大きなお口開けて真面目に歌う悠雅君(右から3人目)
相変わらず午後4時に幼稚園バスで、我が家に帰ってくる悠雅君。
仕事を終えた母親が迎えに来る6時から6時半ごろまでをジジババと一緒に過ごす。お腹を空かして帰る彼の食欲は半端ではない。
三男坊の我儘もある上に、グルメである。味にもうるさい。日替わりメニューであれこれおやつを準備して待つババ殿も大変そう。
お腹が太ると今度は遊びのメニューの注文が色々出される。大相撲の場所中は、取り敢えず「遠藤関」が出るまでは相撲観戦で、ホンのいっとき時間が稼げる。大相撲のテレビ放送もなく、日が長くなったこの頃は6時半までのお付き合いが大変な時間となる。
「じいちゃん、公園行こう」と、カープ坊やの付いた真っ赤なプラスティックバットを肩に、バッティング練習に付き合わされる。
「オレ、キクチじゃけーね」と、ヒット性の当たりが出るまで何球でも打ち続ける。
鋭い当たりが飛ぶと「次はオレ、マルちゃんよ」「次はレッド(エルドレッド)」と、勝手に名前を呼びながら、自分が広島カープの選手になりきって、汗びっしょりになってバットを振る。少し早目のボールを投げてやると、打つは打つは。そろそろ本格的な長い木のバットに替えなければ。
そんな悠雅君の幼稚園で、年長さんになって初めての「小さな音楽会」があった。
今まで、何があっても「見に来てね・・・」みたいなことは言ったことのない悠雅君が、昨日は珍しく「明日、うた歌うんよ、見に来る?」という。
なんだかんだ言いながら、やはり少しずつ成長しているのかなと少し嬉しくなる。もちろん、母親から聞いていたので早くから予定に入っている行事ではあるが、「そうかね、聞きに行くからね」、そっと応援の言葉を贈る。
さすが年長さん、今までとは違う安定感と、練習の成果を見せながら、振り付けも完璧にこなす。
あれから丸年になる。本人はとっくに忘れているのだろうが、親やジジババ応援団は忘れもしないあの日あのとき。
幼稚園という未知の世界に入り込んで2ヶ月。初めて迎えた、人前でステージに上がって歌を歌う体験。気後れが高じたものか、前夜から足首が痛くなったという。お腹でもなければ頭が痛いのでもない。「足首が痛くて立てない歩けない、だから明日はお休みしたい」と言い始めた。
なんとか言い含めて当日、登園はさせたものの、足首の痛さは変わらない。先生に抱かれてステージへ。
端っこで椅子に座らせてもらって、終始ダンマリ。沈黙を貫いて再び先生に抱かれてステージを降りた。
わが家に帰った途端、勇気凛々元気百倍!!痛かったはずの足首で高く蹴り上げてサッカーに興じている。
叱る言葉もなくただ笑って見守ってやった。あの日から2年。
今や怖いものなしの成長を見せ、歌っても踊っても走っても、大太鼓を叩かされても、ニコニコ笑顔を絶やさず率先してやるようになった。
これが幼い子の成長の足跡というものか。今さらながら面白いやら楽しいやら、ちょっと不安やら。
これから先、まだまだ応援団の出番は続く。そうだ、今一人2歳の誕生日を5日後に控えた姫孫がいるのであった。