小春日和の日曜日。事務所前の車の通りも少なかったので、入口ドアを開けたままにしておいた。
夕方になり、事務所前の立ち飲み屋さんが営業が始まると少しずつ賑わい始める。するとお客さんから怒鳴り声が聞こえる。応戦する怒号が聞こえないので、恐らく相手は携帯電話の向こうにいるようで、金銭トラブルで返済が遅れている・・・との内容まで聞こえて来る。通常しばらくすると怒りが収まるものだが、それが結構長く続いたのは、きっと相手が神経をさかなでするような応対をしているからだろう。ドアをそっと閉めると、怒号はほとんど聞こえない。怒号の存在すら忘れかけたまま、終業時間になり、シャッターを閉めに外に出ると怒号はまだ続いていた。
こんなにも長時間怒り続けるおっさんのパワーも凄いが、火に油を注ぎ続けている相手も大したもんだと変な感心をしつつ、家路を急いだ。