路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【自民党】:「観光公害」と言わないで 観光調査会、声明検討

2018-11-29 12:11:30 | 【政党・自民・立憲・維新の会・公明・国民民主・共産・社民・れいわ・地域政党他】

【自民党】:「観光公害」と言わないで 観光調査会、声明検討

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【自民党】:「観光公害」と言わないで 観光調査会、声明検討 

 自民党の観光立国調査会(会長・林幹雄幹事長代理)は29日の会合で、多くの観光客が押し寄せることで地域の生活環境が悪化する状態を「観光公害」と表現しないよう、報道機関や業界関係者らに呼び掛ける方向で検討することを決めた。声明文などの形で年内にも公表したい考えだ。

 この日の会合で「訪日客の増加に伴う課題はあるが、経済効果は大きく『公害』と言うのはおかしい。『オーバーツーリズム』など他の表現を広めるべきだ」との意見が出た。

 観光庁は「観光公害」との言葉を使っていないが、訪日外国人旅行者の急増に伴い、報道機関や業界関係者が使うようになった。(共同)

 元稿:東京新聞社 主要ニュース 政治 【政局・自民党・観光立国調査会(会長・林幹雄幹事長代理)】  2018年11月29日  12:11:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【安倍首相】:日ロ交渉「弾みつけたい」 G20出席でアルゼンチンへ出発

2018-11-29 11:06:30 | 【外交・外務省・国際情勢・地政学・国連・安保理・ICC・サミット(G20、】

【安倍首相】:日ロ交渉「弾みつけたい」 G20出席でアルゼンチンへ出発

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【安倍首相】:日ロ交渉「弾みつけたい」 G20出席でアルゼンチンへ出発 

 安倍晋三首相は29日、20カ国・地域(G20)首脳会合出席のため、アルゼンチンへ向け政府専用機で羽田空港を出発した。現地でトランプ米大統領、中国の習近平国家主席、ロシアのプーチン大統領と個別に会談する。日ロ首脳会談に関し出発前、羽田空港で「平和条約交渉についてじっくり話をしながら、進展に弾みをつける会談にしたい」と記者団に語った。

 アルゼンチンへ向けて、羽田空港を出発する安倍首相と昭恵夫人=29日午前

 アルゼンチンへ向けて、羽田空港を出発する安倍首相と昭恵夫人=29日午前

 G20首脳会合を巡り「自由で公正な貿易体制の強化と、世界経済の持続的な成長について議論をリードしていきたい」と強調した。(共同)

 元稿:東京新聞社 主要ニュース 政治 【政策・外交・アルゼンチン・20カ国・地域(G20)首脳会合出席】  2018年11月29日  11:06:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【佐賀県知事選】:告示 現職と新人が届け出

2018-11-29 09:49:30 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【佐賀県知事選】:告示 現職と新人が届け出

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【佐賀県知事選】:告示 現職と新人が届け出 

 任期満了に伴う佐賀県知事選が29日告示され、現職山口祥義氏(53)=自民、公明推薦=と、共産党県委員長の新人今田真人氏(72)=共産推薦=の無所属2人が届け出た。陸上自衛隊による佐賀空港(佐賀市)への輸送機オスプレイ配備計画や、山口氏の県政運営への評価が争点で、投開票は12月16日。

 オスプレイ配備を巡って山口氏は8月、防衛省が支払う100億円の着陸料を元に、漁業振興基金を創設することなどを条件として、計画の受け入れを表明。配備予定地に地権者を抱える地元漁協に協議開始を申し入れた。(共同)

 元稿:東京新聞社 主要ニュース 政治 【選挙・佐賀県知事選挙】  2018年11月29日  09:49:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【ニュースの深層】:ゴーン事件・仏政府とルノーの批判に、日本の司法は耐えられるのか

2018-11-29 07:30:50 | 【事件・未解決事件・犯罪・疑惑・詐欺・闇バイト・旧統一教会を巡る事件他】

【ニュースの深層】:ゴーン事件・仏政府とルノーの批判に、日本の司法は耐えられるのか ■もし、耐えられないことがあれば…

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【ニュースの深層】:ゴーン事件・仏政府とルノーの批判に、日本の司法は耐えられるのか ■もし、耐えられないことがあれば…

 フランスとのギャップ

 日本の常識は世界の非常識――。

 経済リーダ-のカルロス・ゴーン容疑者を電撃逮捕した日本の司法に対し、仏の政府とメディアが、「司法の歪み」を指摘、ゴーン容疑者の出身地であるブラジルやレバノンを巻き込んで、攻撃を仕掛けようとしている。

 仏メディアが報じるゴーン容疑者が置かれた環境は、確かに仏の刑事司法の現状とはかけ離れている。

 接見禁止処分を受けて、弁護士と大使館関係者以外は家族ですら面会できず、取り調べに弁護士は立ち会えず、勾留期間は最長で23日間に及ぶ。その間、ゴーン容疑者は東京・小菅の拘置所の3畳の独房に入れられ、食事休憩と就寝時を除いては、連日、過酷な取り調べを受け続ける。

      葛飾区小菅にある東京拘置所(Source:Own work)

 仏では、殺人、レイプ、放火など再犯の恐れがある重犯罪はともかく、経済犯や汚職など知能犯的事件は、勾留期間は最長で96時間(4日間)と決まっている。

 取り調べには弁護士が同席、検察資料は開示され、家族との接見も可能。閉塞感、孤独感にさいなまれることはない。

 なにより仏メディアが指摘するのは、事件は日産幹部が「ゴーン排除」を狙ったクーデターである、ということ。大手紙『ル・モンド』は、「日産からゴーン会長を追い出す陰謀」と、報じた。

 その見方は、大筋では正しい。 

 私は、本コラムで「ゴーン容疑者が『ニッポンの国策捜査の生贄』となるまで」(https://gendai.ismedia.jp/articles/-/58592 2018年11月22日掲出)と、題して、今回の事件は、日産と政府(経産省)と検察が、三位一体となってゴーン容疑者を逮捕した「国策捜査」だと報じた。

 それだけだと確かに陰謀論だが、ゴーン容疑者には、逮捕容疑の役員報酬の過小記載のほかに、投資資金の流用、経費の不正支出など数々の疑惑があった。不正を告発によって正そうとする動きがあり、導入された司法取引を利用して検察がそこに切り込むこと事態は隠謀ではない。なにより、政治経済が織り成す特捜案件は、大なり小なり国益が優先される国策捜査である。

 日産サイドの情報提供によって明らかになった引退後に受け取る80億円の契約や、記載していない40億円の株価連動報酬、投資会社を利用した自宅利用、姉への年間1000万円の支払いなど、ゴーン容疑者が日産を“食い物”にしていたのは事実だ。

 マクロン大統領に忠誠を誓って22年までCEOの地位を得たゴーン容疑者が、自らの保身と利得のために日産をルノーに売り渡すつもりなら、それを日産プロパー幹部が、検察に駆け込んで「ゴーン排除」に動き、犯罪の事実が確認され、国益に沿うと判断した検察が捜査着手、それを政府が支援することに、何の問題もなかろう。

