ダブル・ジョーカー (角川文庫) | |
柳 広司 | |
角川書店(角川グループパブリッシング) |
シリーズ第2作
「ダブル・ジョーカー」
陸軍内に極秘裏に作られたD機関 後発の諜報組織「風機関」を率いる風戸は D機関潰しに燃える
自己過信と卑劣さから陥穽に落ちたのはー風戸だった
「蠅の王」
軍医の脇坂は兄の死の事情から共産主義社会の実現を夢見て 日本の敗戦を願うようになる
そしてーモスクワのスパイとなった
彼の奇妙な連絡手段
希望に添う死体が無ければーつくればいい
それはD機関の目に留まった
笑わぬ男が処断する
「仏印作戦」
犯罪に利用されかけて
惚れた女にも騙されていた男
D機関は人を操る よかれあしかれー
「柩」
事故による不慮の死 それなのにやすらかな表情で死んでいった男
おそらくはスパイ 間違いなくスパイ
結城中佐にしてやられた経験ある人間は意趣返しに燃えるがー
囲みの中には 狐も鼠もいない
魔術師=結城中佐か
「ブラックバード」
とらわれた時 失敗する
バード・ウオッチングをする男は 腹違いの兄を気にした
気にしすぎた
そして破滅する
非情な仕事 彼を愛した妻は哀れだ
「眠る男」
「ジョーカー・ゲーム」収録の「ロビンソン」それを他の立場の人間から描く
裏側の事情
そういうことであったのかと 読者へのサービスで書かれたような一編