽は播種用の篭を転用して底の網目には洗濯ネットを敷き砂粒の脱落を防止する。不織布がどこかにあったはずなのだが見当たらないのでピンチヒッターである。
砂を敷き詰めて直ぐに池に沈める。このまま連休の頃まで置けば池の水質に馴染むだろう。桜の開花する頃合いで避暑兼越冬の池から母貝を引き上げて移す算段でだ。