今年で終了する「午前10時の映画祭」で映画「砂の器(1974年公開)」を観た。
【解説】松本清張による同名原作を、野村芳太郎監督、橋本忍&山田洋次脚本で映画化した社会派サスペンス。モスクワ国際映画祭の審査員特別賞を受賞。2005年6月にデジタルリマスター版が公開されている。東京・蒲田にある国鉄の操車場で殺人事件が発生。被害者の身元がわからず捜査は難航する。しかし、被害者が殺害される直前にある男と会っていたことがわかり、2人の会話から「カメダ」という謎の単語が浮かび上がる。
これまで何度もドラマ化された作品でオープニングロールで山田洋次の脚本だと知る。東京の人口が1200万人だった頃(現在約1400万)の話で幼い頃、映画好きの母から何となくストーリーを教えて貰っていたのだが今回初鑑賞。とにかくストーリー構成が素晴らしく、序盤からグイグイ引き込まれ、キーワードである「カメダ」の謎解きもなかなか興味深く、元気いっぱいの丹波哲郎と(現千葉県知事の)森田健作と共に汗をぬぐいながら一緒に謎解きに参加してしまう。
ただラストのピアノ組曲「宿命」と有名な海辺のシーンがもっと重なってくれたらさらに良かったのだが、エンドロールも無くスパッと終わるエンディングを迎えるスタイルを含めて大変面白い作品だった。
ちなみに手がかりが「東北訛りのカメダ」という手法は、後に映画「踊る大捜査線」で本作のオマージュとして使用されたとのこと。