「世の中、ちょっとやぶにらみ」

本音とたてまえ使い分け、視点をかえてにらんでみれば、違った世界が見えてくる・・・かな?    yattaro-

「やはり必需品」

2010年03月16日 | 趣味・・エッセイ
 一緒に生活してきた母が98歳を過ぎた頃、完全な寝たきりになり、やむなく療養型介護施設にお世話になることにした。
 入所面談の折「高齢ゆえいついかなる状態になるか、そのリスクをしっかり承知しておいて下さい」と医師からの宣告。
 その時「これからは携帯電話は肌身離すまい」と誓った。

 いついかなる時も施設との速やかな連絡態勢を整えておくことが、母と一緒に生きているせめてもの証しだと思いたかった。

 それから2年半、施設との連絡は固定電話で十分事足りていた。
 ある日の夕方、後にも先にもたった一度だけ、施設からの呼び出しが携帯電話に入った。

 受けると同時に車を走らせたが、部屋に着いた時はすべてが終わっていた。
 それでもまだぬくもりのある母の額に手を当てることはできた。
 そして精一杯の「ありがとう」を心の中でつぶやいた。

 どこで何をしていようと、確実に連絡が取れる重宝な代物。
 これからの生活を考えると、携帯電話はこれまで以上に手放せないと思う。
 使いこなすなどおこがましいが、てこずりながらもやっぱり仲良しでいよう。

                   2010.3.15 朝日新聞テーマ「携帯電話」掲載  
        
         ( 写真: 携帯電話も持ち始めて、早くも3台目となった )
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「ついぞ触れぬ世界に」

2010年03月15日 | つれづれ噺
思いもかけぬ形で、気持ちを豊かにしてくれる春の温もりにも似た出会いがあった。
犬も歩けば棒に当たるといった具合の、偶然の産物ではあったが、受付をしておられた懇意なご夫婦のお勧めもあって、じっくり会場を見学させて頂いた。

「源氏物語筆写展」
単に他人のご趣味を、かいま見せて頂くというにはちょっと出来すぎの感がある高尚なものであった。

「桐壺」に始まって「若紫」「賢木(さかき)」「朝顔」と続き全54帖に及ぶ膨大な物語りの現代語訳を、毛筆のたおやかな筆致で巻紙に書き写す。それはそれは精巧な出来映えであり、遠い存在であった源氏物語の世界が、急に身近に思えるから不思議だ。

今回の展示は「真木柱」までの31帖で、後半部については、数年先、80才を目標に完全仕上げをしたいとのご意向。驚くべきパワーを感じる。

源氏物語もそうであるが、毛筆を使いこなして、柔らかなひらがなを駆使する筆写。
やはり私などには遠い世界である。
しかし、現実にこうして素敵に出来上がった筆写を見せられると、まねごとさえ出来はしないが、翻訳書を手にとって読むくらいなことはしてみたいと思わされる。

素敵な趣味の世界で、楽しみながらこの世を生きる。人生の参考にまでなる素敵な出会いとなった。

     ( 写真: 人物が小さく見えるほどの会場いっぱいに広げられた、筆写 )
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「東京原発」

2010年03月13日 | つれづれ噺
痛快!社会派コメディー!!というふれ込みの映画「東京原発」を観た。
面白かった。 原子力発電に依存する我が国の現状、原発建設計画への賛否両論ある中。
色々思うところはある。が、ここでは映画鑑賞の感想にとどめよう。

突然、東京都知事が「東京には原発が必要だ!!」から物語は始まる。
何故今、東京のど真ん中に原発を作ろうとするのか。

現在の原発の多くは、膨大な漁業補償や土地開発を必要とするへんぴな海岸沿いに作られている。
そんな遠くに作るから、送電線や送電用鉄塔建設など莫大な経費がかかる。当然電気代は高くなる。
しかも、原発事故などは遠くの海辺の出来事で、東京都民には直接的リスクは少ない。だから、電力など無限にあると錯覚して湯水の如く使う。

都庁の近くにある公園に原発を作れば、海に垂れ流す温水をビルや民家の暖房などに活用できる。
何よりも、原発に関する現実問題を、マンモス都市東京都民に「自分たちのこと」として考えてもらう。

そうすることによって、原発の副産物の処理方法、有効活用方また代替エネルギーの早期開発を何がなんでもやらなきゃならない。国が当然やるべきだが、国が出来ないのなら、都知事の首をかけて世に問う…。そのためにも、東京都心に原発が必要である…と強調する。

いまさら電気のない社会に戻れはしないしな~~。

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「息吹」

2010年03月12日 | 季節の移ろい・出来事
         

ここにも早咲きの桜がある。真っ白な小粒の八重で、セイヨウミザクラという種らしい。
観賞用の小木を地に降ろしたもので、葉桜に変わる頃赤い実を付けて目を楽しませる。
通常のサクランボほど大きくはならず、食べられはしないが、孫の家の小さな庭に彩りを添えている。
赤く実るまでは鳥に食べさせまいと、ネットかけて守っている様子がまた面白い。

