夢見るババアの雑談室

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ほぼ身辺雑記です

ロバート・ヘイリー著「黒と白のはざま」 (小学館文庫)

2020-12-12 21:02:24 | 本と雑誌

 

 

 

「ザ・プロフェッサー」に続くシリーズ 第2作

前作で大学を追われ膀胱癌の治療と これからすべきことを見失っていた恩師のトムが応援するリックの事件を力強くサポートしてくれたボーセフィス(ボー)・ヘインズ

今回そのボーが窮地に陥る

5才のボーの目の前で父親がリンチにあい殺された

大学で負傷しスポーツへの道が閉ざされた時 「法律」という新しい道を教えてくれたトム

ボーは父親を殺した男達に正義の裁きを受けさせる為に弁護士になった

 

ボーが育ったブラスキは クー・クラックス・クラン(KKK)誕生の地

その白く長い布をまとった不気味な姿は映画などにも登場する

 

ボーの父親はこのKKKの男達に殺されたのだ

しかし何故?!

どうして父親は殺されなければならなかった

 

真実を話してくれる人間はいない

故郷で開業したボーばかりか 家族にも嫌がらせが

ボーの愛する妻は 自分はいいが子供が狙われることが耐えられず

子供達を連れて自分の両親のもとへ身を寄せる

 

独りぼっちになったボー

父親の命日

彼はよく行く店で 父親の敵の一人アンドリューと行き会う

その後 アンドリューは殺され ボーの父親が吊るされていたのと同じ木に死体を吊るされ火をかけられた

 

アンドリューは病気で余命はわずか

アンドリューがヒイキにしていたダーラは 彼が真実を告白しようとしていたことを知っていた

誰がアンドリューを殺したのか

 

ボーは殺した人物として逮捕される

彼は唯一頼れる人間に連絡をとった

 

圧倒的不利な中 ボーが犯人ではないことを証明してくれる

尽力してくれる人物

人柄優れるトム 

 

駆け付けたトムは 様々な手を打っていくが

前回の事件から因縁ある人物に襲われ負傷する

 

トムの旧友のレイレイは ボーとは仲が良くなかったが 地元の人間としての人脈を生かし動いてくれる

 

しかもレイレイは大きな秘密をかかえていた

 

 

トムとリックを応援してくれる人々が卑劣な男を捕らえる為に動いてくれる

リックも危ないところを守られた

 

裁判が始まり ボーの妻と長男も駆け付ける

これはレイレイからのプレゼント 罪滅ぼしだったのかもしれない

 

誰も信じてくれなくても 犯人の声を聴き分け

正義を追求していた小さな男の子だったボー

 

男の子は経験ある弁護士として故郷の街へ戻り 

真実と正義を求め続けた

 

レイレイの話したことでボーは無罪放免に

 

トムを襲いリックを狙い ボーを殺そうとする男の放った弾丸から レイレイはボーを庇って撃たれて死んだ

 

ボーは怪物と対決する

 

ボーを殺そうとする怪物

 

その怪物はトムが射殺

 

前回の借りを返したトム

 

 

タイトル「黒と死のはざまで」は事件の白黒をつける

そういう意味ばかりか ボーの出生も暗示しているよう

 

ボーが父親と思っていた人間はそうではなく

ボーが自分を捨てたのかと思っていた母親は怪物に殺されていた

 

母親はボーを捨てたのではなかった

 

ボーが父親だと思っていた男は 怪物へのバースデープレゼントの為に殺されたのだという

 

巻末に著者の謝辞があります

 

翻訳された吉野弘人氏による「訳者あとがき」も

私はこの「訳者あとがき」が大好きです

これから訳される予定の本

著者のちょっとしたことなど書いて下さる方が多いので

今後の愉しみにもなります

 

「ザ・プロフェッサー」は2019年3月初版 第2刷は2020年4月

 

本作「黒と白のはざまで」は2020年1月初版

 

このペースだと一年に一冊

次作は来年まで待たないといけないでしょうか

 

 

解説は落語家の林家正蔵氏

このシリーズのファンなのだそうです

 

とても味のあるカバーイラストは安藤巨樹さんの作品です

 

ああ この場面を表紙にされたのかと