1年間支えてくれた手帳。新たな相棒として支えてくれる新手帳
毎年同じことを繰り返す。だがその度に何かしら心改まる思いがする一つの儀式がある。
他人にとっては何てこともない事柄だけど、本人にとっては重大事となることも世の中にはある。そんな一つが手帳の新旧交代、言ってみれば手帳交代式である。
段々記憶力が低下する中で、居間の電話前カレンダーと共に、いやそれ以上に我が身に密着で、不義理やすっぽかしなど起こさぬよう見張ってくれる手帳という名の相棒。
これまでの感謝と、これからの厄介をお願いする敬意を込めて、252字のはがき随筆に挑戦。運良く掲載されたので、ここに再掲させて頂く。
『 真っさらな手帳に先ずは当面の月間予定を書き込む。
次いで分かっている限りの年間行事。
さらには忘れたら叱られそうな結婚記念日など、各種記念日を赤ペンでマークする。
向こう一年間頼りっぱなしの相棒となる今年の手帳。
予定欄が少しずつ埋まっていくのを見ると、今年もあれこれ面白い一年になりそうな予
感。思わず腕をなでる。
過去一年の生き証人ともいえる古い手帳。
段々遠のく持ち主の記憶力をカバーしてあまりある働きぶり、ご苦労さん。
新旧は交代しても、その存在は永久保存の光彩を放ち続ける。 』
2013.1.15 毎日新聞 はがき随筆掲載