「あいつとは何かしら馬が合うんよ」とか、「気を使わなくて済むんよ」などと言って、何人かの仲良し友達を持っている人は多いと思う。
そればかりではなく、初めてあった人同士でも、なんか気安く話が出来る気軽さを感じたことがおありではなかろうか。さらに言うと、お見合いの席に座ったことのある人はお心当たりがあるだろうが、出会った最初の数分で、次の逢瀬を設定するか否か決めて来た人もおおいよね~ ご同輩??
馬が合うとは、馬とその乗り手の呼吸がぴったり合うことで、馬の速歩と乗り手が腰を浮かせて馬の背骨とお尻がぶつからないよう、ウマく馬と乗り手の息が合うこと。つまり、気が合う しっくりとゆく 意気投合する などと考えるのがよろしいようで。
もう少しいうと、肌が合う、反りが合う、琴瑟相和す(きんしつあいわす)などいろいろな 言い回しが使われている。
そんな子難しいことではなくて、私たちの地域活動の一つに、小学校から依頼を受けて行う宿題サポートという活動がある。学校から帰ってもすぐに宿題をする環境にない子もいるわけで、そういった子どもが宿題を学校でやって帰らせるサポートをする。コミュニティルームがそのステージである。
元気よく勇んでやって来る子。少し俯き加減の子。混ぜくりを目的に唯我独尊・傍若無人、マイペースな子もいる。ある意味楽しい修羅場である。
こちらも身構えない、催促がましいことは言わない、但し人の邪魔になる行為は厳しく戒める。おおむね3人ひと組で対応する。
宿題の手が進むのを見守る、算数は答えを導くこともある。音読を聞いてやって、声の大きさ・はっきり読めているかなどの評価をする。いわゆる教師の真似事で宿題をやって帰らせるのが目標である。そんな何人かの子どもたちが、少し時間がたつと自分と馬が合う大人をちゃんと見極めているようだ。
音読の聞き役は特に顕著で、わざわざ袖を引っ張りに来る。ごんぎつねの物語を読み上げるのを、声を出さずに何度も頷いてあげる。
帰るときには笑顔になって、重いランドセルをものともせず手を振って部屋を出て行く。担任教師や校長、教頭先生のご苦労を身に沁みて体験している。