日本の四季を讃える表現は至る所、色んな人が言葉として、花として絵として色として著わしている。
秋の七草、春の七草に代表されるように、季節を詠み取る歌の主題としてもたびたび登場する。
どちらの七草も元はと言えば万葉集の世界を彩っているものが多い。特に秋の七草でも人気の高いハギの花は、万葉集に登場する約160種類の植物の中で、最も多く詠まれているのだそうな。
山口県萩市の観光協会が、日本一長い「ハギの花トンネル(50m、200株)見ごろは10月中旬~11月上旬。是非お出かけくださいと呼びかけている。う~ん、一度行ってみたい。
と言うことで、孫さんと覚えるのを競った「セリ・ナズナ・ゴギョー・ハコベラ・・・」は耳にも口にもなじみ深い春の七草だが、同じ七草なのにどうしても疎遠になりがちな秋の七草をにちょっと注目してみた。
『ハギ(萩)』江戸時代ころまで、秋の花見行楽として庶民にもてはやされた歴史を持っている。
『ススキ(薄)』名月を背景に、秋の訪れを告げる情景が絵になる。
『クズ(葛)』花は赤紫色で、根を乾燥さたものは漢方薬・葛根湯に配合された。
『ナデシコ(撫子)』清少納言は枕草子「草の花」の段で、「草の花は撫子」と、花の美しさを湛えて
いる。余談だが、サッカー女子日本代表チームの愛称となっている。
『オミナエシ(女郎花)』「紫式部日記」には藤原道長との、オミナエシの歌の贈答の場面が多く描か
れている。
『フジバカマ(藤袴)』芳香を楽しむ花として匂い袋などに用いられた。海を渡る蝶アサギマダラの好
む花として名を馳せている。
『キキョウ(桔梗)』紫色の花を咲かせる桔梗色は、日本の伝統色の一つ。くっきりした輪郭は武家の
紋所として好まれた。環境省の絶滅危惧種に指定され、山野ではなかなか見られなくなった。
ざっと羅列してみると、やはり、季節を象徴する花々ではある。ただ、七草と呼ぶには少し無理があるのも秋の七草の特徴かもしれない。
独断と偏見に満ちた秋の七草談義。マユツバで読み流して頂けると有難し(笑)
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