路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【金口木舌】:分かりやすさのわな

2019-03-15 06:01:40 | 【米国・在日米軍・地位協定、犯罪・普天間移設・オスプレー・安保】

【金口木舌】:分かりやすさのわな

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【金口木舌】:分かりやすさのわな 

 原稿を書き始めてこの方、いかに文書を分かりやすく書くかに腐心してきた。ちまたにあふれる文章読本を手にし、教えをなぞってきた。効果のほどは疑問だが

 ▼記事をチェックするデスクから「これでは全く分からない」と原稿を突き返されることもしばしば。最初の読者であるデスクが読んで分からなければ、一般読者にはなおさら分かってもらえないというわけだ
 ▼世の中では常に「分かりやすさ」が求められる。一昔前は書籍「サルでもわかる」シリーズがはやった。今も各分野で「わかるシリーズ」本があふれ、ビジネス書でもハウツー本はいつもランキングの上位だ
 ▼「二十世紀は、『わかる』が当然の時代だった」。そう指摘していたのは1月に亡くなった作家の橋本治さんだ。著書「『わからない』という方法」で「『どこかに自分の知らない正解はある』と思い込んでいる二十世紀病なのである」と看破した
 ▼分かりやすさとは何かを切り捨てる作業かもしれない。ただしそこにはざっくり単純化するわなも潜む。池上彰さんは著書で「本質を伝えない『ざっくり』は、非常に危ない」と警告する
 ▼橋本さんは二十世紀病を「『これが“正解”だ』と確信したら、その学習と実践に一路邁進(まいしん)する」とも説いた。「辺野古が唯一」を繰り返す政治家たちはまだ「二十世紀病」が治っていないのだろう。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【金口木舌】 2019年03月14日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:宿泊税の導入 使途明確にし有効活用を

2019-03-15 06:01:35 | 【税制・納税・減税・年収「103万円の壁」・ふるさと納税・物納・脱税・競売】

【社説】:宿泊税の導入 使途明確にし有効活用を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:宿泊税の導入 使途明確にし有効活用を 

 観光目的税制度の導入に向けた県の検討委員会が、1人1泊2万円未満の料金で200円、2万円以上で500円の宿泊税を宿泊客から徴収する提言をまとめた。

 1泊につき200円の一律定額方式にするのか2段階方式にするかで意見が分かれ、6対3の多数決となった。
 県ホテル旅館生活衛生同業組合の委員が一律定額方式を主張したことは重く受け止める必要がある。宿泊施設が徴収の担い手になるからだ。さらに検討を深め、皆が納得できる仕組みをつくりたい。
 宿泊税は持続可能な観光地づくり、利便性・満足度の向上、受け入れ体制の充実・強化といった施策を推進するために使われる。徴税コストを差し引いて約52億円の予算確保が見込まれるという。税収は基金を創設して管理する。
 地方団体に認められた課税自主権を行使し独自の財源を確保することは、観光立県・沖縄にとって喫緊の課題だ。できるだけ早く制度を創設した方がいい。
 既に東京都、大阪府、京都市が宿泊税を導入済みだ。金沢市、北海道倶知安町も来年度に制度をスタートさせる。
 東京都は1人当たりの宿泊料が1泊1万円以上1万5千円未満で100円、1万5千円以上で200円、大阪府は1人1泊1万円以上から100~300円を徴収している。今後、対象を7千円以上に引き下げる予定だ。
 沖縄には年間1千万人に迫る観光客が足を運んでいる。後れを取っているとの印象は否めない。
 一方で、福岡県と福岡市のように、それぞれ独自に宿泊税の導入を決め、双方が対立しているケースもある。懸念されるのは両者の「二重課税」による宿泊客の過重負担だ。
 県内では、恩納村でも宿泊客から観光目的税を徴収することを検討する動きがある。使途が重複しないように、市町村との間で綿密に調整することが不可欠だ。
 大切なのは税収を何のために使うかだ。財源確保を急ぐあまり、使い道が曖昧なまま制度をスタートさせれば、観光客の反発を招きかねない。県民の理解を得ることもできないだろう。
 近年、訪日外国人旅行者の急増などに伴い、地域の生活環境が悪化する「オーバーツーリズム」が顕在化してきた。ごみの放置、公共交通機関の混雑、交通渋滞といった事態を招き、「観光公害」ともいわれている。
 こうした現状を踏まえ、京都市は宿泊税の税収を交通渋滞やバスの混雑の解消、観光案内標識の増設、違法民泊の適正化などに充てるという。
 県内でもレンタカーの利用者が増えたことが交通渋滞に拍車を掛けている。先行する自治体を参考にしながら、観光客にとどまらず、県民全体にメリットをもたらすような使い方を検討すべきだ。導入後は、使途と効果を詳細に検証する必要がある。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年03月13日  06:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【金口木舌】:茶色の風景

