ひどく美しい女を視(み)た
こちらを見て嫣然と微笑むのでふらふらと近づいてしまう
すると女は空を見上げて顔を曇らせた
「雨になりそうだわ・・・濡れるのは嫌いなの」
去り際 女は「また今度」と言った
まるで消えるようにいなくなる
姿が見えなくなる
幻のようだ
ひらひらと記憶に残るのは品の良いレモンイエローのワンピース
翻って消える姿
ある夕方 部屋の窓が叩かれた
あの女が外に居る
女は微笑んだ「また今度って言ったでしょう」
「どうして」と尋ねると
「だって灯りがついたから」と答えた
目の前に女がまとうレモンイエローの闇が広がる
拡がる・・・・・
「貴方は優しい人 だから子供達を御願いね」
聞えるのは女の声ばかり
目に何が巻かれているのだろう
何も見えない
「もうすぐいっぱいの卵が孵るわ そうしたら子供たちには貴方が必要なの
分かってくれるわね
だって貴方はとても美味しそうだわ」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
魅入られた男の全身は白い細い糸のようなもので包まれている
男はもう何も言えず見えず動くこともできない
レモンイエローの蛾が美しい羽根を拡げて飛び去る姿も
やがて男の肉を喰らったレモンイエローの蛾でこの部屋は充ちるのだろう
そうしてその蛾達もいずれ居なくなる
次の餌を求めて・・・
夕暮れ 生き餌を求め不思議な美女が現れる
彼女は真剣に言うだろう
「あなたが必要なの」
こちらを見て嫣然と微笑むのでふらふらと近づいてしまう
すると女は空を見上げて顔を曇らせた
「雨になりそうだわ・・・濡れるのは嫌いなの」
去り際 女は「また今度」と言った
まるで消えるようにいなくなる
姿が見えなくなる
幻のようだ
ひらひらと記憶に残るのは品の良いレモンイエローのワンピース
翻って消える姿
ある夕方 部屋の窓が叩かれた
あの女が外に居る
女は微笑んだ「また今度って言ったでしょう」
「どうして」と尋ねると
「だって灯りがついたから」と答えた
目の前に女がまとうレモンイエローの闇が広がる
拡がる・・・・・
「貴方は優しい人 だから子供達を御願いね」
聞えるのは女の声ばかり
目に何が巻かれているのだろう
何も見えない
「もうすぐいっぱいの卵が孵るわ そうしたら子供たちには貴方が必要なの
分かってくれるわね
だって貴方はとても美味しそうだわ」
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魅入られた男の全身は白い細い糸のようなもので包まれている
男はもう何も言えず見えず動くこともできない
レモンイエローの蛾が美しい羽根を拡げて飛び去る姿も
やがて男の肉を喰らったレモンイエローの蛾でこの部屋は充ちるのだろう
そうしてその蛾達もいずれ居なくなる
次の餌を求めて・・・
夕暮れ 生き餌を求め不思議な美女が現れる
彼女は真剣に言うだろう
「あなたが必要なの」