 
Photo by gettyimages

 ただ、事件はゴーン容疑者とルノーにとっては予想外の展開を見せている。というより仏の刑事司法とは異なる点が多すぎて、勝手が違う。仏では、重要事案は予審判事が担当し、警察に証拠を集めさせ、被疑者を尋問、事件解明が必要だと判断すれば、訴追して公判が開かれる。

 最近の例でいえばサルコジ元大統領のケースである。リビアの故・カダフィ大佐からの不正献金、捜査を巡る不正情報提供など、数々の疑惑を指摘され、追及を受けているサルコジ氏だが、仏当局は今年3月20日、リビアからの不正資金で身柄を拘束、48時間の取り調べを行なった。今後、予審判事が捜査を進め、訴追するかどうかを決める。

 また、サルコジ氏については、司法当局幹部にポストの斡旋と引き換えに捜査情報を得た疑惑が指摘されていたが、捜査をしていた予審判事は、3月29日、あっせん収賄などの罪で訴追し、裁判を開くことを決定した。疑惑だらけでもサルコジ氏は自由の身だ。 

 ◆長期拘留なんてありえない

 仏在住のジャーナリストが解説する。

 「公判前に行なう予審の段階で、検察や警察を動かすことの出来る予審判事は、相当な司法権を持っています。日本でいうと特捜検事が、公訴権と捜査権を持ち、圧倒的な捜査権力の持ち主ですがそれ以上。でも、地位のある政治家や実業家の捜査は、相当、気を遣って行ない、長期拘留なんてありえない」

 まして起訴後勾留は、予審制度のもとでは認められず、制度として存在しないので、「否認していれば半年も1年も拘置所に留め置き、保釈を認めない」という日本の懲罰的勾留は、想定外のことである。

 ゴーン、ケリーの両容疑者は、事前に聴取されておらず、取締役会出席のために来日した日に、いきなり逮捕され、情報疎外のなか長期拘留を宣告された。

 ゴーン事件を可能にしたのは、今年6月に導入されたばかりの司法取引だが、これは弱体化した捜査能力を補うカードとして「法務・検察」が政府に泣きつき、ようやく導入が決まったものである。

 きっかけとなったのは、10年の「大阪地検証拠改ざん事件」であり、密室での自白強要が冤罪を生むとして、録音録画の可視化が義務付けられ、「それでは贈収賄や粉飾などの企業犯罪は立件できない」と、法務・検察が刑事訴訟法の改正による新たな捜査手法の司法取引を求め、認められた。 

 その威力が抜群であるのは、ゴーン事件で証明された。メール、契約書、幹部陳述などが示すのは、ゴーン容疑者による私物化の数々であり、それは捜査協力と引き換えの「免責」がなければ得られなかった。

 だから「人質司法」は見直すべき、という論義が起きている。立件に向けて容疑者・被告が、捜査協力者となって主謀者の摘発に協力すれば、当然、主謀者は逮捕され、窮地に立つ。そのうえさらに、半年、1年と懲罰的な勾留を続けさせる意味があるのか、という批判である。

 自ら「人質司法」の経験をしたライブドア事件の堀江貴文氏は、衆院法務委員会に呼ばれ、司法取引導入の刑事司法改革について参考人として意見を求められ、「検察の焼け太りにしかならない」と、批判した。

 このように国内にも根強い「否認は許さない」という懲罰的な長期勾留を、ゴーン、ケリー両容疑者にも続けるのか。寒さがこたえる東京拘置所で、クリスマスも正月も越させ、拘禁症状が出る恐れのある独房で、来年、何ヵ月も過ごさせるのか。

 これから高まる仏政府とルノーの「推定無罪」を求める要求と、仏メディアの人権蹂躙批判のなかで、特捜部は日仏両国を納得させる結論を出さなくてはならない。

 時間は限られている。失敗すれば、ゴーン逮捕という特捜復活を告げる祝砲が、「検察冬の時代」に逆戻りする弔鐘にもなりかねない。

 ◆伊藤 博敏  ジャーナリスト

 1955年福岡県生まれ。東洋大学文学部哲学科卒業。編集プロダクション勤務を経て、1984年よりフリーに。経済事件などの圧倒的な取材力では定評がある。 著書に『「カネ儲け」至上主義が陥った「罠」』 、『トヨタ・ショック』(井上 久男との共著)、『 金融偽装―米国発金融テクニックの崩壊』 (いずれも講談社刊)など

 元稿:現代ビジネス 主要ニュース 国際 欧州・フランス 【担当:伊藤 博敏】  2018年11月29日  07:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【ニュースの深層】:ゴーン容疑者が「ニッポンの国策捜査の生贄」となるまで

2018-11-29 07:30:40 | 【事件・未解決事件・犯罪・疑惑・詐欺・闇バイト・旧統一教会を巡る事件他】

【ニュースの深層】:ゴーン容疑者が「ニッポンの国策捜査の生贄」となるまで ■国際紛争に発展する可能性も

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【ニュースの深層】:ゴーン容疑者が「ニッポンの国策捜査の生贄」となるまで ■国際紛争に発展する可能性も

 ◆日産の危機感

 日産CEOのカルロス・ゴーン容疑者が、誰のどのような思惑で被疑者となり、誰の指示によって逮捕に至ったかという過程は、まだわからない。連日の報道で、権力者となったゴーン容疑者の悪辣ぶりが、一方的に報じられているばかりだ。

 ただ、ハッキリしていることがある。これは国策捜査である。

 自動車産業の雄である日産-三菱自動車連合を、経産省(政府)は守りたかった。ゴーン容疑者の“変節”によってこの連合がルノー傘下に入る危険性を、日産のプロパー役員と幹部は排除したかった。内部告発を受けた検察は、「司法取引」という道具を使って官民の意向に沿いたかった。

 政官民が一体となって、かつては日産の救世主だったゴーン排除に動いた。それに使われたのが金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)という容疑である。

 実際は、5年で約100億円の報酬がありながら有価証券報告書には約50億円と過小に報告していた――。

 これが脱税なら大きな罪だが、税務申告の数字ではなく、「高収入を表沙汰にしたくなかった」というだけの動機なら、それほどの悪質性は感じられない。有価証券報告書は投資家にとって大事な指標だが、「役員報酬」の多寡が投資活動を左右するものではない。検察は、特別背任や横領を視野に入れた入り口として、これを事件化させた。

 そうしないではいられない国策とは、ルノーと日産の統合阻止である。99年、ルノーが経営参加したことにより、日産の資本は厚みを増し、来日したゴーン容疑者が、徹底的にムダを省いた改革を断行、「V字回復」は成し遂げられた。

 ルイ・シュヴァイツァールノー元CEOと塙義一元日産自動車社長。1999年3月27日に締結された日産とルノーの提携は、日本とフランスの企業間で結ばれた初アライアンスだった。(Photo by gettyimages)

