この春の特別行事として、何かあったのをやっと今夜思い出した。
友人に誘われるままに参加して、半世紀ぶりに「麦ふみ」をした。20日も前のお話し。
冷たい早春の風の中、15㎝くらいに伸びた元気盛んな麦をふむ。
匂うような若草色の麦の茎を、足の裏で慎重になぎ倒すように踏んでいく。弾力性を帯びた柔らかな感触が身体全体に広がる。せっかく伸びかけた茎を踏み倒す、それが喜ばれるとは、なんとも不思議な感じがする。
畑に入っただけで、わるさもしないのに六尺棒で追われた子どもの頃がよみがえる。
なぜ麦だけは踏み荒らしていいのか不思議だった。
収穫を前にした頃に降り始める梅雨の重さに耐え、風にも倒されない、ずんぐり・どっしり力強い麦の茎を育てる。
そのために、伸び盛りの若い芽をいためないよう、生え際をなぎ倒すように踏みしめる。
そうやって麦にストレスを与え、自由奔放にヒョロヒョロとノッポに育つのを抑える。そうして、ドッシリした茎を育てるのだという。
我が子の青い麦は、どんな踏み方をしたのだろう。
むやみやたらに踏んで、肝心な芽までいためはしなかったろうか。
痛みや悲鳴を足の裏で感じてやれていたのだろうか。
今頃になって麦踏みのコツを知ってもねー…、ちょっと手遅れだよねー。
友人に誘われるままに参加して、半世紀ぶりに「麦ふみ」をした。20日も前のお話し。
冷たい早春の風の中、15㎝くらいに伸びた元気盛んな麦をふむ。
匂うような若草色の麦の茎を、足の裏で慎重になぎ倒すように踏んでいく。弾力性を帯びた柔らかな感触が身体全体に広がる。せっかく伸びかけた茎を踏み倒す、それが喜ばれるとは、なんとも不思議な感じがする。
畑に入っただけで、わるさもしないのに六尺棒で追われた子どもの頃がよみがえる。
なぜ麦だけは踏み荒らしていいのか不思議だった。
収穫を前にした頃に降り始める梅雨の重さに耐え、風にも倒されない、ずんぐり・どっしり力強い麦の茎を育てる。
そのために、伸び盛りの若い芽をいためないよう、生え際をなぎ倒すように踏みしめる。
そうやって麦にストレスを与え、自由奔放にヒョロヒョロとノッポに育つのを抑える。そうして、ドッシリした茎を育てるのだという。
我が子の青い麦は、どんな踏み方をしたのだろう。
むやみやたらに踏んで、肝心な芽までいためはしなかったろうか。
痛みや悲鳴を足の裏で感じてやれていたのだろうか。
今頃になって麦踏みのコツを知ってもねー…、ちょっと手遅れだよねー。