にほんブログ村
にほんブログ村
種の保存法にかかわる環境省との面談記録とその経緯
杠 隆史 ( ゆずりは たかし )
今年(2016年)2月9日夜、私は徳島市のホテルにいた。9日・10日と企業での研修講師の仕事である。夜12時前にパソコンを開いてメールをチェックすると、23時29分着で「多摩虫の会」のメーリングリストに会員のS氏の発信で以下のようなメールがあった。
環境省が「種の保存法」における国内希少野生動物種(採集・譲渡などの全面禁止)を追加に定めようということで、パブリックコメントを2/15までに求めております。
リストを見ると、山梨・長野のゴマシジミ、イシダシジミ、ウスイロヒョウモンモドキといった蝶が含まれています(昆虫のみ転記)。
ご意見ある方多いと思います。ぜひ、期限内にご意見を発してください。
12) フサヒゲルリカミキリ
13) マダラシマゲンゴロウ
14) オキナワマルバネクワガタ
15) ウケジママルバネクワガタ
16) ゴマシジミ本州中部亜種
17) アサマシジミ北海道亜種
18) ウスイロヒョウモンモドキ
19) アカハネバッタ
さっそく環境省のホームページで確認したが、とんでもないことである。
翌10日も徳島市で研修があり、11日は建国記念日だったので、2月12日午前に環境省自然環境局野生生物課希少種保全推進室に電話し、私の肩書(昆虫界と研修業界)を明確にしたうえで、田邊係長(女性)と約30分間いろいろ話をした(室長は出張、補佐は会議中だった)。
まず、情報公開からパブコメ締め切り期間がわずか1週間ということ、蝶類保全協会と日本鱗翅学会以外の関連学会(日本蝶類科学学会・日本蝶類学会)や、アサマシジミの地元北海道の北海道昆虫同好会はもちろん、大阪昆虫同好会のような歴史も実績もある同好会などにも一切連絡せずに、秘密裏かつ性急に決定しようとしていることに対する疑問、各種とも愛好家の手元には莫大な数の標本がありその扱いについてなど、先に指定されたヒョウモンモドキの譲渡禁止で困っていることも含めて多くの意見を述べた。
また、私が多くの地方自治体での行政政策形成研修に講師として指導している立場から、このような進め方はきわめて不適切であるという指摘もした。
電話では埒が明かないため、私が3月早々に出張で東京に行くので、私の都合がよい3月4日午前に、直接、室長や室長補佐に意見に述べに行きたいとも伝えた。
その時に、環境省が今回のパブコメを募集する3日前の2月6日夜に、私の同窓生である小池百合子元環境大臣に「ヒョウモンモドキが種の保存法に指定され、私を含めて本種の標本を多数所持している友人たちが困っている。法改正に向けて働きかけるので力を貸してほしい」と依頼したことや、小池環境相時代に「国立公園と国定公園での昆虫採集全面禁止法案」を環境省の役人が上申したときに、小池環境相が承認しなかったことも伝えた。(毎年2月に開催している「ゆずりはのつどい・東京」の前日は、私が世話役になって芦屋市立岩園小学校・昭和40年卒業生の同窓会を開催しており、首都圏在住の同窓生が毎回10名前後集まる。これは20年続いている東京同窓会だが、小池氏とNRCスタッフの岸本由美子もレギュラーメンバーである。また、小池氏と岸本は幼稚園から甲南女子高校まで同級生で、岸本の長男の奥さんは小池氏の元秘書で、今なお深い関係がある。)
その結果、当日の夜9時12分に以下のメールが来た。
「本日はお電話ありがとうございました。環境省野生生物課希少種保全推進室の田邊です。3月4日ですが、午前中11:00からでよろしければ当室補佐が対応いたします。
なお、入館登録に当たり、所属と電話番号、人数をお知らせ下さいますようお願い申し上げます。」
そこですぐに朝日純一氏に連絡し、同行してもらうことになった。
また、環境省とパイプがある矢後勝也氏に状況を聞こうと連絡したところ、「私も同行させてください」ということでごの3名で環境省に行くことにした。