 しかし、日産が復活を遂げたのに比して、「親」となったルノーは成長せず、今や、生産、技術、資本、利益と、あらゆる面で日産が優位に立ち、ルノーを支えている。だが、ルノーにとっては「子」である状況に変わりはなく、マクロン大統領は資本統合して完全な傘下企業にすることで、フランスの雇用の改善などに役立たせたかった。 

 日産・ルノーの共同運営だったインド工場を、ルノーの仏工場に移管、工場の稼働率を40%も上げ、雇用に貢献させたことがある。日産をそういう形で、もっと貢献させたかったが、それは政治の思惑であり、企業の論理からはかけ離れている。ゴーン容疑者は「経営統合は、日産の企業価値向上につながらない」として相手にしなかった。

 しかし、ルノーが政府出資の企業である以上、制約は受ける。今年6月の株主総会で任期が切れるゴーン容疑者は、年初の段階では、CEOの座を追われかけた。そこで政府と取引、報酬の3割削減を呑み、経営統合に前向きに取り組むことを約束して、22年までの任期を得た。留任の発表は2月15日だった。

 日本では、大きな話題にならなかったが、日産とルノーの合併は既成事実となり、3月末には米経済紙が大きく報じている。日産社内には危機感が生じ、ゴーン容疑者やその右腕で代表取締役のグレッグ・ケリー容疑者を排除しよういう動きが持ち上がる。そこから先、内部告発、社内調査、検察への相談、司法取引の導入、という流れになる。

 この半年の流れを推測してみたい。もちろん仮説である。

 ◆「ワルはゴーン」ひとり

 財務、経理担当の執行役員などが、ゴーン容疑者の周辺を洗うと、「株価連動型インセンティブ受領権」と呼ばれる株価連動型報酬を記載していない、あるいは海外4カ所の自宅を会社に買わせている、といった不実記載や公私混同を幾つも発見できた。それを「排除の道具」に使うことで社内は一致。

 経産省(官邸)に根回しの上で検察に持ち込むと、官邸と密接な関係を保ち、司法取引という武器を手に入れた検察が乗ってきた――。

 このシナリオが実現する最低条件が、司法取引だった。この武器を手に入れるまでに、検察がどれだけ忍従の時を過ごしたか。

        横浜市にある日産の本社(Photo by gettyimages)

 私は本コラムで、「検察のエース」といわれる森本宏特捜部長の誕生に合わせて、検察が悲願の「司法取引」という手段をいかにして獲得したかを記事にしたことがある。(2015年8月13日掲出「ついに司法取引の導入を決定「最強の捜査機関」地検特捜部は甦るのか」 https://gendai.ismedia.jp/articles/-/44710

 その効果は抜群だった。日産の全面協力がなければ、「世界有数の経営者」といって差し支えないゴーン容疑者の逮捕などできなかった。また、仮に少しでも“弱気”があれば、仏政府にとっても日産合併は国策であり、ゴーン捜査に抗議してくることが予想された。日産が捜査で、政府が外交で、十分に協力、下支えをしてくれる、という読みが電撃逮捕に踏み切らせた。

 日本の司法取引は、「協議・合意制」と呼ばれ、容疑者・被告が捜査協力者となって組織トップや主謀者を告発、罪を軽くしてもらうもの。従って、グレー領域がない。 

 双方、協議のうえで合意に達し、捜査が始まったら協力者は検察側につく。だから西川広人社長は、ゴーン逮捕後の記者会見で、類を見ない開き直りを見せた。

 謝罪の言葉は一切なく、頭を下げず、ゴーン批判に終始した。「ワルはゴーン」であり、自分も会社も被害者となって身を守った。

 司法取引は、そうした政治的なものであり、かつての「罪を犯したのは誰か」を捜査し、追い詰めるものではない。摘発される人間は決まっており、その国策の前に殆どの人間は無力だ。

        ゴーン夫妻。カンヌ国際映画祭にて(Photo by gettyimages)

 今後、ゴーン容疑者は、指摘される「海外の家」など資金流用の罪を問われ、その先には「過少申告」が脱税につながっていないかどうか、といった捜査を受ける。更にその間、報道はゴーン容疑者の離婚、再婚といったプライベートにまで踏み込むものになるはずだ。

 その日本の国策に抗することが出来るのは、フランスの国策だけだろう。それをマクロン大統領は行使するのか。それにはどんな手が使われるのか。

 事件は国際紛争の芽も残している。 

 ◆伊藤 博敏  ジャーナリスト

 1955年福岡県生まれ。東洋大学文学部哲学科卒業。編集プロダクション勤務を経て、1984年よりフリーに。経済事件などの圧倒的な取材力では定評がある。 著書に『「カネ儲け」至上主義が陥った「罠」』 、『トヨタ・ショック』(井上 久男との共著)、『 金融偽装―米国発金融テクニックの崩壊』 (いずれも講談社刊)など

 元稿:現代ビジネス 主要ニュース 国際 欧州・フランス 【担当:伊藤 博敏】  2018年11月22日  07:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【大阪万博】:半年でUSJの2倍…“2800万人集客”のデタラメ皮算用

2018-11-29 07:18:00 | 【地方自治・都道府県市町村・地方議会・議員年金・デジタル田園構想・地方地盤沈下】

【大阪万博】:半年でUSJの2倍…“2800万人集客”のデタラメ皮算用

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【大阪万博】:半年でUSJの2倍…“2800万人集客”のデタラメ皮算用

 2025年開催の大阪万博を巡り、タッグを組んで誘致に動いた安倍官邸と大阪府が連携を強めている。

 27日は、官邸で関係省庁幹部らが参加する連絡会議を開催。出席した松井一郎府知事は「われわれの万博の内容、熱意を伝えられた結果だ。世界80億の方が参加できる体制をつくりたい」と息巻いた。念頭にあるのは、VR(仮想現実)の最新技術を用いた「バーチャル来場者」の参加だ。今年の世界人口(推計値)は76億人。25年には80億人を超える見通しで、VR技術を通じて世界中で万博を体感させる仕組みを作るという。ホンマか?

