せり・なずな 以下省略の 粥を吹く 池田 政子
七草の中でも、せり・なずなしか知らないということ? またはせり・なずなだけでななくさを済ませたということか・・・。選者の坪内稔典さんを悩ませている。
暮れからお正月にかけてのご馳走に、箸休め・胃袋休めをしなさい・・・という先人の教え。
元旦から7日目。さっぱり味が欲しくなる。
暦はと言えば、いよいよ寒の入り。本格的に寒くなる季節。
寒さ故の空気の透き通りは、遠くの景色を芸術的な一幅の絵に仕立ててくれる。
1月7日、ななくさの日、午前7時。東の空にクッキリと稜線を浮かび上がらせる朝焼け。
黒く静かに横たわる甲島。 停泊中の貨物船。
寒空の中に、何か気持ちの軽くなる予感さえする。
小寒を過ぎたらボチボチやらなきゃならないことがある。
タマネギを植えた人ならピーンとくる。 そう、肥やしを施す時期なのだ。
そうしてこれから梅雨に向かって半年間。何度かの草取りをして育てる。
ななくさとは、一見縁のないタマネギ。
ただ、この時期の寒の冷え込みが、より効果的という共通点はある。
そして、七草の箸休め・胃袋休めと同じ役割を担うのが、夏場のタマネギさんであろう。
新タマのスライスに、マヨネーズかドレッシングで食べると、ななくさ以上の胃腸回復効果が・・・。
やっぱり七草とは噛み合わせるには少し無理のある話しになってしまった。
せめて七草粥はよく噛んで、ゆっくり美味しくいただきたいものだ。