魔王とも 魔術師とも 悪魔とも呼ばれる伝説のスパイは 優秀なスパイを養成するD機関を作る
彼は結城中佐と呼ばれている
「アジアエクスプレス」
満鉄特急あじあの中で瀬戸礼二が接触しようとしたモロゾフが殺された
スメルシュースパイ殺しの暗殺者によって
瀬戸はなついてきた男の子たちに「任務」を与えて 自分をも狙ってきた暗殺者を生け捕りにする
「舞踏会の夜」
浮名ばかりが名高い顕子の15の年に出会った忘れ難い男
追いかける愚連隊を一蹴し 彼女を救ってくれた男
ただ一度踊ってほしいーその約束だけ
再び現れた男はダンスの約束を果たし そして消えた
きっと もう会うことはない
その鮮やかにしてつれない男は おそらく結城中佐と呼ばれる男
「ワルキューレ」
ドイツにて 雪村は才能豊かなユダヤ人を助けた
D期間の力を借りて
日本帝国海軍から派遣されたスパイである雪村はロマンチストかもしれない
そして助力してくれたD機関の人間の名前はマキーとある
「ダブル・ジョーカー」で鉄道事故で死んだ「柩」のカツヒコ・マキ 真木克彦だろうか
まったく 油断ならない
挽歌のように生きて活動していた物語も書かれるのだから
名もなく 表にでることもなく
忍びにも通じるではないか D機関の人間とは
一瞬の気の緩みも許されぬ世界に身をおいており 隙は死を意味する失敗につながる世界ながら 浪漫にもみちている
想像する余地が多いからでしょうか
名もなく墓もなく
任務を完遂した自己満足のみ
そのために不可能に挑戦する男たち
または そうした男たちの人生にほんの一瞬かかわった人間の物語
すれ違い 消えていく