鎌倉のある古民家にしか見えない喫茶店 めちゃくちゃ人見知りの女性が店主 しかし事件の謎解きとなると人格もコーヒーの味も変わると言う
その名も安楽椅子 あんらくいすーではない あんらく よりこーと読む 椅子と書いて「よりこ」
安楽椅子(あんらく よりこ)という名前の安楽椅子(あんらくいす)探偵が 主として密室事件を解くーという趣向の物語
そして この「一服堂」の四季というタイトルにも一度しか使えない「読者の思い込み」を誘う「ひっかけ」が入っている
さながらボクシングのジャブだろうか
第一話「春の十字架」
放談社の村崎蓮司(むらさき れんじ)は義理ある人の頼みで 緑川夫人の夫の浮気現場を見張る仕事を言いつかる
が!村崎が眠気に負けている間に夫人の夫は殺された
密室での不可能殺人と思えたそれを 女性刑事の夕月茜を前にして「一服堂」の女主人 安楽椅子はエキセントリックな言動で解き明かす
第二話「もっとも猟奇的な夏」
ガソリンスタンドで働く天童美幸は友人の草刈りを手伝う
そして友人の隣人の死体を発見した
村崎は美幸への取材を一服堂で行った
謎を前にすると人格が豹変するらしい安楽椅子が その謎を解く
第三話「切り取られた死体の秋」
売れないミステリ作家と共に死体を発見した村崎
死体には首と両手首が欠けていた
謎の女ユリアちゃん
売れないミステリ作家の話を聞いただけで 一服堂の店主は犯人を指摘
第四話「バラバラ死体と密室の冬」
色違いの隣りあわせの家
道路の陥没
浴室のバラバラ死体
同じ家の別の部屋では その死体の弟が死んでいた
犯人は何処から消えたのか
この謎も 一服堂の女主人は解き明かす
ふつう「四季」とあり 各話に季節が入っていれば 一年ーととらえがちだが
この春夏秋冬は もっと離れている
一服堂の女主人は強度の人見知りを克服できないまま 店をつぶすことなく商売を続けてこられたようだ
純喫茶「一服堂」出される珈琲は微妙な味
ただ謎は解きます
ちりばめられた言葉遊び
ちょっと変わった登場人物の個性を笑ってーもとい お楽しみくださいませ