誰よりも早く起き、誰よりも遅く眠りにつく。寝顔をひとに見せたことがない。
そんな母が、たった一度だけ「仏の顔」と見まがうほどの安らかな寝顔を見せた。
その時が、101歳を生きた母との永遠の別れになった。
この世で味わった辛酸や苦労など一切忘れたような笑顔。
喜怒哀楽のすべてを飲み込んだ、優しさに包まれたほほ笑みは「精いっぱい生きたんじゃけー心配せんでええよ」と、落ち込む私たちを励ましてくれる。
どこまでも家族を気遣う真綿のような親心を置きみやげに、晩秋の夕闇へ静かに溶け込んでいった。
ありがとう、おふくろ。
2008.12.28 毎日新聞 はがき随筆 掲載
母の49日法要は、1週間取り越して先週日曜日に滞りなく執り行った。
今日は母を見送って、実質的49日目に当たる。
101歳を生きた母が、一体何を残していったのだろうか、気に掛かっていた。
そんな気持ちの一端を250字にまとめ、「置きみやげ」と題して葉書随筆に投稿していた。
図らずも今日、毎日新聞に掲載された。旅だった母へのはなむけになれば幸いである。
( 写真:法要当日の我が家 )
昨年最後の作品です。気持ちもかなり前向きの戻ってきましたよ。
じんわりと気持ちが伝わってきました。yattaro-さん、優しいですね。お母さんも嬉しいと思います。
またがんばっていこうね。
休みを開けたら、必ず読みます!
まだまだ先の長い創作活動です。一つでも多く、より楽しいネタを探し続けましょう。
随分お世話になった一年でした。来年もあれやこれや楽しくお付き合い下さい。
風邪など引かないように、気を付けてね。
クルマをすっ飛ばして病室に駆けつけた時の母の顔を思い描きながら書いた、今年最後のエッセイです。
私がこんな素敵なエッセイが書けるようになるのはまだまだず~っと先のようですが、、、
来年もたくさん書いて、ほろりとさせてくださいね。
素敵な素晴らしいお母様の「置きみやげ」、感動しました。