ジョー・タルバートは母親により 父親と同じ名前を付けられたが
父親は何処にいるかも分からず 母親はほぼ育児放棄で酔いどれ
父親が違う自閉症の弟のジェレミーがいる
11歳の時に母方の祖父が死んでから 母親はますますひどい生活態度
ジェレミーに入るお金も自堕落な生活につぎ込む
アルバイトでお金を貯めて家を出て大学生になったジョー
単位を取る為に身近な年長者の伝記を書かなければいけなくなる
彼に身近な年長者は居ない
高齢者用の施設で暮らす人から その人生を聞こうと考える
そこで紹介されたのは 14歳の美少女を強姦して遺体を燃やし 有罪判決
刑務所送りになった男カール・アイヴァソン
癌で余命僅かとなり 最期の時間をこの施設で過ごしていると
カールはジョーと話してもいいと言ってくれた
ジョーの祖父への何かも短い間に見抜く
それは彼が人生に「何かの苦しみ」を抱え続けてきたから
戦場でカールに命を救われたヴァージル・グレイは カールは少女を強姦殺人などしていない
そうしたことができる人間ではないのだと話す
カールは殺された少女クリスタ・メアリーの隣人だった
クリスタ・メアリーが遺体を燃やされた物置の持ち主で
クリスタ・メアリーはボーイフレンドと車内で性的行為をしていて カールに見られた
そのことを日記に書きカールを変質者のようにも書いていた
常識的に考えれば 道路でそういう行いをしていて 見られたことへの疚しさから 必要以上に見た
自分の秘密を知った相手を貶めて書いたとも考えられるのだが
その日記に暗号で書かれた人物もカールをさすと検察側は考えたのだ
「やっていない」と言い続けたカール
カールの人生を追うジョーは隣人のライラの協力 弟ジェレミーの言葉から 暗号を解くことに成功する
刑事マックス・ルパートに紹介された冤罪証明機関のボーディ・サンデン大学教授の助言も得る
カールが生きている間に無罪を勝ちとろうと焦るジョー
ジョーの目の前でジョーの祖父は死んだ
子供のジョーにはなすすべもなく
もうそんなふうに人に死なれるのは嫌だ
助けられなかった大好きな祖父
祖父への償いのように無謀なまでにジョーは動く
犯人と思う人間との直接対決で殺されかかる
その男性の血族(息子)のDNAをとろうとするも
真犯人は 息子のほうだった
クリスタを殺してからも強姦殺人を続けてきた男は ライラも強姦して殺そうとする
ジョーは足を撃たれて
絶体絶命
あわやという時 ジョーのかけておいた保険がきいた
酔いどれ母親の保釈金を払い もう大学を続けていく金はなく それでもジェレミーを母親から引き取り
兄弟 一緒に暮らそうと決心したジョー
カールの事件を追ううち ライラとは恋人同士になれた
ライラも過去に傷を負い その苦しみは現在も続いている身の上だった
ジェレミーにも理解を示し最初から優しかった女性
カールは無罪が認められた書類を読み
ずっと刑務所の独房暮らしで憧れていた雪景色を眺めることもできて 心やすらかに死んだ
何より自分の為に動いてくれた人々の存在が嬉しかったのかもしれない
カールの葬儀後 ジョーは思いがけないプレゼントをマックス・ルパートとボーディ・サンデンから教えられる
強姦殺人の真犯人は他にも女性を殺しており
賞金も出ていた
その賞金があれば ジェレミーの世話をしながら 大学を続けることができる
翻訳された務台夏子さんの「訳者あとがき」によれば ジョー・タルバートは大学卒業後 AP通信に勤め
そこで自分の父親かもしれない人間が被害者となった事件に遭遇する
その物語が書かれているーとか
マックス・ルパート刑事やサンデン教授活躍の別な作品もあるそうです
年末年始で忙しがって コメント欄は閉じております
ごめんなさい