来月閉館する岩波ホールで観たのは「メイド・イン・バングラデシュ」だった。
【解説】世界の繊維産業を支えるバングラデシュを舞台に、衣料品工場の過酷な労働環境と低賃金に立ち向かう女性たちの姿を描いたヒューマンドラマ。大手アパレルブランドの工場が集まるバングラデシュの首都ダッカ。衣料品の工場で働く女性シムは、厳しい労働環境に苦しむ同僚たちと労働組合を結成するべく立ち上がる。工場幹部による脅しや周囲の人々からの反対に遭いながらも、自ら労働法を学び奮闘するシムだったが……。10代半ばからバングラデシュの労働闘争に関わってきたダリヤ・アクター・ドリの実話をもとに、気鋭の監督ルバイヤット・ホセインがメガホンをとった。「アンジェリカの微笑み」などで知られる撮影監督サビーヌ・ランスランによる美しい映像にも注目。
#metoo同様最初の声上げは本当に勇気がいることで、何より同僚を含め周囲の理解を得ることの大変さは想像を絶する。現在各業界で次々に上がった様々な運動や行動はたくさんの妨害や反対を経て少しずつ芽が出て、花が咲きつつある。先人たちの苦労と努力で得た権利であるが、くれぐれも双方に主張や権限が行き過ぎないようにバランス良く調整しなければならないと思う。
その昔「動物と子役は労働組合を作らないからいい」と言っていた映画監督が居たが、もう今では口に出すのもはばかれるような時代となっている。