片想い (文春文庫) | |
東野 圭吾 | |
文藝春秋 |
アメリカンフットボールのQBだった西脇哲郎はアメフト部の仲間の集まりの会の帰途 その頃の女子マネだった日浦美月に出会う
彼女は大きな変貌を遂げていた
その身は女性だが彼女の心は実は男性なのだと・・・
女性として生きようと結婚し出産もした彼女だがー男として生きたくて離婚届を置いて家を出て
今や男として生きようとしていたと
だが人を殺してしまった・・・
もう一人の女子マネだった哲郎の妻の理沙子にも西脇にも「自首する」という美月を そのままにはできず
できることなら自由の身でいられるようにすべく何等かの手段を探るが
死んだ男の家族の動き
アメフト部の仲間たちのその後の人生
西脇が抱えていた選手を続けられなかった秘密
性同一性障害に苦しむ人々
半陰陽として生まれ 男女どちらの性をとっても本来の自分では無くなると悩む人間
身体は男だが心は女
その逆の人間
いっそ戸籍を取り換えることで望む性の人間として生きよう
美月を助けようと事の次第を調べようとした西脇は自身のこれまでの生き方
妻との向き合い方すら見直すこととなる
妻との不協和音
西脇のした事が許せず 自分の中の命を殺した妻
ある人間の死を黙認するしかない彼等
誰の死体かは口を噤むしかない
秘密を抱えて西脇は生きて行く
これからも