先日の石川佳純の晴れ晴れとした表情での引退会見の中で「印象に残る試合は?」との質問があった。
バレーボールを引退してから4年が経過し、改めて自分の中で印象に残る試合を考えてみると、ふたつの試合を思い出した。ひとつは冷房が完備されていない時代の暑い夏の大会で最終セットで何度も何度もデュースを繰り返し、顔見知りの対戦相手チームからはネット越しに「もう勘弁してくださいよ」と言われたものの、何故か根負けする気がせず、体力的にも限界だったのだが粘りに粘ることが出来、最終的に勝つことが出来た。後にも先にもあんな感覚になったのはあの試合だけだったので、やたら印象深い。
そしてもうひとつは2018年12月の大会である。この大会で私は引退すると決めていたのだが、それを唯一の同級生以外に告げずに出場。試合前の整列時に同級生と軽くタッチしてからコートに入った。セッターの私は色々な思いを込めて同級生にやたら多くトスを上げ、そして静かにコートを去った・・・相変わらずそのセットでもミスはたくさんしたが、やたら清々しさを感じた初冬の試合だった。
どちらせよもう「試合」というアルバムは増えないんだな~と思いつつ、まあまあの年齢まで真剣勝負が出来た自分が少しだけ誇らしい。