上方から江戸へ来て 苦労しながら 料理の工夫をする澪
内心 母親代わりにも大切に思う もとは雇い主であった大店の御寮人お芳
長屋の隣の親切な夫婦
娘に死なれた料理屋の主人種市
いつか澪が慕うようになる武家の小松原
爽やかな青年医師
温かな人々に囲まれ 教えられ 見守られて 澪は一つ一つ試練を乗り越え 料理人として成長していく
愛嬌ある下がり眉 とびきりの美人さんではないけれど 澪はいつも一生懸命
今回は前の店も潰した料理屋の嫌がらせで 犠牲になった少女ふきの身の上に澪は 親のない自分の姿を重ね 彼女の為に対決する
「俎橋からーほろにが蕗ご飯」
今は吉原に身をおく大事な幼なじみの野江の為 またもや澪は思いきった行動に出る
「花散らしの雨ーこぼれ梅」
いつも澪を助けてくれるおりょうと一人息子の」太一が麻疹(はしか)に罹る
症状重く なんとか太一に食べてもらおうと思いむきになる澪は 考えの間違いを 手伝いにきた老女のりうに教えられる
「一粒符ーなめらか葛饅頭」
年頃の澪にも会いたい 作った料理を食べて欲しいと思う相手はいる
しかし恋の想うに任せぬ難しさは
想う人には想われず 想わぬ人にはーというもの
まして澪は やや鈍いところもある
彼女には育て守ってくれるお芳の店再建 その江戸の店から行方不明になった若旦那を見つける
ー誓ったこともある
けなげな澪はこの先 どう生きていくのか
シリーズは続きます
巻末には お約束となった作中に出て来る料理の作り方付き
表題作 花散らしーに合わせ とても美しい色の表紙絵となっております
「八朔の雪 みをつくし料理帖」は↓に
http://blog.goo.ne.jp/yumemi1958/d/20090624
「出世花」は↓に
http://blog.goo.ne.jp/yumemi1958/d/20090716
「銀二貫」は↓に
http://blog.goo.ne.jp/yumemi1958/d/20090905
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