「世界80億人が参加」の怪気炎、皮算用をうのみにしていいのか/(C)共同通信社

 「世界80億人が参加」の怪気炎、皮算用をうのみにしていいのか/(C)共同通信社

 雲をつかむようなプランはさておき、大阪府は想定入場者数を2800万人とはじいている。この数字に目を剥くのがテーマパーク業界だ。「相当なボリューム感」「たった半年でそんなに集客できるのか」「殺人猛暑や台風シーズンを頭に入れているのか」と疑問の声が上がる。なにしろ、全国的人気のユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)の2016年度入場者数が過去最高の1460万人。わずか半年でその倍の集客をするというのだから、かなり強気な見通しだ。

 どういう根拠で算出したのか。大阪府によると、▼過去の万博実績▼開催期間▼会場面積▼100キロ圏内の人口規模▼訪日外国人数の見通し――などを回帰分析して導き出した数字だという。

 「2800万人のうち350万人は訪日外国人です。面積が大きくなればその分だけ人が入るし、ハデにやれば人は集まる。BIE(博覧会国際事務局)の調査団メンバーからは〈見通しは低すぎるんじゃないか〉〈日本ならもっと人を呼べる〉〈アナタたちはずいぶん控えめだ〉との感想をいただきました。われわれとしては、高くもなく低くもなく、固い見積もりだと思っています」(万博誘致推進室)

 ホンマに? 万博凋落は最近の傾向だ。10年の中国・上海は7300万人が来場したが、2000万人前後がほとんど。誘致に約35億円を注ぎ込み、参加予定の約100カ国に約240億円を支援する手形を切り、事業費は現状でも2800億円とされている。これで来場者がチョボチョボなんてことになれば、エライことになる。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 政治・経済 【政治ニュース】  2018年11月29日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【株式】:経済効果2兆円…25年「大阪万博」関連銘柄は大フィーバー

2018-11-29 07:17:50 | 【経済・産業・企業・起業・関税・IT・ベンチャー・クラウドファンティング

【株式】:経済効果2兆円…25年「大阪万博」関連銘柄は大フィーバー

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【株式】:経済効果2兆円…25年「大阪万博」関連銘柄は大フィーバー

 2025年に開催される大阪万博の全国への経済波及効果は2兆円規模に上るという。20年東京五輪後の日本経済の牽引役として期待が高まりつつある。

 株式市場も関連株への期待が大きくなってきた。週明け26日には、関西に強い地盤を持つ大林組や浅沼組のほか、海洋土木が得意の五洋建設は4~5%上昇した。

 機械関連では三精テクノロジーズ(東証2部)が16%の大幅高を演じた。この会社は舞台装置などに強く、「過去の万博で事業実績がある」(銀行系証券)と評価が高い。

 観光客の増加を見越し、南海電鉄にも人気が集まった。万博会場となる「夢洲(ゆめしま)」に土地を持つ物流会社の上組や、山九もハネ上がった。

 そのほか、関連銘柄として倉庫の櫻島埠頭や杉村倉庫、ロイヤルホテル、共立メンテナンス(ホテルのドーミーインを運営)、ユニゾHD(ホテルユニゾを運営)などに注目が集まっている。警備のALSOKやセコムも物色の対象だ。

民間の費用負担400億円が焦点(榊原経団連前会長ら)/(C)日刊ゲンダイ

 民間の費用負担400億円が焦点(榊原経団連前会長ら)/(C)日刊ゲンダイ

 一方、費用のうち400億円超とされる民間の負担をどのように配分するかはまだ見えない。

 開催が決まった24日は、松下正幸関西経済連合会副会長(パナソニック副会長)は「国、自治体、経済界が一体となって努力を重ねたことが結実した」と指摘。中西宏明経団連会長はコメントを出し、「日本経済の持続的な成長に大いに寄与すると確信している」と強調したが、今後は民間の費用負担が焦点のひとつだ。

 05年の愛知万博は地元のトヨタ自動車グループを中心に建設費などを賄った。関西を地盤とする企業には「応分の負担はしなければならない」(エネルギー)という意識は強いが、「(国内消費が拡大していた)高度成長期とは違う」(電機)と過度な負担要請を警戒する声もある。

 松本正義関経連会長(住友電気工業会長)は、出身母体の住友グループで一定額を負担する意向を示す。しかし、費用は膨らみかねず、議論が曲折することも予想される。
 

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース ビジネス 【企業・産業ニュース】  2018年11月29日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【永田町の裏を読む】:沖縄県の玉城デニー知事が安倍政権に抗する手段はあるか

2018-11-29 07:17:40 | 【地方自治・都道府県市町村・地方議会・議員年金・デジタル田園構想・地方地盤沈下】

【永田町の裏を読む】:沖縄県の玉城デニー知事が安倍政権に抗する手段はあるか

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【永田町の裏を読む】:沖縄県の玉城デニー知事が安倍政権に抗する手段はあるか

 ■永田町の裏を読む

 玉城デニー知事が誕生してから初めて沖縄を訪れ、県議、記者、元選対幹部、経済人など要路の方々と集中的に懇談した。

 周知のように玉城は、9月の県知事選で自公候補に約8万票という前例のない大差をつけて勝利した。しかし、安倍政権は、その「辺野古基地建設ノー!」の圧倒的な民意を一切無視して工事を再開し、世界自然遺産に値する美しい海に大量の土砂を投入する作業を本格化させようとしている。それに対して、新知事が有効な対抗手段を打ち出せるのかどうかが私の関心事だが、結論を先に言えば状況はかなり厳しい。

新知事は未知数(会談前に握手する安倍首相と玉城沖縄県知事)/(C)共同通信社

 新知事は未知数(会談前に握手する安倍首相と玉城沖縄県知事)/(C)共同通信社

 翁長雄志前知事は長く那覇市長を務めたという行政経験があり、県政界や県庁内外に広い人脈もあった。それに対して玉城は、有能な政治家ではあるが行政の長としては未知数であり、県内の人脈も薄い。極端に言えば槍ケ岳の頂上に落下傘で降り立ったような格好で、身辺の幹部人事さえ前知事のものをほぼ継承していて自前で固めきれているとは到底言えない。

 とりわけ大事なのはブレーン集団で、前知事の場合は、オール沖縄を体現する「島ぐるみ会議」という大きな組織的な枠組みがあり、そのコアの部分に、百戦錬磨の策士である県議、有能で献身的な学者、労働界の大物、不思議な文化人などからなるインナーサークルがあって、知事の政治判断や政策立案を支えていた。しかし、新知事はまだそういうものを持っていない。

 ある有力な支援者は「まだ就任2カ月で、慣らし運転中というところだから焦ってはいないが、早急に“玉城体制”と言えるものをつくり上げなければ」と語っていた。確かに焦ることはないが急がなくてはならない。老練な翁長でさえ繰り出す対抗策は限られていたのだから、玉城はそれ以上の知恵と工夫を集めなければ、県民の付託に応えることは出来ない。

 土砂投入工事の本格的な開始は、その基地となる港の岸壁が先の台風で崩壊し、修理に数カ月を要するため、今のところ先延ばしされているが、それも来年2、3月までのことだろう。ちょうどその頃には、翁長時代にオール沖縄側が「次の一手」として準備してきた辺野古反対の「県民投票」が行われることが決まった。ここが最初に乗り切らなければならない大きな山場で、そこまでに玉城知事がどのような戦う体制を形作れるかに注目したい。

 ◆高野 孟 ジャーナリスト

高野孟

1944年生まれ。「インサイダー」編集長、「ザ・ジャーナル」主幹。02年より早稲田大学客員教授。主な著書に「ジャーナリスティックな地図」(池上彰らと共著)、「沖縄に海兵隊は要らない!」、「いま、なぜ東アジア共同体なのか」(孫崎享らと共著」など。メルマガ「高野孟のザ・ジャーナル」を配信中。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 政治・経済 【政治ニュース】  2018年11月29日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【貴乃花一家 崩壊の波紋】:政治家転身は貴乃花より景子夫人?  来夏の参院選に現実味

