この写真の不具合は、どっちが老朽化、どっちが経年劣化。ややこしや。
肩が痛い、腰が痛い、膝がガクガクする、などを訴えて外科や整形外科を訪れる人は多い。
特に整形外科外来の煩雑ぶりは異常といえる様相である。待つのは当たり前、待たせるのは仕方のないこと。
❝ 3時間待たせて診察2分間 ❞ 使い古された川柳にある通り。中には「待つのがイヤな人は診療お断り」の張り紙がしてある医院もあるとか。
文字通り3時間待たされた診察室で、患部に手を当てられて「加齢による自然現象みたいなもんです」と言われて反論もできず、痛み止め飲み薬と湿布薬を処方されて、取り敢えず一件落着。そっか~、年を取るってこういうことなのね。などと妙に納得してしまう。
そこでもう一押し「上級検査を受けたいのですが」とか気軽に言える、医師と患者の関係を保てるといいのだが。
かく云う私は、この「加齢による自然現象」などという、医師にとって都合のいい言葉でカタを付けられるのはどうも釈然としない。
人間だれしも年を取る。患者の脈をとる医師も当然年を取る。ただ、人によって年の取り方には幾通りもある。人それぞれに異なるのだ。
それを十羽ひとからげに「加齢なのだから痛くて当たり前」とは言って欲しくない。
現役バリバリのころ、工場の施設設備の老朽化や経年劣化でメインテナンスの必要ありなし、急か不急かの判断を迫られる場面に何度も立ち会って来た。同じ金属製のバルブや配管でも、老朽化や経年劣化は異なる。
改めて考えると、老朽化と経年劣化は、どちらも時間の経過により問題が生じてくる点は共通している。ただ、老朽化は古くなったと言えるほどに時間が経過している必要があるが、経年劣化は多少でも時間が経過していれば「経年」という仲間に入るので、老朽化と経年劣化は違いがあるということらしい。
つまり、老朽化とは、古くなったことで問題が生じている状況を言う。経年劣化とは、時間の経過により問題が生じている状況のことを言う。
どちらも似たようなことだが、少し違いがあるということ。ややこいや~ややこしや~。