通化寺山門下から境内を見上げる 境内から山門の外側を眺めて
クルマでおよそ30分も走った、ちょっと山の奥まったところにある「通化寺(つうけいじ)」という歴史を秘めた由緒ある古刹で、毎年開かれているもみじ祭りを覗いてみた。
昨日も今日も、絵に描いたような小春日和。さぞかし紅葉狩り客も多かろうと覚悟して、マスクに消毒液持参のコロナ対策体制万全で出かけた。
何のことはない、ポツンポツンとまばらな人影。足元では、山懐だけあってイノシシ君のミミズ探しで至る所、重機で掘り返したようなぐじゃぐじゃな泥んこが顔を出してはいるものの、コロナ感染の心配をする「蜜」などの状況は全くなし。安堵してゆっくり心行くまでの紅葉見物。まさに「小春日和にひといきついて」といった趣。
真っ黄色の葉っぱが地面を覆う「黄落」 真っ赤なカエデが地面を染める「赤の絨毯」
かつて、幕府による第二次長州征伐の折、芸州口の戦いに向けて、高杉晋作率いる騎兵隊遊撃隊が駐屯し、ここから出撃した長州軍が幕府軍本体を撃破したことで、明治維新が一気に加速したともいわれ、近隣では名を馳せたお寺でもある。安倍総理大臣揮毫の記念碑も建っている。
本堂の側面に広がる山肌を基盤にした、雪州作と言われる雪州庭や心字池もある。但し、過疎による人手不足で現在の心字池は草ぼうぼう、気の毒なほどの荒れようである。が、見るべきものはある。
ご当地検定試験が盛んな頃、誘われるままに「岩国検定実行委員」の仲間入り。頭脳明晰なリーダーに引っ張られてあちこち現地調査に赴いた場所でもあり、仲間とお花見をしたこともある、懐かしい場所でもある。
抜けるような青空と小春日に照らされて、輝きを増す黄金色がまばゆい、晩秋のひと時を楽しんだ。
田舎には田舎の良さがあるものだ。この光景を将来に残したいと思うが、はてさて、檀家を10軒を下回る。なんとかしたいと、訪れるたびに思うのだが。