2018-11-29 07:17:30 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【貴乃花一家 崩壊の波紋】:政治家転身は貴乃花より景子夫人?  来夏の参院選に現実味

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【貴乃花一家 崩壊の波紋】:政治家転身は貴乃花より景子夫人?  来夏の参院選に現実味

 元貴乃花親方が先月、角界を引退した直後から「来年夏の参院選に出馬する」という噂が永田町を駆け巡った。抜群の知名度から「出馬すれば当選は確実」と言われ、「文教委員会に入り、角界改革の名のもとに、恨み骨髄の相撲協会に逆襲する」という話まで聞かれたものだが、「貴乃花離婚」がマスコミで大きく報じられると、永田町からこんな話が漏れ伝わってきた。

 「政治家へ転身するとすれば景子さんの方だろう」と、ある政界関係者が言う。

才女だけに…(C)日刊ゲンダイ

       才女だけに…(C)日刊ゲンダイ

 「彼女は元アナウンサーだけあってしゃべりは得意中の得意。今は自分の考えを自分の口でしっかり伝えられず、官僚の原稿やメモばかり読んでいる低レベルの大臣もいるが、彼女は2年前から講演やイベント司会で全国を飛び回っている。頭の回転も速く、本も出している。話し方の学校を経営して自らが校長になっている実業家ですから、税金問題などにも敏感なはずです」

  この関係者はさらに続ける。

 「子育てや出産、女性の社会進出の政策は、高齢の男性議員には任せることはできない。今年5月、『政治分野における男女共同参画推進法』が成立したことで、国や地方議員の選挙では男女の候補者数をできるだけ半々になるよう、政党は努力しなければならない。人気では貴乃花には及ばないだろうが、政治家にスカウトするなら、こんな有能な女性はいませんよ」

 先月、元貴乃花親方は相撲協会に退職届を出した直後、プロレスラーから政界入りした元文部科学相の馳浩衆院議員と面会したが、近いうちに馳議員の方から景子夫人を口説きに行くかも知れない。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 政治・経済 【政治ニュース】  2018年11月29日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【“暴君”ゴーンの落日】:③ 東芝は制度強化 企業の内部通報“ほぼ半分は”もみ消される

2018-11-29 07:16:50 | 【事件・未解決事件・犯罪・疑惑・詐欺・闇バイト・旧統一教会を巡る事件他】

【“暴君”ゴーンの落日】:③ 東芝は制度強化 企業の内部通報“ほぼ半分は”もみ消される

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【“暴君”ゴーンの落日】:③ 東芝は制度強化 企業の内部通報“ほぼ半分は”もみ消される

 ■“暴君”ゴーンの落日

 「やっていません」

 有価証券報告書に役員報酬をおよそ50億円チョロまかして東京地検特捜部に金融商品取引法違反容疑で逮捕された前日産自動車会長のカルロス・ゴーン容疑者(64)は、特捜部の調べに容疑を否認しているという。バックには、大物ヤメ検弁護士が就いただけに、事件の行く末は微妙な状況だが、コトの発端は日産側の検察へのリークとみられている。では、企業の内部通報は、どうなっているのか。

 大企業は、法務部やコンプライアンス担当部署が連携してグループ内外に内部通報窓口を設けるケースが多い。たとえば、東芝は3年前の不正会計が発覚したことから、その年の10月に内部通報制度に加えて、社外取締役で構成される組織に監査委員会ホットラインを設置。経営陣が関わるような案件を直接通報できる仕組みを整えている。

 もっとも、一般には通報内容はパワハラやセクハラを中心とする社内の人間関係に関するものがほとんど。ゴーン容疑者が側近のケリー元社長とタッグでつくり上げたようなトップシークレットが取り上げられるケースは少ないが、通報件数は増えている。

 週刊東洋経済の「CSR企業総覧」2018によると、トップは4年連続でセブン&アイHDで845件。以下、前年より81件増の明治安田生命が665件、イオンが635件で続く。東芝は5位で399件だ。

 働き方改革総研代表の新田龍氏が言う。

 「消費者庁の調査によると、中小と大企業を合わせて約6割の企業が内部通報窓口を社内と社外の両方に設置していて、従業員数3000人を超える大企業は8割に上ります。狙いは、リスクの早期発見、早期対応で、窓口担当者には守秘義務を課すのがほとんど。社外にも窓口を設けるのは、通報のもみ消し防止のアピールのため。ところが、通報された案件が実際に取締役会に報告されるのは4~6割にとどまっているのが現実です」

 社員の過剰な被害者意識や妄想も含まれているのだろうが、たとえパワハラやセクハラを訴えても、結果として半数前後の内部通報がストップせざるを得ない状況に追い込まれている。大企業なら、8割に窓口が設置されながら、状況は心もとないだろう。なぜか。

 「もみ消しが行われる下地は、いくつかあります。ひとつは経営トップや取締役会から独立した通報ルートがあること。窓口の担当者が複数いるのがベター。そうでないと、通報担当者や通報制度責任者を被疑者とする通報が行われる可能性があるのです。『人事担当役員のパワハラを内部通報したが、内容は役員に筒抜けだった』といったトラブルは多くの企業で発生しています」

 通報内容が事実で、関係者が処分されたら、職場環境の改善を図るだけでなく、通報者に不利益がないようにフォローすることも大切。窓口を設けても、処分までの流れのどこかに、抜けや漏れなどの不備があると、内部通報は機能しないという。

謝罪会見するスルガ銀行の有国三知男新社長ら(C)共同通信社

  謝罪会見するスルガ銀行の有国三知男新社長ら(C)共同通信社

 「スルガ銀行の不正融資を巡って、第三者委員会は問題の内部通報制度の形骸化を指摘していました。裏を返せば、信頼性のある内部通報制度が機能していれば、あのような事態は防げた可能性があるということ。組織のコンプライアンスを保持する上でも、外的なトラブルを避ける上でも、しっかりした内部通報制度を確立することは、とても重要です」

 私腹を肥やしたゴーンが引きずり降ろされたのは、検察との司法取引による効果が大きい。内部通報で“悪代官”に罰を下すには、相当な準備と下調べが必要だろう。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース ビジネス 【企業・産業ニュース】  2018年11月29日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【“暴君”ゴーンの落日】:②日本の「司法取引」組織が温存されサラリーマンが売られる

2018-11-29 07:16:40 | 【事件・未解決事件・犯罪・疑惑・詐欺・闇バイト・旧統一教会を巡る事件他】

【“暴君”ゴーンの落日】:②日本の「司法取引」組織が温存されサラリーマンが売られる

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【“暴君”ゴーンの落日】:②日本の「司法取引」組織が温存されサラリーマンが売られる

 日産自動車前会長のカルロス・ゴーン容疑者(64)ら2人が、金融商品取引法違反容疑で逮捕された事件で、東京地検特捜部は「司法取引」を適用したと報じられている。司法取引制度は今年6月、刑事訴訟法の改正に合わせて導入された。