こういう動きを容認していると、近い将来、日本国内で昆虫採集がすべて禁止になる日が来てしまうかもしれない。
日本の素晴らしい文化のひとつの昆虫採集の存続のためにも活動したいと思い、行動を起こした。
翌日は、仁坂吉伸和歌山県知事にも連絡して協力要請し、仁坂氏からは環境省訪問時に「仁坂の意見も聞くように環境省の担当官に伝えてください」というメッセージをいただいた。
また、鳩山邦夫代議士の秘書、小沢洋介氏にも連絡したところ、小沢氏はさっそく環境省希少種保全推進室の安田室長に対し、2月16日に鳩山氏の国会事務所に説明に来るように求めた。
さらに大阪昆虫同好会のメンバーや「ゆずりは」読者の方々にもパブコメ提出を依頼した。
2月16日、私は明石市役所での研修を終えた5時過ぎに小沢氏に電話して状況を聞くと、鳩山氏が法案の修正を強く求めたが、安田室長が「すでに閣議の議案として提出しているので法案の修正はできない」ということだった。
これによって最初から「結論ありき」の、国民を無視したまったくの暴挙ということが明らかになった。
これは鳩山代議士が面談されたおかげである。
3月4日、午前10時に環境省近くの朝日氏の事務所に集合し、打ち合わせをして環境省を訪問した。(訪問記録参照)
<その他の事項>
1.2月23日、日本蝶類学会会長の横地隆氏に依頼された豊田市での研修の終了後、横地氏に環境省の動きを報告、各学会や同好会が結束してこの問題にあたることを確認した。
2.鳩山氏・仁坂氏および複数の同好会などに訪問記録を送った。
3.5月14日、兵庫県芦屋市の「ホテル竹園」で小学校の同窓会があり、その席で小池百合子代議士に2月9日以降の経緯を報告し、環境省の横暴ぶりを訪問記録をもとに説明した(訪問記録は手渡した・・・添付写真)。また、「小池さんの名前を出していなかったら、3月4日午前に限った面談もかなわなかったかもしれない」と感謝の気持ちも伝えた。
文中に出てくる小池さんが都知事選に正式に出馬表明をしました。彼女は虫屋の理解者です。
にほんブログ村
にほんブログ村
にほんブログ村
種の保存法にかかわる環境省との面談記録とその経緯
杠 隆史 ( ゆずりは たかし )
今年(2016年)2月9日夜、私は徳島市のホテルにいた。9日・10日と企業での研修講師の仕事である。夜12時前にパソコンを開いてメールをチェックすると、23時29分着で「多摩虫の会」のメーリングリストに会員のS氏の発信で以下のようなメールがあった。
環境省が「種の保存法」における国内希少野生動物種(採集・譲渡などの全面禁止)を追加に定めようということで、パブリックコメントを2/15までに求めております。
リストを見ると、山梨・長野のゴマシジミ、イシダシジミ、ウスイロヒョウモンモドキといった蝶が含まれています(昆虫のみ転記)。
ご意見ある方多いと思います。ぜひ、期限内にご意見を発してください。
12) フサヒゲルリカミキリ
13) マダラシマゲンゴロウ
14) オキナワマルバネクワガタ
15) ウケジママルバネクワガタ
16) ゴマシジミ本州中部亜種
17) アサマシジミ北海道亜種
18) ウスイロヒョウモンモドキ
19) アカハネバッタ
さっそく環境省のホームページで確認したが、とんでもないことである。
翌10日も徳島市で研修があり、11日は建国記念日だったので、2月12日午前に環境省自然環境局野生生物課希少種保全推進室に電話し、私の肩書(昆虫界と研修業界)を明確にしたうえで、田邊係長(女性)と約30分間いろいろ話をした(室長は出張、補佐は会議中だった)。
まず、情報公開からパブコメ締め切り期間がわずか1週間ということ、蝶類保全協会と日本鱗翅学会以外の関連学会(日本蝶類科学学会・日本蝶類学会)や、アサマシジミの地元北海道の北海道昆虫同好会はもちろん、大阪昆虫同好会のような歴史も実績もある同好会などにも一切連絡せずに、秘密裏かつ性急に決定しようとしていることに対する疑問、各種とも愛好家の手元には莫大な数の標本がありその扱いについてなど、先に指定されたヒョウモンモドキの譲渡禁止で困っていることも含めて多くの意見を述べた。
