連続テレビドラマとは主人公の設定は同じだが 登場人物などは多少異なる
猫のエサなどを売る高橋かおりが出てこないところは ちょっと物足りない
相川一家の賭場に猫が出て いかさまじゃないかと米沢一家の男が言い もめそうになったところに「開けろ」と声をかけたのが 眉間に縦皺の浪人
負けて出ていくのを「客人 すまねえな また来てくれ」
去っていく浪人は -噂ですが百人斬りのーという評判が
親分が秋田犬をかわいがる米沢一家と 親分が猫を可愛がる相川一家は 互いの犬と猫のケンカーみたいなものが始まりで 長いこと角突き合せている
内職の傘張りに精を出す浪人のところに米沢一家の若頭の三郎太(戸次重幸)が手下を連れて訪ねてくる
浪人の名は斑目久太郎(北村一輝) 元加賀藩剣術指南役 無双一刀流を使う
ついたあだ名は斑鬼(まだらおに) 乙女座 B型 好物は甘い羊羹
話しかける三郎太の言葉にーもしかしてバカ さわらぬバカに祟りなしー」と長屋の引き戸を閉めようとするもー
猫を斬ってくれれば3両 成功したら5両ー
「相川一家は飼い猫を奉行の猫と縁組をする そうしたらこっちの組はつぶされる」
新しい奉行は猫好きーなんだそうだ
おいおいバカにするな 俺は武士だーと独白する斑目だがー
武士たるもの あそこまで頼まれれば断れぬ
などと相川の猫屋敷に出向く
どうやって入ろうと逡巡するもーまさか開いてるなんてーないだろうと扉を押すと 開いていた
ーおかしいほど段取りがよいー
と屋敷へ入る斑目
猫の用心棒で「猫番」の侍がいた 島崎新右衛門(寺脇康文)
そこに女中のお梅(連佛美沙子)が猫の餌を運んでくる
奉行の猫に嫁ぐ予定の白猫の玉之丞
島崎は斑目を見つけるが 猫を連れていっていいと言う
斑目は 猫を殺せなかった
長屋の庭に猫の墓を作り 三郎太には「殺した」と言う斑目
外に出しても部屋に入ってくる玉之丞
一度は「達者で暮らせ」と煮干しを餞別につけて捨ててくる斑目だがー
おりしも強い雨が降ってくる
雨が気になり 長屋の引き戸を少し開けて眠ると どろどろになって戻ってきた玉之丞が枕元に
起き上がり拭いて乾かしてやる斑目
国元に残してきた妻子の為にも仕官したい斑目だが 門番(温水洋一)は取り次いでもくれず 猫と遊んでいるのがお似合いだーなどと憎まれ口を叩く
内心 何を このつんつるてんが!と思う斑目なのだが
傘を張る内職を続けていくしかない 生きるために
ここいらで 北村一輝さんの歌が入ります
ー斬るべし! 斬るべし!に始まる歌は 歌詞も面白いです
さて玉之丞は痩せてて それが斑目は気になり
生魚も野菜のブツ切りも食べない
生魚も焼いた魚も むしった身も
斑目の好物の漉し餡の大福餠すら 食べない
そこでなぜか斑目は玉之丞が飼われていた猫屋敷で 玉之丞が食べられる餌を探す
そこには玉之丞の身代わりのオスの白い猫と閉じ込められた 猫の世話係のお梅が座敷牢に閉じ込められていた
お梅から猫の餌をもらって出ていく斑目を 新しい猫番の前場新助(浅利陽介)が追いかける
彼は父の敵を探していた
新助「待て~」
斑目「待たない」
新助「待て~」
斑目「またない」
なぜ待たないかといえば 斑目は厠 -トイレに行きたかったのだ
長屋に戻り 玉之丞に餌を食べさせようとしていると お梅が入ってくる
ついてきていたーらしい
「玉ですよね なぜ玉が生きているんです」
そしてお梅が食べさせると 玉之丞は餌を食べた
その様子にー猫まっしぐらーとひとりぐちる斑目
餌は馬の肉だそうな 西洋では毛並がよくなると 馬の肉を与えるのだと
斑目「そいつを連れて帰ってくれ」
お梅「猫泥棒をしたんですよね お屋敷へ帰ったらしゃべっちゃうかもしれませんよ 玉がこんなに安心してるの初めてです
そっか なんかさみしいと思ったらー首輪が無いんだぁ」
とろいかと思ったら 結構ちゃっかりしたところもあるお梅
