GITANESなどを入れる胸ポケットがないのがドレッシーだそうだが。
それとは無関係に・・・。
イタリア男はシャツが好きだ とはよく言われる話だが
イタリア人でなくてもシャツ好きはいる。
私がそうだ。
SGCでシャツが登場する頻度が高いことから考えてもおわかりだろう。
小中高の学校時代は基本白シャツの制服だった。
服装に関して完全フリーな大学時代を経て、就職したのが洋服業界だから
他の業種よりもいろいろな格好が認められる。
特にシャツは皆バラバラで、色も柄も形も何を着てもいい環境である。
そうなると自然に白シャツとはしばらく疎遠になるのだが、不思議なことに
また白シャツの良さに気付き帰ってくるものであるようだ。
最もベーシックであることはもちろんだが、そうでなくても白シャツは
かっこいいものだと気付くのだろうか。
故に白バリエーションを中心として、シャツはクローゼットの中でどんどん増殖していく。
ついでに、言うまでもないが「ワイシャツ」は「ホワイトシャツ」を語源とする。
礼装用のシャツはまったく飾り気のないものというのがルールだから
レギュラーカラー(かセミワイド程度)の白無地シャツが2枚もあればいい。
礼装に使うシャツだけではなく、ポリエステル混などは避けている。
理由は明確、化繊混は快適ではないからである(もちろん個人的感想だ)。
ポリエステル混には しわになりにくい 洗濯後のメンテナンスがラク
傷みにくい という3大メリットがあるが、
そもそもシャツにはシワが寄るものだ。あきらめるべし。
それでもしわが嫌なら、人前でジャケットを脱がなければよい。
洗濯後のメンテナンスについては、私は個人的にアイロンがけが苦にならないので
問題なし。
天然素材100%の耐久性の問題だが、1,2枚のシャツをそればっかり
仇のように着ていれば、そりゃあ傷むだろう。
複数枚のシャツをきっちり間隔を取って着るようにすれば
コットン100%のシャツでもそうそう傷まない。
最近は「『いいもの』を少しだけ所有する」のがトレンドだなんて言われるが
「少しだけ」に大いなる罠がある。
例えば「ちょっといいシャツを2枚だけ所有してそれで着まわして」みればいい。
そのシャツはすぐに傷み、短期間で「またちょっといいシャツ」を買う羽目になる。
じゃあ、どれぐらいシャツを持っていればいいの?と疑問がわくかも知れんが、
「傷まないほどのローテーションを組めるだけの枚数」に決まっているではないか。愚問である。
さてその白シャツだが、同じ白でも生地の厚みなどで色も微妙に違う。
シルエットも当然様々だ。
また、襟が少々開いている・閉じている、長い・短い、やや返っている・そうでもない、
台襟が高い・低い、芯が固い・ない、前立てがどうだ、ポケットがどうだ、
なんて形のバリエーションがどんどん増殖していく。
オーダーに手を出すと、それこそ「サイズ切れ」の制約から解き放たれる訳だから
えらいことになる。
そして、もっと恐ろしいことに、
シャツは「白」だけではない。色や柄を加えると、クローゼットなどどれだけ広くても
足りなくなる・・・。
というようなことを、シャツが1枚増える度に考える。
最近では新しいアイテムが増えると一旦書斎で寝かせることになっていて
(この理由は自分でもわからない。シャツを買ったって家人に叱られることはないんだが、
犬が獲物を一旦埋めて隠すのと同じ本能だろう)、
書斎で白い無地のシャツを眺めながらこれを書いている次第だ。
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