吉野ケ里公園駅から3駅11分で佐賀駅到着。ホテルにチェックインして佐野常民記念館を目指すため自転車を借ると、フロントで「車で15分掛かりますが・・・」と怪訝そうな顔をされる。そうなると逆に燃える天邪鬼はペダルを元気よく漕ぎ始めるが・・・途中で道に迷った事もあり、結局1時間近くも掛かってしまった・・・
佐野常民(さのつねたみ)とは・・・佐賀の七賢人の一人、は、幕末から明治の先駆者として、政治、産業、科学、芸術などの様々な分野で活躍した人物で、特に西南戦争の時、博愛社(日本赤十字社の前身)を設立し、現在では、「日本赤十字社の父」と呼ばれています・・・とのこと。
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常民(つねたみ)を「じょうみん」と呼んでいた私・・・
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記念館に併設されている三重津海軍所跡は一昨年世界遺産に登録されたのだが、何も無い空き地をVRゴーグルで覗くと言うシュールな内容が話題になっている場所である。何も知らなければこの空き地が世界遺産に登録されたなんて分からないだろう。
三重津海軍所跡・・・1858年に佐賀藩が御船手稽古所(おふなてけいこしょ)を置いたのが始まりで、佐賀藩が海軍の教育や洋式船の運用をしていました。1865年には、日本初の実用蒸気船「凌風丸(りょうふうまる)」の建造に成功しました。この場所からは、発掘調査により遺跡として現存する我が国最古の船渠(ドック)が確認されました。造船の近代化を示す貴重な遺産であり2015年7月、「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の構成資産として世界遺産に登録されました。現在、佐野常民記念館では「三重津タイムクルーズ」と称した、当時の様子をイメージしたCG映像を通して約160年前の三重津海軍所を体感できます。
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記念館を後にし、さらに東へとペダルを漕ぐ。次に目指すは筑後川昇開橋である。
筑後川昇開橋とは・・・筑後川に掛かる世界有数の昇降式可動鉄橋で国指定の重要文化財。全長は約507メートルで、その建設には大変な苦労があったと伝えられている。昭和62年に国鉄佐賀線が廃線 平成8年に筑後川昇開橋遊歩道として開通した・・・とのこと。
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そもそも橋の形状に興味があったのだが、実際訪れてみると橋から旧国鉄「佐賀線」の廃線跡を利用した平坦で直線を基調とする全長約5kmの徐福サイクリングロードが佐賀市内に向かい伸びていることを知る。
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これが実に気持ち良く、ずんずん進んで行く。しかし・・・電動アシスト自転車ではなく、次第にペダルが重くなっていく・・・出発から約3時間掛けてようやく市内に到着。佐賀城のお堀で一服しながら地元高校生と会話を楽しむ。そして倒れ込むようにホテルに戻り、小休止。19時半を過ぎてもまだ明るい佐賀の美しい夕陽を県内で一番高い建造物から眺めながら、ご褒美に佐賀牛とビールを頂く。
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やたら疲れたな~と思い、本日の歩数を確認すると・・・恐らく自己記録を大幅に更新する3万越えの数字を見て、さらに疲労感が重なり、佐賀ナイトもそこそこにホテルに帰った。
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そして最終日は佐賀バルーンミュージアムを見学。佐賀市で毎秋アジア最大級のバルーン大会「佐賀インターナショナルバルーンフェスタ」を開催されているほど、佐賀はバルーン熱が高い地域なのである。
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そして昼前に佐賀駅から昨年末にも乗車した特急ハウステンボス号で博多駅へと向かい(4駅41分)、福岡空港から東京に戻った。私のひとり旅史上初の三県またがり旅であった。空港まで迎えに来てくれた息子の運転で帰宅し、泥のように眠ってしまった。それから数日間は疲労が残っていたものの、51歳になっても疲労困憊になるほど遊べる自分はなかなかだなと誇らしくも思えた。さて次はどこへ行こうか?いや、もうすでに二県に絞られている。(おしまい)
【総武線・新小岩駅 賃貸専門店】有限会社やな瀬不動産