アダルトビデオ(AV)の出演被害を防止し、出演者を救済するための新法が15日に参院本会議で可決、成立した。成人年齢引き下げで未成年者取り消し権の対象外となる18、19歳の被害増加が懸念されたのを機に、超党派が議員立法としてまとめた。年齢や性別を問わず映像公表後原則1年まで無条件で契約を解除できることが柱となる。一部を除き、公布翌日に施行する。新法では出演者が撮影内容や映像公表によるリスクについて熟慮する時間を確保するため、契約成立から撮影まで1カ月、撮影から公表まで4カ月の期間を置くことを義務付けた。契約解除された制作側は映像の削除や回収などの義務を負い、出演者に賠償請求はできない。
どの業界でも明瞭化・明確化の流れなのでこの法案にも頷ける部分もあるが、「最初の約束とは話が違う」とか「強制的に」でない限りどうなのだろう?と思う箇所もある。一番気になっていたのは「契約解除された制作側は映像の削除や回収などの義務を負い、出演者に賠償請求はできない」の部分である。請求出来ないのであれば必然的に出演料が下がることも予想される。また本来出演料がどの時点で支払われるのかは不明だが、公表後1年まで無条件で契約の解除が出来るとのことであるならば、全額支払われるのは一年後なんだろうと契約条項を推測する。だとすると出演目的によっては達成できないことも出てくるだろうし、撮影スタッフたちの給金についても影響が出てくるだろう。
新しい法令の施行や改正についてはどのジャンルにおいても「ごく一部の人たち」への対応策であり、いつも迷惑を被るのは「多くの人」であるのはいつの時代においても同じである。