the other side of SmokyGitanesCafe
それとは無関係に・・・。
 





GITANESがまだない時代の話。
それとは無関係に・・・。

今日(3月21日)ばかりはバターではなくて
バタァである。
Vred kosedyralliance

Henrikは夜ごと父と叔父が
牛小屋の隅で長い時間話し合っていること
に気づいていた。
その内、聞き慣れない男たちの声も聞こえてくる
ようになり、多分牛小屋には何人もの男が
入れ替わり立ち替わり集まっていると思われた。
やり取りが熱を帯びて声が大きくなることも
あって、Henrikはそれが怖くて耳を塞いで
毛布をかぶった。
「牛と牛乳、バタァと雪しかないこの
土地でこれ以上どうしろってんだ?!」
叫ぶ声が不安を搔き立てた。
 ある夜中、何人もの人が駆けていくような
足音を聞いた。とんでもなく大勢の大人たちが
どこかへ向かっていく。
みんなどこへ行くの?と母親に尋ねたが
母は「心配いらない。おやすみなさい」としか
言わなかった。母はそれを何度も繰り返して
言った。まるで自分に言い聞かせているようだった。
そして、西の夜空が真っ赤に燃えたその夜から、
父も叔父も帰ってこなかった。
3日後、母が役人たちに連行されていったときは
裏山に隠れた。心臓が飛び出しそうだった。

Vred kosedyralliance
怒れる牛小屋同盟 19世紀デンマーク。
バタァにかける税を大幅に引き上げよう
とした政府に敢然と抵抗した者たちだったが
3月21日、その運動は悲劇的に終幕した。

辛くも弾圧から逃れて遠い遠い国に流れ着いた
男もいて、彼はその異国の地の利に気づき
バタァを流通させる商売を始めた。
あの日別れたままの父と母、そして
「バタァと雪しかない」村を忘れぬため
その男Henrikは雪の結晶を
シンボルマークにした。その味は平和を招いた。

後の、雪印乳業である。


#もちろん全てウソです#あれから一年経ちました
#雪印で親戚が働いている訳でもありません
#昨年のホラを詳しくしました

※2021年某SNS自アカウントから転載



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