根室半島のカラフトルリシジミ その弐
2004-7-25(日) 晴れ
ここでの撮影は、なかなか難しくなってきたので別のポイントへ移動した。このポイントはやや広い赤エゾマツの樹林のなかで林床が高層湿原風になっている場所だ。
しかし、盛期は過ぎたようでここのカラフトルリシジミ汚損個体多く、さらに敏捷で気温も上がってきたのでなかなか撮影出来ない。なんとか新鮮個体をさがし、それらをせっせと追いかけ回して撮影することができた。このポイントでは15頭ほどのカラフトルリシジミが飛んでいた。林道わきの草花にも数頭がちらちら飛んでいた。
♂表面。
♀裏面。
エゾイソツツジにとまった♂表面。
♂裏面。
シダの葉にとまった♀表面。
エゾイソツツジにとまった♀裏面。
このあと、以前に海岸付近でカラフトルリシジミを5-6頭みたという場所へ行くが、そこの高層湿原は雑草の侵入と乾燥ですでに消えてしまいギボウシが咲いているだけであった。
根室半島のカラフトルリシジミ生息地のアカエゾマツの林の中に奇跡的に点在する高層湿原は、近年、乾燥化の傾向があり、そこへスゲなどの侵入で、ツルコケモモ、コケモモ、ガンコウラン、エゾイソツツジ、ワタスゲなどが侵入植物に覆われて消えてゆく気配がうかがえる。
高層湿原が消えるとカラフトルリシジミは消える。本当にカラフトルリシジミを守りたいのなら、周辺の開発行為や、そこに接して道路をつくることなどによる湿原乾燥化や雑草の侵入を防ぐ手だてが必要です。
単に採集禁止にしたり密猟者を警察に通報するのみではカラフトルリシジミが消えてゆくのを防ぐことはできないと思います。
この項、続く。
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