報道陣が集まる日産自動車本社(C)日刊ゲンダイ

      報道陣が集まる日産自動車本社(C)日刊ゲンダイ

 「罪を認めれば、刑を軽くしてやる」――。

 強盗目的で家に押し入り、妻と子どもを殺害、夫も負傷する事件が発生した。殺人犯2人は逮捕されたが、法的な証拠に乏しく検事は司法取引をする。結果、1人は死刑、司法取引に応じたもう1人は懲役10年に減刑された。

 これは、映画「完全なる報復」(2009年、米国)のストーリー。映画では主人公が出所した犯人を殺害し、検事や事件関係者らに復讐をする。米国映画では他にも、巨悪である麻薬組織を摘発するために売人と司法取引したりしているが、日本は逆だ。

 そもそも司法取引制度には、「自己負罪型」と「捜査・公判協力型」がある。前者は、犯罪者が自身の罪を認めることで、減刑などの恩恵を受けられる仕組みだ。米国などで採用されている。

 日本は後者を採用していて、他人の犯行を明らかにした場合に、自身の罪が減刑される仕組みだ。

 対象となるのは、組織的に行われる贈収賄や脱税、談合など経済犯罪、そして薬物・銃器犯罪などに限られている。日本の「司法取引」とは何のためにできたのか。

 元検事の落合洋司弁護士が言う。

 「会社・組織を対象にした特捜事件は昔、捜査や関係者の説得に強引な手段を使っていました。それが、取り調べの可視化や人々の権利意識が高まったことで黙秘権の行使率も高まっています。立件が難しくなる中で、検察庁に与えられた武器として導入されました。ただし、(自己負罪型に当たる)殺傷事件などは対象になりません。被害者や遺族が存在する事件は、国民感情を揺るがす恐れがありますからね」

 日本の司法取引は、7月20日に1例目が採用された。

 三菱日立パワーシステムズ(MHPS)が、火力発電所の建設に際し、タイ南部の現地公務員に賄賂を提供した事件で、元幹部ら3人が起訴されている。一方、捜査に協力した会社は起訴を見送られている。今回の日産は司法取引の2例目だ。

 「司法取引第1号事件は、国民感情にも合わず、関係者からも批判の声が上がりました。組織犯罪は、一般的に上の立場の者が下の立場を利用し、悪事をはたらかせる構図になっています。もちろん、不正に関わったものは全員処罰を受けるべきですが、これでは捜査が進まない。だから取り入れたのにMHPSの事件は、蓋を開ければ現場のサラリーマンのみが罰せられて、会社は罰金もなかった。もっとも、今回はゴーン前会長らトップが逮捕される形になり、現時点で末端が処罰を受ける方向になっていない」(落合弁護士)

 目指していた制度に近づいている一方で、虚偽供述による冤罪のリスクもある。組織の内紛でトップがハメられる可能性も否めない。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース ビジネス 【企業・産業・日産自動車】  2018年11月28日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【“暴君”ゴーンの落日】:①愛用機は70億円…評判は「金に汚い男」ゴーンの私生活

2018-11-29 07:16:30 | 【事件・未解決事件・犯罪・疑惑・詐欺・闇バイト・旧統一教会を巡る事件他】

【“暴君”ゴーンの落日】:①愛用機は70億円…評判は「金に汚い男」ゴーンの私生活

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【“暴君”ゴーンの落日】:①愛用機は70億円…評判は「金に汚い男」ゴーンの私生活

 <我々は、発展するためにこの地球上にやってきたのではありません。幸せになるためにやってきたのです。昔の賢人たち、エピクロスやセネカ、そしてアイマラ人(南米の先住民族)たちは言っています。貧しい人とは、少ししかモノを持っていない人ではなく、もっともっとと、いくらあっても満足しない人のことだと>(ウルグアイのムヒカ前大統領)

   

 拘置所で彼は何を思うのか――。

 羽田空港に降り立った日産の社用機「ガルフストリームG550」。空飛ぶ応接室と呼ばれる豪華ビジネスジェットで、購入当時の価格は約70億円。日産の社用機ではあるが、ほぼひとりしか使えないプライベートジェットだ。

ガルフストリームV

 カルロス・ゴーン容疑者(64)は馴染みの焼き鳥屋に向かう予定だったが、羽田で身柄を拘束されてしまった。行くはずだった焼き鳥屋は、子供たちを連れて何度も通った店。大衆店と70億円のジェット機が異様なコントラストを描く。

 「来日当初のゴーン氏は、『趣味といえば家族』と思われるほど、家族優先でした。一時期、家族全員がみそラーメンにハマっていて、奥さんと娘3人、息子1人で仲むつまじくスープをすすっている姿が頻繁に目撃されています」

 こう話すのは、経済ジャーナリストの大山功男氏。愛用の時計も庶民でも手に入るセイコーの「アストロン」で、数十億円の報酬をもらう経営者にしては質素だ。





 ただし、住居は最高級の元麻布ヒルズにあり、他にブラジル、レバノン、フランス、オランダ、米国にも住宅がある。言い方は悪いが、ポケットマネーではラーメンというケチ、会社のカネなら途端に気が大きくなるタイプだ。周囲からも「カネには汚い」と見られていた。

 そんなゴーンは、31歳で当時まだ薬学部の学生だったリタ前夫人と結婚。前夫人は大の親日家として知られ、著書には「ゴーンは日本人と同じ発想で家族を大切にしてくれる」と記している。一時、代官山などに「マイレバノン」というレバノン料理店を3店舗経営していたが、週刊文春に「5ドル稼ぐために人に尽くすなんて……」と夫のゴーンからバカにされたと証言している。

 「欲には際限がなく、庶民的だった人でも強欲になっていく。再婚相手のキャロルさんとベルサイユ宮殿で結婚披露宴を挙げたと聞き、驚きました」(大山功男氏)

 では、他の外国人社長の生活ぶりはどうなっているのか。

 武田薬品工業のクリストフ・ウェバー社長(52)の自宅も麻布永坂町の高級レジデンス。昨年度の役員報酬は12億1700万円で、ゴーンに負けず劣らずの好待遇だ。

 日本マクドナルドHDのサラ・カサノバ社長(53)の家も、六本木の高級タワーマンションにある。役員報酬は赤字決算だった15年度こそ1億6700万円だったが、V字回復した昨年度は6億3200万円にジャンプアップしている。

 外国人社長は日本に来るプロ野球の助っ人と同じでオプションボーナス契約を結んでいる。日本マクドナルドHDは業績連動型、ソフトバンクは株式報酬型で、共に億単位の出来高が付くという。

 わが世の春を謳歌したゴーン。今回は身内に密告され、司法取引で悪事がバレた。強欲が身を滅ぼす典型例だ。 

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース ビジネス 【企業・産業・日産自動車】  2018年11月27日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【日産自動車】:大物ヤメ検に続き…ゴーン“世界最強”弁護団は費用10億円か

