3月1日。幾つになっても、なにかしら遠い思い出がふとよみがえる、記念すべき日である。
礼服にお祝いのネクタイ。この服装はやはり気持ちが引き締まる。母校卒業式に参列。
「国歌斉唱」「校歌斉唱」は必ずある。しかし「蛍の光」も「仰げば尊し」もない。
小学校の卒業式、蛍の光は少し意味が分かって歌った。仰げば尊しは、中学校卒業式では意味が分かった。それほど、卒業式には欠かせない歌だと思っていた。
歌詞もちゃんと頭に残っている、記憶の仲に焼き付いている。
いつの頃からか歌われなくなった。いつ頃からだろう。なんで辞めたのだろう。
理由は幾つかあるのだろう。その年に流行った別れの歌を歌うのなら、仰げば尊しを歌えばいいのに…と単純に思う。
恩師に対する感謝の思い、「有難う」の言葉に換えて歌うこんな歌さえ「古くさい」という時代の流れには逆らえないのだろうか。
歌う・歌わない、を生徒が決めるわけではない。とすれば、教師の側から“それほど恩に感じなくてもいいよ…”ということになったのか…。勉強不足でよくわからない。
でも、やっぱり恩師に対する感謝の思いは今もいっぱいある。忘れることはない。
そんなことを思いながら高校の卒業式に立ち会ったら、急にあの頃を思い出し、アルバムを開いてみた。