久しぶりの「ちょっとドライブ」。
そんな軽い気持ちで出かけたが、帰り道に所用でちょっと遠回りしたら、往復108kmを走っていた。
穏やかな瀬戸の海に面した田舎道を、格別焦るでもなく、のんびりゆっくりのドライブ。意外に精神安定効果をもたらすような。
先ずはハンドルを握って、国道188号を下り方面に向かって走り始める。
目的地をあそこにするか、ここにするか、その日の気持ちの赴くまま、先ずは走る。エアコンではなく、窓を開け放って潮の香りに包まれて。
そうだ、上関(かみのせき)に新しい道の駅が出来ている。あれを目指そう。ようやく目的地決定。
柳井市から沖合に突き出た室津半島の先端にある歴史豊かな上関町。40km余りで着いた。
ご多聞に漏れず、あまり広くない道の駅は、レジャー客でごった返していた。特にサイクリングの御一行様が、色とりどりのコスチュームで闊歩している様子は、、時代の流れをまざまざと見せられる思いがした。
目と鼻の先にある長島は、本来は離島なのだが、今では上関大橋で陸続きになっている。それでもやはり連絡船は運航していた。
この長島にはかつて、朝鮮通信使が京を目指す途中の宿泊地として立ち寄った歴史を、今も誇りとする建物などが残されている。
決して大きくない島であるが、そこに近場では名の売れたレストランがあり、ランチ客で満席であった。
そのレストランからの眺望がいい。大昔のNHK「ひょっこりひょうたん島」のモデルのような島が目の前に広がる。
そんな風景を楽しんで、元の道の駅に戻って「水軍カレー」に舌鼓。
ついでに言うと、かつて瀬戸内海には往来する船の荷物を検査する番所、いわゆる海の関所が置かれていた。
山口県では、一番京都寄りのこの関が上関と呼ばれた。次いで防府にある三田尻港周辺を中関。
そして関門海峡を挟んで九州と隣接する下関が、最も有名で大きな都市として発展していったのである。
このような歴史のウンチクをほんの少し思い浮かべながら、人並みに、秋の大型連休の1日をちょっとだけ楽しんだ。という他愛ないお話。