感染 潜伏 発症の三部に分かれる物語
駅のホームから電車に向かって飛びこんだ男
その死から物語は始まる
その2週間後 鑑識の工藤と 飛びこまれた電車を運転していた人間が死ぬ
工藤の死から 工藤の死の時に傍にいた人間も不可解な死を遂げた
工藤と同期の永瀬は 工藤の死に納得いかないものを感じ 調べようとするが上からストップがかかる
永瀬に家に遊びにくるよう誘いをかけていた工藤
自殺の原因など思い当たらない
子供も可愛い盛り
不器用で無愛想な永瀬と違い 工藤は人当たりもよく
しかし三年後 探偵事務所の所長が同様の不審死を遂げる
ある製薬会社の名前があがり
上からとめられても永瀬は動かずにいられなかった
結果 全てを明るみには出せた
犯人は永瀬にも死にいたる確率が高い薬を盛る
永瀬は一人の死を覚悟するが その場所へ事件に関わりあった女性が駆けつける
発病しても死なない人間もいる
希望は残っているのか
それともー
著者による力のこもった「あとがき」があります
その結びの言葉を ここにあげておきます
「あらゆる感染症と闘っておられる医療従事者 研究者 そしてなにより患者の皆様へ敬意を表わし
あとがきのしめくくりにかえさせていただきます」
もともとはデビュー以前に書かれていた小説
十年以上の時が流れて こういう作品を書いてたんだーなんてことから
17年前に書いていた作品を「緊急出版」の形になったのだと
この「あとがき」を書いたのは2020年10月であること
力のある作家さんが書かれた作品は すごいなと思うのです