「下の湯」へ降りる、長い廊下と階段。
夜遅く一人で「下の湯」へ。誰もいなくて気持ち悪くなりそそくさと帰りました。
こちらは新しくできた「上の湯」で明るく広々としている。
マックスに留守番をさせるわけにも行かず、軽トラで連れて行き車中泊でした。
湯治(その2終わり)
そして、栃尾又と言えば源泉の温度の低さでも知られ、その流れから長時間の入浴になる。長い時間の退屈しのぎに、風呂の中ではのど自慢になることも多かったと言うからのどかな光景だったに違いない。
長期間の湯治は、食事なども自炊で食べていたようだ。父の湯治も自炊だったように思うのだが、どうして賄っていたのだったか私の記憶にはない。ただ、上の湯に行く際に通る廊下と言うか、雁木の通り道の横には昔の湯治場、自炊で使ったであろう部屋が並んでいた。使われずに障子戸が開いているところは一度も見たことは無かったが。
今はさすがに湯治とは言え食事は宿で準備される。昼食は節約のためか宿が対応しなかったのか、パンとかレトルト食品で済ませる人も多かったのではないか。そして、入浴上の入り口や、ドアには「静かに湯治したい人もいます。会話は慎むように」なんて張り紙さえある。のど自慢で歌い交わされたなんて夢のような話。 時代の変化とともに湯治のスタイルもずいぶんと変わってしまったようだ。
(終わり)