夢見るババアの雑談室

たまに読んだ本や観た映画やドラマの感想も入ります
ほぼ身辺雑記です

望月麻衣著「京都寺町三条のホームズ11 あの頃の想いと優しい夏休み」(双葉文庫)

2019-06-14 23:42:23 | 本と雑誌
あの頃の想いと優しい夏休み-京都寺町三条のホームズ(11) (双葉文庫)
望月 麻衣
双葉社



シリーズ10作目でひと区切りついた感のある葵とホームズこと家頭清貴の恋
今回はそれぞれの登場人物の過去振り返り短編集
あの時彼等は何を思っていたか

シリーズを通せば小休止のような・・・・・
二人の出逢いを清貴側から見た物語も

鳥飼否宇(とりかい ひう)著 「死と砂時計」 (創元推理文庫)

2019-06-14 15:53:21 | 本と雑誌
死と砂時計 (創元推理文庫)
鳥飼 否宇
東京創元社


物語の設定については 円堂都司昭氏の解説が分かりやすいので抜粋します
ー二十世紀末には人権保護思想の普及に伴い、死刑を廃止する国が続出した。
制度が残る国でも実際には執行しない例が増えた。
世界各国で凶悪犯罪はむしろ多くなったのに、収容施設は膨れ上がる囚人たちを終身介護する場となり、
維持管理のために血税が投入される皮肉な状況になった。
ならば、我が国が死刑囚を引き取り、きっちり処刑してさしあげましょうと国家戦略を打ち出したのが、
ジャリーミスタン首長国だった。
中東の弱小国家ではあるけれど、リーダーのサリフ・アリ・ファヒールが独裁的権力を有していたため、
人権擁護団体の強い抗議を無視して終末監獄を建設してしまったのだ。ー


物語はこの監獄へ自分の両親を殺し放火までしたとして死刑宣告を受けた日系のアラン・イシダが収監されるところから始まります

ここに囚人として長い老人シュルツは監獄に事あれば解決を依頼される存在であり アランを助手とするのです

シュルツの助手としてアランはここで起きる不思議に遭遇することとなります

「魔王ジャヴォ・ドルマヤンの密室」
死刑が執行される囚人が入る場所で・・・・殺されていた
放っておいても死刑が間もなく執行される人間をどうしてわざわざ殺す必要があったのか
その理由とは 
犯人は武器を何処に隠し持っていたのかー


「英雄チェン・ウェイツの失踪」
この監獄からただ一人脱獄し行方をくらました人間がいる
それは新入りの囚人と同じ民族だった

脱獄に成功した男は 外での生活で まだ刑務所の中こそ天国のようだったーと思うに至り
その場所へ戻る為に・・・・・・



「監察官ジェマイヤ・カーレッドの韜晦」
監獄の囚人から待遇などを聞きに回ってきた監察官は退職の日も近かった

その彼が死体で発見される

彼はどうして死んだのか



「墓守ラクバ・ギャルボの誉れ」
この国の言語を覚えずにいた男が墓を暴き死体を損壊していた
その理由とはー



「女囚マリア・スコフィールドの懐胎」
異性と接触の機会無き女囚が妊娠していると言う
その女囚はアランが知る女性だった


倒されたアランが気付くと七カ月経っていた
彼は何故倒れ・・・そして倒れている間に何をされたのかー



「確定囚アラン・イシダの真実」
アランは両親を殺してはいない
ただ両親の死を引き起こしたのは一通の手紙だった

アランは本当の父親を教えられずに育っている

唐突にアランの死刑が執行されることとなり
アランは面会にきたシュルツに自分が囚人となった事情を話す



やがてアランは誰が自分の父親か気付く
アランの父親はアランを脱獄させるが
それは父親としての愛情が理由ではなかった

マッドサイエンティストという言葉がある

彼は自分の残酷な実験の為に自分の子孫を利用した