我が家のウバメ樫も見事な新芽を吹いた。
黄緑の柔らかい葉っぱは、5月の新緑を先取りしているかのようで清々しい。
こんな様子を見ていると、間違いなく春はやってきているな~と感じる。

寒さに身を縮めてキーボードと仲良く過ごした冬眠から、少し抜け出る季節がやってきた。
畑作りも本気でやらないと間に合わなくなる。
少しは身体を使って血の巡りをよくする努力でもしてみるか…。
固くなった頭の中の回路も少しはゆるんで、何かを感じ取ろうとする力が湧いてくるかも知れない。来ないかも知れない。まあやってみることだ。

草も木も間違いなく、青々と茂ろう…新しい芽を出そう…と先を競う息吹が聞こえてきそうな3月半ば。
一枚脱いで身を軽くしてちょっと大股で歩いてみよう。
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「春が見えた!!」

2010年03月10日 | つれづれ噺
    
     質問している議員さん          答弁する副市長

岩国市議会本会議。
今日午後一番の一般質問で、観光行政の在り方に及ぶ質疑がなされた。

その中で「『岩国検定実行委員会』なるものが、市民有志の手で立ち上げられている。これに対して、岩国市としてどのような支援策・対応を考えているのか」という直接的な質問がぶつけられた。

岩国市として、初めて浮かび上がった岩国検定試験実施という具体的な課題。
市当局の勉強不足、他都市の参考意見収集など対応遅れは否めない。
岩国教育長・副市長などの答弁は繰り返されたが、先ずは、通り一遍の、今まで我々が足で稼いできた内容のおさらいみたいな答弁に終始した。
今日の段階では、我々に対する具体的支援策は示されなかった。

ある意味それは当然であり、我々もいま、そこまで要求するほど幼稚ではない。
先ずは、こちらの意向を聞こうという態度を示してくれるところからスタートだろう。

岩国検定実行委員会旗揚げという石を投げた。大きな石だったのか、小石だったのか、今はよく分からない。
但し、波紋が徐々に広がっていることは間違いない。
今はかすかな波紋ながら、やがて大きなうねりとなる予感がしないでもない。

大きなうねりとなって帰ってきたとき、慌てることも、溺れることもないよう、足腰を鍛え、しっかり大地に立つ力を養っておかなければならない。

ときあたかも3月半ば。春が見えてきた予感がする。

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「逆戻り」

2010年03月09日 | 季節の移ろい・出来事
            

寒波が戻ってくるという予報はあった。それにしても激しい霙(みぞれ)。
ここらあたりでは、真冬でも昼間の雪が積もることは滅多にない。
それなのに、あれよあれよという間に、横風を伴った霙が畑を白くしていく。団地の道路はシャーベット状。アオサギのねぐらも、風が霙が容赦なく襲う。

海水浴で食べるかき氷のミゾレは有り難いが、ようやく暖かくなりかけた春を目の前にした横殴りの霙は、人間様も鳥たちも震え上がらせてしまう。

ここ2・3日の気象は真冬へ逆戻りとか。3月に一度や二度はやってくるこのような寒波に耐えて春を迎えることは充分承知している。それでも真冬にさえこんな荒れ方は一度もなかったのに、今頃になってなんで??と言ってみたくもなる。

今日の霙が、この冬の名残の雪なら、降る時を知り降り方を知っているはずだ。
“……なごり雪も降る時を知り~~……
       いま、春が来て君はきれいになった~去年よりずっときれいになった~~”

今日は公立高校の入学試験。この寒波を上手にやり過ごしたら、本格的な春がやってくるのだろう。

      ( 写真:午前中には真っ白くなった近くの山も夕方にはホンのウッスラ雪化粧 )
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「さらさらいくよ~」

2010年03月08日 | 季節の移ろい・出来事
購入した玄米を、必要量だけ精米するコイン精米機。
玄米投入から5分あまりで真っ白な白米になって出てくる。一粒残さず袋に入れてクルマに積む。

ひょっと目を遣ると、すぐそばを流れる小川に、まだまだ小粒の菜の花が春を手招きするように見事に咲いている。
菜の花の根っこを取り巻くように、身を寄せ合い、小さな音を立てながら水は流れている。

♪♪ は~るの小川は さらさら行くよ~ …… ♪♪ 遠い昔をふと思い出す。

土手の草花を摘もうとしたら、ズルズルっと足を滑らせる土の土手とはわけが違う。
小川の両岸はがっしりコンクリート壁で固められている。

よ~く見ると、こういうのは小川とは言わないのかも。生活排水も、田んぼからあふれた水も一緒くたに海に流そうという用水路なのだ。

まあこのように、用水路壁を高くしておかないと、少しの雨でも泥が流れ込んで、水路をつぶす危険があるようだ。
それでも健気に咲く菜の花は、高いコンクリートに囲まれながらも確実に春を呼んでいる。

これから花を咲かせ実を求めて大海を目指す我々も、菜の花の根っこを流れる水の如く、障害物を抱き込んだり迂回したりして、上手に流れ続けられるといいな…と目の前に迫った春に望みを託したくなる。
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「三枚目」

