ON  MY  WAY

60代になっても、迷えるキツネのような男が走ります。スポーツや草花や人の姿にいやされながら、生きている日々を綴ります。

持久走記録会~子どもたちに抜かれる喜び~

2010-10-18 19:06:32 | 「育」業


太平洋側では、「マラソン大会」は冬に行われることが多いようだが、冬は降雪荒天の多い新潟では、秋にあちこちの学校でそれが行われる。
勤務先では、「マラソン大会」はない。
同様の行事として、「持久走記録会」を行っている。
マラソン大会は、ロードに出て、順位を競う。
持久走記録会は、トラックを周回し、自己記録の向上を目指す。
自分に合った走り方で、長い距離を走り続ける力をつけることができるようにしたい。
記録会当日まで、練習を重ね、決められた距離を何度か走ってタイムを計る。
練習を通して、自分の目指すタイムを設定する。
記録会当日、歩いたり手を抜いたりしないで、目指したタイムに近ければ、あるいは上回れればOK!
そういった考え方が、持久走記録会のコンセプトである。
保護者の中には、
「優勝者には、特別な賞を。」
「マラソン大会にして、ロードを走る方がいい。」
「トラックをぐるぐる走るだけでは味気ない。」
などという声を上げる方もいる。
しかし、前述のコンセプトや次のような願い
・ 自分に合った走り方を見つけ、長い距離を走り続ける力をつけてほしい。
・ 練習で積み重ねてきた力の発揮が、目に見える形(タイム)で表れるようにしたい。
・ 練習と会当日の走る距離・コースなど環境・条件の変更がないようにしたい。
を考えれば、持久走記録会を変えるつもりにはなれないのである。
 
記録会当日は、高学年の子どもたちに混ざって、私も走らせてもらった。
小学生といって、ばかにはできない。
スタートから付いていけないスピードだ。
後方からいくらか追い上げるが、途中から抜けなくなる。
目の前を走っているのは、夏から秋の市陸上大会用の練習で指導したA男さん、B男さん、C女さんたちだ。
トップをとったのは、市陸上大会で入賞したD男さん。
1600mを走ったら、なんと1周も差をつけられてしまった。
6分を切ったD男さんから、50秒以上遅れてゴール。
1600m走って、あえぎながらゴールした私の記録は6分48秒。
D男さんに勝てないのはもちろんだが、市大会で入賞しなかったA男さん、B男さん、C女さんたちにも、置いていかれた。
夏の終わりに練習を始めたときは、彼らには抜かれることはなかったのに。
ほんのひと月あまりの短い期間に、練習を通して彼らは、私を置いてけぼりにする速さと強さを身につけた。
そのことが、心地よい。
私を越えていってほしい。
その願いが、実現してしまう。
短い期間の成長が、何よりうれしい。
他の子どもたちも、自分なりの走りを見せた。
たくさんの子どもたちが、記録会当日、自己記録を更新した。
年齢とともに、私の記録は落ちていく。
子どもたちは、どんどん追い越していく。
教育の現場にある者として、その成長が、とてつもなくすばらしく輝いて見える。
コメント
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