また、私が多くの地方自治体での行政政策形成研修に講師として指導している立場から、このような進め方はきわめて不適切であるという指摘もした。
電話では埒が明かないため、私が3月早々に出張で東京に行くので、私の都合がよい3月4日午前に、直接、室長や室長補佐に意見に述べに行きたいとも伝えた。
その時に、環境省が今回のパブコメを募集する3日前の2月6日夜に、私の同窓生である小池百合子元環境大臣に「ヒョウモンモドキが種の保存法に指定され、私を含めて本種の標本を多数所持している友人たちが困っている。法改正に向けて働きかけるので力を貸してほしい」と依頼したことや、小池環境相時代に「国立公園と国定公園での昆虫採集全面禁止法案」を環境省の役人が上申したときに、小池環境相が承認しなかったことも伝えた。(毎年2月に開催している「ゆずりはのつどい・東京」の前日は、私が世話役になって芦屋市立岩園小学校・昭和40年卒業生の同窓会を開催しており、首都圏在住の同窓生が毎回10名前後集まる。これは20年続いている東京同窓会だが、小池氏とNRCスタッフの岸本由美子もレギュラーメンバーである。また、小池氏と岸本は幼稚園から甲南女子高校まで同級生で、岸本の長男の奥さんは小池氏の元秘書で、今なお深い関係がある。)
その結果、当日の夜9時12分に以下のメールが来た。
「本日はお電話ありがとうございました。環境省野生生物課希少種保全推進室の田邊です。3月4日ですが、午前中11:00からでよろしければ当室補佐が対応いたします。
なお、入館登録に当たり、所属と電話番号、人数をお知らせ下さいますようお願い申し上げます。」
そこですぐに朝日純一氏に連絡し、同行してもらうことになった。
また、環境省とパイプがある矢後勝也氏に状況を聞こうと連絡したところ、「私も同行させてください」ということでごの3名で環境省に行くことにした。
こういう動きを容認していると、近い将来、日本国内で昆虫採集がすべて禁止になる日が来てしまうかもしれない。
日本の素晴らしい文化のひとつの昆虫採集の存続のためにも活動したいと思い、行動を起こした。
翌日は、仁坂吉伸和歌山県知事にも連絡して協力要請し、仁坂氏からは環境省訪問時に「仁坂の意見も聞くように環境省の担当官に伝えてください」というメッセージをいただいた。
また、鳩山邦夫代議士の秘書、小沢洋介氏にも連絡したところ、小沢氏はさっそく環境省希少種保全推進室の安田室長に対し、2月16日に鳩山氏の国会事務所に説明に来るように求めた。
さらに大阪昆虫同好会のメンバーや「ゆずりは」読者の方々にもパブコメ提出を依頼した。
2月16日、私は明石市役所での研修を終えた5時過ぎに小沢氏に電話して状況を聞くと、鳩山氏が法案の修正を強く求めたが、安田室長が「すでに閣議の議案として提出しているので法案の修正はできない」ということだった。
これによって最初から「結論ありき」の、国民を無視したまったくの暴挙ということが明らかになった。
これは鳩山代議士が面談されたおかげである。
3月4日、午前10時に環境省近くの朝日氏の事務所に集合し、打ち合わせをして環境省を訪問した。(訪問記録参照)
<その他の事項>
1.2月23日、日本蝶類学会会長の横地隆氏に依頼された豊田市での研修の終了後、横地氏に環境省の動きを報告、各学会や同好会が結束してこの問題にあたることを確認した。
2.鳩山氏・仁坂氏および複数の同好会などに訪問記録を送った。
3.5月14日、兵庫県芦屋市の「ホテル竹園」で小学校の同窓会があり、その席で小池百合子代議士に2月9日以降の経緯を報告し、環境省の横暴ぶりを訪問記録をもとに説明した(訪問記録は手渡した・・・添付写真)。また、「小池さんの名前を出していなかったら、3月4日午前に限った面談もかなわなかったかもしれない」と感謝の気持ちも伝えた。
文中に出てくる小池さんが都知事選に正式に出馬表明をしました。彼女は虫屋の理解者です。
にほんブログ村
にほんブログ村