2010年03月06日 | 趣味・・エッセイ
居候がそ~っと出すのは三杯目。
今日の吾輩は三枚目。 三杯目と三枚目、どこか似ているようで似ていない。
かと思えば、自分を抑えて相手の意向を尊重する…という点では意外に共通するのかも。
ご縁を得て、同じ趣味を持つ仲間の集い「年間表彰式」の司会進行をやらせてもらった。

出来るだけ多くの情報を収集し、自分なりの綿密な進行表を作り、進行時間を計算する。この出発点に大きな誤りがなければ、おおむね順調に運ぶ。進行にメリハリがつき、会場の人たちが乗りやすい雰囲気が作れる。

次に主役を如何に引き立たせるか。つまり主役に対して如何に多くの拍手をもらって上げられるか。それには、先ずなんとしてでも会場の雰囲気を和らげる努力が要る。次に会場の人が拍手をしやすい“間”を計ること。後はその日のお天気も、トピックスも味方にして、アドリブを転がす…。と、一通りは心得てはいるつもりだが、なかなか現場は生きている。大きく逆らうこともある。が、少々の突発事項や急遽変更など、あって当たり前。何もなくて進行表通りに進めば儲け物。赤ペン修正を全て乗りこなしてナンボの世界が司会進行の真骨頂であること。こんなことを頭の片隅に……。

でも考えてみれば、表彰式で司会進行をやっていてはいけないのだ。
司会者に呼び出されて壇上に上がるのが本来のあるべき姿なのだ。
勘違いしちゃいけないよね~。やっぱり三枚目が似合ってるのかな。

        ( 写真 : 同好の士の年間表彰式 )
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「役者」

2010年03月05日 | つれづれ噺
世界の3大映画祭の一つ、ベルリン国際映画祭で、日本の女優「寺島しのぶ」さんが最優秀主演女優賞に選ばれたという報道があった。

これ以上はないという梨園の、おんば日傘で大切に育てられた名門のお嬢さんである。
早くから文学座に入団、女優としての腕を磨き受賞歴も数多く、演技力には定評があるという。

人それぞれに好みがある。その上、母富司純子さんの若い時の可憐さを知っている私に、勝手に言わせて頂くなら、「震い付きたくなるほどの華やかさのある美人ではない」と思っているのだが、何とはなしに気になる女優さんの一人である。
今回の主演女優賞と聞いて、なるほど…と頷く部分はある。
いつの間にか彼女も37才。まさに脂が乗り始めたこれからの女優さんという感じがある。

何故いま寺島しのぶさんなのか…。
NHK大河ドラマ「龍馬伝」に出演中だからでもある。
我が愛する龍馬の姉「乙女大姉」役の渋い演技が目を引く。
かつては、水谷八重子さんが、同じくNHK大河で素晴らしい演技を見せてもらったことがある。
それとはまた異なった、寺島・乙女が見ものでもある。

それにしても役者さんという職業は憧れるなー。売れなければ食えない不安定さはあるが、この世の人間の、善も悪も、きれい事も汚れた部分も、演技という衣を着て色んな人間に変身できる。演じてみたい人間像がいくつあるだろう。

やはり当面は、かっこよくモテる男役がやってみたい。そして、時には愛を告白出来ないまま駅のホームの片隅で、静かに見送る切ない男役も捨てがたい。

何をバカなことを……。 この忙しいときに…。
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「持ち上げる…」

2010年03月03日 | つれづれ噺
おぼろげながら輪郭が少しずつ見え始めた岩国検定試験。
それこそ、足すものもない、引くものもない、何もないところから一つの形を作り上げようと立ち上がった、名もない素人集団の「岩国検定実行委員会」。

キックオフミーティングから一ヶ月あまり。水面下の実質的スタートから、かれこれ3ヶ月。
産声さえもまだまだ大きくは響かない嬰児のような集団ではある。しかし、よく見ると骨格はしっかりしていて、足も大きい。しっかり地面を踏みしめている。

新聞報道や、あちこち関係官庁訪問、資料収集などの地道な活動が少しずつ目を出し始めた実感がある。
そんなグループの第2回目の会合を持った。
リーダーが止むに止まれぬ事情で欠席。リーダーの作り上げた資料を基に、ピンチヒッターの進行役。

いつもはおんぶに抱っこで甘えている。こんなときこそ何とか力を出したいと張り切る。
しかし所詮ない袖は振れない。が、皆さんの活発な発言・発想・前向きな姿勢に背中を押され、どうにか陸に乗り上げず船頭役をひとまず果たせた…と言うことにしておこう。

ただいつも思っていることは、「一人でも持ち上げる気概を持たなければ、二人寄っても持ち上がりはしない」ということだ。これは肝に銘じている。
だから何が出来る…?と聞かれると、ウーン…返事に困る。

兎に角乗って岸を離れた舟だ。流れに身を任せることもあろうが、必死で急流を乗り切る場面も出てくるのだろう。流れの速さ・風向き・水の深さなど周到な気配りをしながら目的地を目指すしかない。大変さ・忙しさを忘れて、今は幸せに向かっている心地がする。
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