採れたての新米、真っ赤に実った小豆、そしてお節料理に欠かせない黒光りする黒大豆。これらが毎年決まったように、娘の嫁ぎ先から冬の贈り物として届けられる。もちろんどれも出来栄えは超優れもの、有り難く頂戴し、大切に食している。
県内でも、いわゆる山奥と言われる島根県と境を接する寒い高地に、婿殿のご両親が住んでおられて、専業農家ではないが田んぼも畑もあり、耕作はお手の物である。お舅さんの年齢は私と大きく変わらず、昭和の高度成長を支えた企業戦士の仲間である。ただ、田畑の耕作経験では遠く及ばず、サカリキで頑張っても頂き物のレベルには届かない。
それを重々承知の上で、「ひょっとしたらこの腕前でも出来るかもしれない」などと身の程知らず、今年の6月初めに約25㎡の畑に小豆の種を撒いてみた。畑があって種を撒き、水をやれば芽を出すだろう、などという横着者の考えを聞き届けてくれるほど農耕の神様は甘くない。
先ずはキジバトのつがいがやってきて、撒いた種の半分くらいをついばみおった。それから慌てて防鳥ネットを張る始末。
これと似たような、無知ゆえの手間不足が重なって、なんと、丸半年近く手塩にかけた?つもりの成果がご覧の通り。
これは大きな声で話せる中身ではないので「ここだけの話」に留め置いて頂きたいのだが、最高の出来栄えの小豆を種として撒いた量の3倍程度の収穫。つまり1合(180ml)にも満たない、涙が出そうな大収穫である(笑)自分で笑うしかない。
「赤いダイヤ」と呼ばれる北海道産の小豆先物取引で、自殺に追い込まれるほどの大損をした、などと言う話を耳にしたことがあるが、まさに我が家の小豆は、少なくとも1升(1800ml)は採れるだろうと見込んで投資でもしていたら痛い目に遭うところだった。
でも、いつまでも贈り届けて頂くばかりでは気の毒だ。いつか「私の家でも作っていますから、今後は結構です」などと言ってみられる日が、来るわけないよね~。ということで、悪戦苦闘の果ての大収穫。あの夏の水やりは暑かったね~。トホホホ