2018-11-29 07:16:20 | 【事件・未解決事件・犯罪・疑惑・詐欺・闇バイト・旧統一教会を巡る事件他】

【日産自動車】:大物ヤメ検に続き…ゴーン“世界最強”弁護団は費用10億円か

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【日産自動車】:大物ヤメ検に続き…ゴーン“世界最強”弁護団は費用10億円か

 日産自動車前会長のカルロス・ゴーン容疑者の弁護人に、元東京地検特捜部長の「大物ヤメ検」弁護士、大鶴基成氏が就任したのに続き、“世界最強”の米法律事務所も弁護団に加わることが明らかになった。ゴーン裁判は、世界が注目するグローバルなものになりそうだ。

 ■タクシーメーターのように費用が上昇

 26日付の米紙ウォールストリート・ジャーナルによると、ゴーンと契約したのは、米国の「ポール・ワイス・リフキンド・ワートン・アンド・ギャリソン」法律事務所。裁判で果たす役割は不明だが、事務所のブラッド・カープ会長とパートナーのマイケル・ゲルツマン氏がゴーン案件を担当するという。

「ポール・ワイス」事務所は、モルガン・スタンレーやバンク・オブ・アメリカといった米国の大手金融機関数十社を顧客に持ち、所属弁護士は900人超。2017年の収益は13億ドル(約1470億円)と、米国の法律事務所として10年連続、収益ナンバーワンを記録している。

左は元「大物ヤメ検」弁護士の大鶴基成氏(C)日刊ゲンダイ

  左は元「大物ヤメ検」弁護士の大鶴基成氏(C)日刊ゲンダイ

 「ポール・ワイスは、法律家なら知らない人はいないほどの有力事務所。世界最強と言っていいレベルです。今回は、ゴーン側のアドバイザーとして、意見書作成などの業務に従事するとみられています。日本の弁護士資格がなければ、法廷で弁護人を務めることは基本的にできません。ただ、相談ならいくらでも可能です。また、日産は米国やフランスにも法人があるので、将来、各地で民事訴訟に発展する恐れがある。ゴーン側は先を読んで、各国で対応することができるポール・ワイスと契約したのではないか。つまり、日本の刑事訴訟は元特捜部長の大鶴基成氏に任せ、今後起こり得る民事訴訟はポール・ワイスに任せるというわけです」(法曹界関係者)

 今回、担当するカープ会長は16年、脳疾患を抱える米国のアメフトの元選手らが、NFLは脳震とうに関連した情報を隠蔽していたとして補償を求めていた訴訟で、NFLを弁護。和解案に反対する原告側を説得して、NFL側が推定10億ドルを支払う和解案をまとめた超敏腕弁護士だ。

 世界最強の弁護士だけに、弁護費用も巨額に上るとみられている。

 「10人規模の弁護士チームをつくることになるでしょう。彼らの弁護士費用は時間給で、少なくとも1時間当たり10万円程度。タクシーメーターのように料金が上がっていくシステムです。もちろん、弁護活動にかかった実費も支払う必要がある。当然、日本など海外に渡航する際は、飛行機は最低でもビジネスクラスで、滞在先も一流ホテルでしょう。他にも翻訳代などの雑費がかかる。あっという間に数千万円に達し、最終的に10億~20億円に上っても不思議ではありません」(米国法曹界関係者)

 最強弁護団ポール・ワイスはどんな役割を果たすのか。都内事務所に問い合わせたが「答えられない」(担当者)と口をつぐんだ。元検事の落合洋司弁護士がこう言う。

 「グローバル企業のトップのゴーン氏ですから、世界中で対応できる法律事務所を選んだということでしょう。今後、株主代表訴訟など、さまざまな訴訟に発展する可能性があります。多角的に対応するため、ポール・ワイスと契約し、万全を期したということではないでしょうか」

 世界最強の弁護士団と対峙する東京地検は、今ごろ身構えているのではないか。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース ビジネス 【企業・産業ニュース】  2018年11月29日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

 

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【日産自動車】:ゴーンの逆襲が始まるのか「大物ヤメ検」弁護士の深謀遠慮

2018-11-29 07:16:10 | 【事件・未解決事件・犯罪・疑惑・詐欺・闇バイト・旧統一教会を巡る事件他】

【日産自動車】:ゴーンの逆襲が始まるのか「大物ヤメ検」弁護士の深謀遠慮

『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【日産自動車】:ゴーンの逆襲が始まるのか「大物ヤメ検」弁護士の深謀遠慮

 日産自動車会長を解任されたカルロス・ゴーン容疑者(64)の弁護人を「大物ヤメ検」が務めることになった。東京地検特捜部長経験者であり、現在の特捜部長はかつての部下。捜査手法も分かっている。いまだ仏政府は「クーデター」との陰謀論がくすぶる今回の逮捕劇に不信感を持っているというし、これからゴーンの逆襲が始まるのか――。

 
 
 ゴーンの弁護人になるのは大鶴基成氏(63)。東京地検特捜部長、最高検検事、東京地検次席検事、最高検公判部長などを歴任し、2011年8月、定年まで7年近く残して退官。現在は、ヤメ検が創設者の事務所に所属する弁護士だ。プロ野球巨人の賭博問題を調査した委員会の委員長も務めた。


 検事時代は、いくつもの大型事件の捜査に関わっている。大鶴氏が注目されたのが、民主党政権時に小沢一郎衆院議員が強制起訴された「陸山会事件」だ。捏造調書によって、検察が組織ぐるみで小沢潰しを画策した事件だったが、それを“主導”したのが当時、最高検検事の大鶴氏だった。

 東京地検特捜部長時には、ライブドア事件や村上ファンド事件の陣頭指揮を執ったが、部長就任会見で「額に汗して働く人、リストラされ働けない人、違反すれば儲かると分かっていても法律を順守している企業の人たちが憤慨するような事案を摘発したい」と発言していたから、それを実行したと話題になったものだ。

大鶴弁護士は検察の頃「額に汗して働く人のため」と言っていたが…(C)日刊ゲンダイ

  大鶴弁護士は検察の頃「額に汗して働く人のため」と言っていたが…(C)日刊ゲンダイ

 ■仏政府もいまだに疑心暗鬼

 今回、法律違反で儲けて、額に汗して働く人を憤慨させた疑いのゴーンを弁護するとは皮肉。「立場が変われば……」ということなのだろうが、大鶴氏はゴーンにとって、最強のアドバイザーになる可能性がある。元検事の落合洋司弁護士がこう言う。

 「大鶴氏は検察の“作法”を分かっているので、ガンガン争うというよりも、むしろ事件をできるだけ小さくまとめる方向に動くのではないか。ゴーン氏については、私的流用の事例が次々報じられていて、特別背任や横領にも問われれば数億円規模ですから、実刑は免れない。有価証券報告書の虚偽記載という形式犯にとどめれば、執行猶予もある。ゴーン氏が日本の刑務所に収監されることのないよう、検察庁に“陳情”するというのなら、大鶴氏は適任者です」

