この日一日、風が強いとの予報なので護岸材の伐採は止めて昨秋の氾濫で跡形も無く破壊された取水堰横の段差工の復旧に切り替えた。上流部の崩壊で大量の土砂砂礫が押し寄せ河床は身長ほども堆積物で上昇したのだがその結果、取水升と河床の水平を保つための段差工が破壊されたままになっている。まあ、幸いとも言える事は段差工が破壊されたにもかかわらず流出して来た根塊が詰まり取水升より河床を下げなかった事である。そうでなければ取水堰の無い左岸部は大きく流されて個人の労力では復旧不可能になっていたはずで、この現場は行政も既に放置した現場だからフイールドへの送水は断念せざるを得なかったのだ。
現場に立って状況を眺めれば段差工として五段構えで設えた痕跡はすでになく護岸丸太も縦横斜めと勝手な方向で外れて埋没している。これを取り出して再利用したいのだが砂礫中心の堆積物ではスコップは使えない。結局はツルハシで丸太を埋もれさせている砂礫土砂を除いたのだが個人の労力ではびくともしない。結局はチルホールを用意して移動を試みたり引き抜きを試みたりしたものの一支点での作業では方向を変えられないから1本を地表に横たえるためには数回の支点の移動が必要だった。
昼まで作業をしたものの予定の位置まで丸太を並べる事が出来ずに終わった。作業強度としては「強」レベルの作業が五日間も続いたので「そろそろ中休みを…」と思いつつも翌日からは数日間の雨予報なので増水する前にあらかた整えたいと気は急くのである。そうはいっても高齢者にはきつい作業の連続で、楽しみと言えば「よーし、今日は昼寝と三時に羊羹!」と人参を妄想させてご老体に鞭打ったのだった。そこでハタと考えてみた「おいらってSだったのかしら・・・」。まあ、それはともかく取水の破綻をきたす前に手当てをしているのであるがわが身が破綻しそう。雨模様でしばし中休みできるだろうか。