映画「岸辺の旅(2015年公開)」を観に行った。
【解説】『アカルイミライ』がパルムドールにノミネートされた経験もある黒沢清監督が、湯本香樹実が2010年に上梓した小説を映画化。3年間行方をくらましていた夫がふいに帰宅し、離れ離れだった夫婦が空白の時間を取り戻すように旅に出るさまを描く。脚本は『私の男』などで知られる宇治田隆史が黒沢監督と共同で担当。『踊る大捜査線』シリーズなどの深津絵里と、『バトルシップ』、『マイティ・ソー』シリーズなどでハリウッド進出も果たした浅野忠信が夫婦愛を体現する。第68回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門 日本人初の“監督賞”受賞!
深津絵里を観るために劇場へ足を運んだ。浅野忠信はいつものように自然な台詞まわしで、他の共演者も同様にごくごく自然に、BGMもほとんどないとても静かに淡々と進行する。愛人(蒼井優)とのバトルでさえも声を荒らげる事もなく静か過ぎるほどで秘めた怒りをひしひしと感じさせられる。また風景が映画「らしくない」それほど美しいシーンでないところが逆に印象的だった。「シックスセンス」と「フィールドオブドリームス」と「ゴースト」のテイストをうまく混ぜ合わせたような作品で、細かい疑問はあえて取り上げないのが鑑賞のポイントかも知れない。
最愛の人と最期の限られた時間を過ごせることは幸せなことだろう。「また会おうね」の台詞は何とも素敵な愛の約束のように聞こえた。
指折りあと1本だぜ