  ゴーン逮捕をめぐっては世界中のメディアが関心を寄せ、国際問題にも発展している。いち早く駐日大使が拘置所のゴーンと面会したフランスではメディアが、事情聴取に弁護士が立ち会えない日本の刑事手続きに疑問を呈する記事を掲載。「我々は推定無罪の原則を尊重する」と発言したルメール経済・財務相は22日、世耕経産相と会談し、「日産とルノーの協力関係維持を両国政府は強く支持する」と共同声明を出したものの、仏政府の疑心暗鬼は払拭されていない。

 「ゴーン氏逮捕は単なるいち被疑者の事件にとどまらない。仏政府との関係を考えれば、余罪までやらないで早期終結もひとつの選択肢になる。水面下の動きが出てくるかもしれません」(落合洋司氏)

 “ゴーン悪人”報道の洪水のウラで、別のうごめきが進行しているのか。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース ビジネス 【企業・産業】  2018年11月25日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【平成の経済事件簿】:東京佐川急便疑獄<下> バラまかれた“佐川マネー”は数百億円

2018-11-29 07:15:50 | 【経済・産業・企業・起業・関税・IT・ベンチャー・クラウドファンティング

【平成の経済事件簿】:東京佐川急便疑獄<下> バラまかれた“佐川マネー”は数百億円

  『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【平成の経済事件簿】:東京佐川急便疑獄<下> バラまかれた“佐川マネー”は数百億円

 ■平成の経済事件簿

 “ホメ殺し”には黒幕がいた。佐川急便社主の佐川清である。岩瀬達哉は「われ万死に値す―ドキュメント竹下登 」(新潮文庫)で「佐川黒幕説」を論証している。

  新潟から裸一貫で出てきた佐川清は、ことあるごとに同郷の田中角栄に助けられてきた。佐川急便は田中の庇護のもとに育った会社だった。佐川はいつも「田中先生に足を向けて寝られない」と言っていたという。

 田中心酔者の佐川は、田中から派閥を奪い、創政会(後の経世会)を旗揚げした竹下を許せなかった。そのショックで田中が脳梗塞で倒れたのだから、なおさらである。

 これに渡辺広康との確執が重なった。渡辺は歌手やスポーツ選手のパトロンとして銀座で豪遊。佐川急便では、創業者の佐川清に次ぐ実力者となり、「政界担当」として、与野党議員を問わず人脈を広げた。田中角栄一筋の佐川清とは対照的だ。

田中角栄(右)と佐川清創業者/(C)日刊ゲンダイ

        田中角栄(右)と佐川清創業者/(C)日刊ゲンダイ

 佐川清が田中角栄をバックにしたように、渡辺は金丸信に食い込んだ。そして、稲川会の石井進に接近した。

 佐川は渡辺に「佐川急便を乗っ取られるのではないか」と恐れるようになる。2つの思いが重なり、佐川の竹下憎しは倍加していく。かくして竹下への“ホメ殺し”が断行された。

 竹下政権誕生の功労者は、稲川会の石井進と東京佐川急便の渡辺広康である。87年12月23日、金丸は政権誕生の礼を言うため、東京・一番町の料亭「藍亭」に石井と渡辺を招待した。

 茨城県のゴルフ場、岩間カントリークラブが石井側に譲渡されたのは、この謝礼である。岩間カントリーは平和相互銀行系列の太平洋クラブが開発中のゴルフ場で、運営するためにつくられた会社が岩間開発。86年10月、平和相互は住友銀行に吸収合併され、その2カ月後、岩間開発は東京佐川急便に売却された。 

 岩間開発の経営権を手に入れた東京佐川急便は、土地買収を進めゴルフ場を完成させた。このとき、土地の買収資金を融資したのが、渡辺がつくった不動産会社・北東開発である。

 89年、岩間開発は第三者割当増資を実施。石井進が設立した不動産会社の天祥が筆頭株主となり、石井は岩間カントリークラブの実質的なオーナーとなった。

 これを機に、石井は表社会に進出していく。同年4月、石井は手に入れたばかりの岩間カントリークラブの「会員保証金預かり証」を利用して、384億円をかき集めた。岩間カントリークラブは会員制のゴルフ場ではないから、預かり証は何の価値もない。

 ただの紙切れ同然のしろものを購入したのは、東京佐川急便が80億円で最も多く、野村証券や日興証券の関係会社がそれぞれ20億円供出した。稲川会が守護神となって外敵から守ってくれている企業と、仕手グループが購入リストに顔を揃えた。石井は仕手集団・光進代表の小谷光浩のアドバイスに従い東京急行電鉄株式の買い占めに乗り出した。

 だが、バブル経済が崩壊。巨額の債務を抱えた東京佐川急便の経営が悪化した。親会社の佐川急便は91年7月、社長の渡辺広康ら東京佐川急便の幹部を全員解雇。同月、渡辺を特別背任(商法違反)の疑いで東京地検に告訴した。91年9月、石井進が病死し、東急電鉄株の仕手戦は終わった。

 東京佐川急便は、岩間カントリークラブをはじめ、石井の関連企業に対して次々と融資や巨額の債務保証を行った。その総額は、驚くなかれ、4395億円、40企業と一個人(石井本人)に及んだ。

 東京佐川急便からの資金流出は桁外れだった。東京地検は、カネの流れと人脈を仕分けした。東京佐川急便経営陣による暴力団がらみの背任、政界への資金提供、それ以外の背任事件の3ルートに交通整理した。

 暴力団がらみでは、石井系企業に組み込まれた北東開発と、石井がオーナーの「稲川会経済部」と評された北祥産業の2社に対する157億円の債務保証を特別背任罪で立件した。

 渡辺がタニマチとして政界にバラ撒いた“佐川マネー”はウン百億円と取り沙汰された。佐川急便の創業者、佐川清(02年3月死去)は生前、「佐川のカネが誰にいくら配られたか明らかになれば自民党はつぶれる」と豪語していたという。しかし、渡辺が口を割らなかったため、政界ルートの解明はできなかった。

 政治家では、東京佐川急便から5億円の献金を受けていた金丸信が、政治資金規正法違反で略式起訴された。世論の猛反発を招き議員辞職に追い込まれた。渡辺広康は03年3月に最高裁で懲役7年の刑が確定。その1年後に69歳で病没した。

 東京佐川急便疑獄は、政権中枢と暴力団が深くつながった政界の暗部を、鮮明に浮かび上がらせた。 =敬称略

 ◆有森 隆 ジャーナリス

 30年余、全国紙で経済記者。豊富な人脈を生かし、取材・執筆活動中。「カルロス・ゴーン『経営神話』の自壊」(「月刊現代」2004年9月号)、「C・ゴーン『植民地・日産』の次の獲物(ターゲット)」(同09年1月号=最終号)などを執筆。ゴーン会長の欺瞞性を鋭い筆致でえぐり出した。この仕事ぶりが、今、再び脚光を浴びている。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース ビジネス 【企業・産業ニュース】  2018年11月29日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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