錦糸町で友人と飲んだ。駅前の呼び込みに誘われるがままテナントビルの中の居酒屋に入る。内装からして高級感漂う、広い店に入った。すると若い男の店員さんから「あの~新小岩の方ですよね?」との問い掛け。
だ、誰だ?
申し訳ないが全く記憶にない青年で、必死に過去の記憶を辿り寄せるが、最近めっきり私の記憶の糸は細く、短く、ブツブツと切れてしまっているので、皆目見当が付かなかった。よくよく話を聞くと彼は娘の小学校時代の同級生とのこと。でも私は話したことも接点も何も無いが、彼は娘と私が歩いている姿を見て覚えていたそうで、さらに「不動産屋さんですよね?」と恐るべき記憶力を次々に披露する。「凄ぇ~記憶力じゃん」と褒めると、昔から記憶力だけはいいとのことと誇らしげな彼。
その後も料理を運んでくれる度に、「今度お店を任せされるようになった」とか「(私も知っている)娘の友達のこと」とか色々と話し掛けてくれた。接客業を心から楽しんでいる様子が見ていてよく分かり、とても気分の良い接客だった。
「生きる力」を持っている若者はいつだって気持ちが良いもんだ。