お梅はお屋敷では女中頭の白滝(洞口依子)に布団たたきなどで叩いていじめられていたりするんです
弱い者いじめの白滝さん
眠ったお梅に布団をかけてやり 玉之丞の首輪を作る斑目
ーなかなか上出来ではないか 白と赤の対比がーなどと内心 つぶやきます
そして はっと気づき「俺は何を言っているんだ」
新助も斑目を追って長屋へ来ました
「斑目どの いや先生 わたしを弟子にして下さい わたしに剣を教えてください お願いします 何卒 剣を」
そして お梅に気づき「女中どの」
お梅「おっかさんに聞いたことがあります 白い猫はお金や人を呼ぶんだって
玉がみんなを呼び寄せたのかもしれませんよ」
またごはんをよそいながら「なんだか家族みたいです 新助さん 大盛りにしておきますね」
今度は相川一家の若頭(津田寛治)が斑目を訪ねてくる
「あんた猫が好きか 犬が好きか」
と言ってきたものだから 斑目は判断する
ー あ バカだーと戸を閉めようとする
こちらは米沢組の秋田犬をさらってほしいと言ってきたのだ 以前に猫番で 今は犬番をしている島崎の始末と
断ると長屋で暴れる そうしたら長屋にはいられまいーと脅しもかけてきた
その話を隠れた押入れの中で聞いている新助とお梅
かつて名のある道場の四天王とも呼ばれた島崎は 新助の父を殺している
「父の敵を討たなければ 一生国へ帰ることはできません」
敵を討つのを手伝ってほしいと新助は斑目に言うのだった
お梅も「敵を討たせてあげてください」
さて いろいろあって 犬と猫を交換することとなる
島崎と斬り合う羽目になっている斑目だが 彼は言う
「わからん わからんが
だが こいつ(玉之丞)も俺の家族だ 何があっても守る
だが たたかわぬ 」
相川組の親分の平八(斎藤洋介)が斑目に近づき「かわいい猫ですなあ 大事にしてやれ これからが大変」と言う
タマという猫はうちにもいるーとも
そして秋田犬に近づき言う「かわいい犬ですなあ 天下泰平 犬も猫も人もない」
米沢組の親分の清兵衛(小野寺昭)も得たりとばかりに「おお そうじゃ」
平八は「帰るぞ~ 縁談は無しだ 猫は道具ではない
玉之丞は安心している 奴のところにいるべきだ
わしのタマは家におる 」
どちらの組の親分も生き物が好きなのだ
斑目は懐に抱いた玉之丞に向かって言う「怖かったろ お家に帰ろう」
そうしたあれこれを見ていて思うことがあった新助はお梅に言う
「わたしは帰ることにしました 母にはわたししかいない だからー
お梅どのはここから出ていかないのですか」
お梅「わたしは このコ(猫)世話があるから」
新助「じゃ 達者で」
お梅が母親に売られたけど 恨んではいないんだーという話も聞いた新助でした
お梅をいじめようとする白滝に お梅は言います「ねえさん 強さとは何ですか 大切なものを守る力です
わたしには 守るモノがいます」
斑目の生き方に感銘を受けてか少し強くなったお梅でもあります
神社にまいる斑目は 猫を抱いた奉行と出会います
奉行「おお そなたの猫か 似ておるのお 名は何と申す」などと話しかけてまいります
そしてその奉行に猫番として同行しているのが 島崎でした
「だから俺は斬るのみだ まあ斬らずに済めばーそれが いいか さらばだ 猫侍」
見送って斑目 繰り返す「猫侍? 猫侍」
そうして江戸に出てきた妻子と再会する斑目
一番 大切な 何より大切な家族ー
鈴の音が 孤独にあらずと 寄り添えば 道なき道行く われ猫侍
斑目の声で詠まれた歌で 映画は終わります
軽いタッチの時代劇
人を斬りたくない 斬らない侍の斑目
それで身分を失おうとも
白い猫と共にー
「猫侍 南の島へ行く」も この秋公開だそうです
公式サイト↓
http://nekozamurai.info/
仕官の口を求めて 南国土佐をめざすのだとか