肩が痛くて腕が上がらないと日常生活まで影響が出る。正確には姥捨て山喫緊の作業でも先送りしている現状なのだが洗面や着替えなど最たるもので頭部に被る頭巾さえ結べない有様では帽子着用するしかないのだった。しかし帽子を被って鏡を見れば似合わない事甚だしい。やはり姥捨て山の孤爺には手拭い頭巾が相応しい。
そんな中、奥の院の刈り払い二回目に行く途中で落ち葉に埋もれた枝に躓き転倒してしまったのである。右手に刈り払い機をぶら下げ、左手にはガソリン携行缶を持ち、この日は今期初の「初霜・初結氷」した日だった事もあり駐車場の温度計は8℃を示していた。そんな気温下では身体も固まっていただろうし痛い腕で仮払い機を握っている状態では反射的に腕を前に出し防衛体勢など無理だった。そのまま右の前頭部から地面に激突し被っていたヘルメットの庇は破損するし装着してあった防護メットも破断乖離したのである。
おまけに左ひざにも擦過傷を追ってしまった。頭部から落ちたのだし数分間は静かにしながら「作業か帰宅か」判断しかねたものの「せっかく出向いたのだから」と防護メット無しで奥の院の笹狩りを行ったのであるが途中でエンジンがストップしてしまい何度やっても始動しなくなった。点検すると気化器の取り付けが緩んでガスを吸い込めなくなったようで気化器自体がグラグラする。締め付け直そうとしても道具が無いのでそこで作業終了である。三隣亡などの厄日かと暦を見れば満月の「先勝」の日だ。まあ、「先勝」するものもいればその対に「先負」があるはずなので、さしずめ孤爺にとっては「先負」に当たったのであろう。防護メットもヘルメットも破損したから取り替えねばならないのだが、その前にコンビニでお煎餅を購入しバリバリと自棄食いして心の平安を取り戻した寒ーい寒ーい日であったわい。