(田子倉ダムは雲海の下)
(紅葉の山頂を望む)
(昼食は楽しい)
(マックスの前の犬チロも同行)
(田部井淳子さんが冬期登攀訓練したのはここか)
身近でも人気の「浅草岳」
無雪期ならば、比較的容易に登ることが出来る親しみやすい山として人気のある「浅草岳」には何回も登った。
娘の友達を何人も連れて、登った事も、今年死んでしまった犬の「マックス」が生後十か月の時に連れて登った事や、
妻の母、義母の七十七歳のお祝いに連れて登ったことなど、色々な事が思い出される。
好奇心旺盛な義母も腰がやや曲がり始めた頃では有ったが、
日ごろの農作業で鍛えた身体は身軽で何の苦労も感じさせぬ登山だった。
腰の曲がり方から、実年齢よりも年上に思われたのだったかも知れない。
「お元気ですねー」と何人にも声を掛けられた。あまりにも大勢の登山者に言われ続けて、
義母も応対に飽きてしまったのかも知れない。
大きくな荷物を背負い、喘ぎ喘ぎ登る登山者に同じ言葉を掛けられた義母は、
「こっけんがん、ゼンマイ採りに比べたらどって事はねーて」なんて煙に巻いた。
驚愕の表情を見せた、その大きな荷物の大男は次の言葉を飲んだかのように登り始めたのだった。
さて、お話したように何人もの娘の友達も連れて登った事も有った。山にリスクゼロなどと言うことは絶対に無い。
もしも、などと考えたら他人の子供など連れて山登りなんて出来たものではない。
私は、そんな非難や事故のリスクよりも、低山と言えるような「浅草岳」でも、
豊富に見られる高山植物群や、眼下に見える「田子倉ダム」方向の風景を見せたい気持ちが勝ってしまったのだった。
「浅草岳」のコースの中では難コースと思われる、只見線「田子倉」駅からのコースも、
山仲間に誘われて秋の好天の日に登った。
紅葉の海を歩くような感覚と、かの「田部井淳子」さんが、冬期登攀訓練で登ったと言われる、
「鬼ヶ面」の北壁を見ながら登った登山も私の一生の貴重な経験となっている。
さて、登山に誘い始めた頃の義母の年齢に近づき思うことは、
今でもあの頃の義母のように「越後駒ケ岳」に登られるだろうかとふと思う。