「世の中、ちょっとやぶにらみ」

本音とたてまえ使い分け、視点をかえてにらんでみれば、違った世界が見えてくる・・・かな?    yattaro-

「神無月(神有月)つごもり」

2024年10月31日 | 季節の移ろい・出来事
          

4・5日前までは「まだまだ暑いね~」「この暑さ、いつまで続くのかね~」などと嘆き節がまかり通っていた。10月も残り数日となったころから一気に冷え始めた。パジャマは冬物に、厚手のちゃんちゃんこのお出まし。そんな寒さを感じ始める頃、16年前の母の終焉の姿を思い出す。
 
お世話になっている介護施設の窓の下で、細身のコスモスが一輪冷たい風に吹かれて右に左に心細く揺れていた。それは母の容態が黄泉路の向こう岸へ渡ろうか、こちらの岸に留まろうか、迷っている姿に似ていたように感じた。その日から10日後に100歳7か月の生涯を閉じた。
 
菩提寺さんから、今年は17回忌法要となる案内を早くから頂いていた。忘れないように目の届くところに置いて「絶対忘れないように」気にかけていた。そして今日、私たち夫婦と妹3人でお参りし、修復中の本堂から聞こえるノコギリやトンカチの音を聞きながら、仮設のご仏前で無事法要を営んだ。

父の50回忌を3年前に済ませたとき「親の50回忌をさせてもらえるのは有難いこと」と周囲からお褒めの言葉を頂いたが、確かにその通りだ。ということは母の年忌法要を営めるのは今回が最後の公算大である。次回は私も妹もこの手で法要を営むことにはならない。自慢じゃないが確信を持って言える。

お寺にお参りして誰かのために気持ちを込めて祈りを捧げる。その行為がこれほどまでに気持ちの安らぎを覚えるの初めてのような気がする。母親という存在の大きさが、今も気持ちのどこかに宿っているのかもね。
 
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