一月末に予定されている「森の市」出品の木の玩具を肩の痛みに耐えながら自宅軟禁中の時間を活用して作ってはいたものの「あと一カ月余り」という師走になれば「その期間で肩の痛みから解放される」目安など無理だと感じるようになって「寒い土手の吹き曝しの中で8時間の立ちんぼ冷え」は絶対に肩と膝の痛みを強くする」のは明白なのだった。そこで早々と不参加を決めたけれど、そうなると在庫の玩具を始末しなければならない。
そんな折に電話があって以前、姥捨て山で幼児と活動していたIさんだった。孤老に用も無いもんだと思いつつ応対すると「森の幼稚園の十周年記念行事を開催します。姥捨て山ではお世話になりましたし来てください」と言う事だった。そんな話の中で「泥ん子遊びが大好きで思う存分遊ばせていただいたAちゃんも高校生になってお母さんと来てくれます」と言うではないか。泥ん子遊びに熱中していた幼児の記憶は微かにあるけれど名前など知らんし・・・。しかしなあJKだとー。んー誘惑力が高い。まあ、孤老に敢て連絡をくれたのだし無下に断るのも失礼だから曖昧に返事をして話は終わったのだ。
その後で気が付いた。記念行事なら現役のJK、いいえ通園中の幼児も参加して来るはずで、そこに木の玩具を持ち込めば処理出来るではないかい。園児の活動で不要でも式典参加者にばら撒けば一括処理は可能だ。まあ、ただより安い物はないのであるからゴミと思っても手を出す人間はいくらでも存在する。で、在庫一掃のために式典時間を外して持ち込むことにした。持ち込むのは一点ものの動く玩具は外して数の揃った「イースターエッグ」と「三葉虫のペーパーウェイト」、それに時間つぶしには面白く不思議膏金鵄丸な幾何回転体の三種類を取りそろえて用意した。
くねくねヘビや泳ぐ魚、機関車トーマスなどの一点物は近所に開設された施設にでも持ち込むつもりなので外す。苦労して作る一点物は相手を選んで贈りたい。と思うものの数を揃える加工はそれなりに苦労はあるのだが大和男たるもの苦労を見せてはいけない。それと共に「JK参加!」に誘惑されたのでは無い木の玩具の廃棄機会を活かしたかったのであるし。
開会の時間を外して10時半頃に到着した。「駐車場が広いから…」と普段の拠点と全く方向違いの場所で開催した理由は一目瞭然。駐車場は50~60台は楽に並べる芝生の広場で、少し歩くと疎林の中が会場だった。既に個人のお店が並んでおり写真では寂しく見えるけれど入り込んでみれば結構なにぎやかさだったのだ。九段の靖国、いいえ件のJKは来たかどうかは話題にはならず、とりあえず「好きなように使って!」と渡す事が出来たのだ。お店は殆どが卒園生や在園生などの関係者らしくて母と子でお店を広げている風情だ。和やかだけれど孤爺には用も無し、だから一巡りして退散。