2019-03-15 06:01:30 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【金口木舌】:茶色の風景

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【金口木舌】:茶色の風景 

 「茶色の風景」と聞き、何を想像するだろうか。岩手県宮古市で東日本大震災に遭った関口琴乃記者が津波が来た時に見た風景だ。今月、避難した高台を訪れ、再びこの風景と出合ったことを10日付本紙に書いた

 ▼「茶色」とは枯れた草木の色を指す。背丈まで伸びた枯れ草は視界を遮り、街を襲う津波を見ることはなかった。その代わりに見た枯れ草の色が記憶に残った。中原中也の詩「サーカス」の一節「茶色い戦争」が頭に浮かぶ
 ▼この街で津波を逃れて高台に上り、同じような風景を見た人もいよう。波にのまれる家並みを凝視した人もいるだろう。被災地で人々は惨状を見つめ、それぞれの風景を切り取り、心に刻んだはずだ
 ▼地震の翌日、記者はがれきと化した街中で毛布にくるまれた遺体を見た。「何も感じることができなかった」という。心身を脅かす危機から自己を保つための防御だったのかもしれぬ。沖縄戦体験者から似た話を聞いた
 ▼大震災から8年が過ぎた。癒えぬ悲しみ、重い復興の足取り、続く原発事故の影響。報道を通じて今年も被災地の現状に接した。そして考える。沖縄でできることとは何か
 ▼「茶色の風景」のこと、被災者の心に広がる風景のことを思う。この8年で何か変わっただろうか、時が止まったままだろうか。いつか緑が芽吹く日が、暖かな光が差す日が訪れることを願っている。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【金口木舌】 2019年03月13日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:比嘉選手、地元初優勝 県民を勇気づけた快挙だ

2019-03-15 06:01:25 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【社説】:比嘉選手、地元初優勝 県民を勇気づけた快挙だ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:比嘉選手、地元初優勝 県民を勇気づけた快挙だ 

 ゴルフの国内女子ツアー開幕戦となる第32回ダイキンオーキッドレディストーナメントで、本部町出身の比嘉真美子選手が初優勝した。ツアー通算5勝目となる。この大会の県勢制覇は2004年の宮里藍選手以来、15年ぶり2人目となった。沖縄の大会で地元選手が再び頂点を極めた快挙をたたえたい。

 比嘉選手は8年連続10回目の出場で、09年に12位、12年に16位でベストアマを獲得し、14年の2位がこれまでの最高成績だった。小学校5年の時には初めて大会ボランティアもしている。
 「ゴルフを始めた時から、ダイキンで勝つことが目標だったのでうれしい」と語っているように、比嘉選手にとって、ダイキンオーキッドは特別な大会だった。幼いころから、この大会でウイニングパットを決める瞬間を夢見てきた。だからこそ喜びもひとしおだろう。それは同時に県民を勇気づけた。
 全力で支えてきたのが母親の彰子さんだ。ホールアウトした比嘉選手に駆け寄り「おめでとう」と言って強く抱きしめた。最も喜びを共有できる人だ。
 比嘉選手は本部高校ゴルフ部に所属し、ひたむきに研さんを積んできた。共に汗を流した部員の多くが、比嘉選手のずば抜けた才能と人一倍努力する姿を見てきた。
 比嘉選手が今年最初の自主トレーニングの場所に選んだのが本部町だ。町運動公園や町民体育館でトレーナーと一緒に汗を流している。「本部高校の3年間が基礎になって現在のプロにつながっている」と話し、地元への感謝の気持ちを忘れない。
 昨季は賞金ランキングで自己最高の4位に入り、獲得賞金1億円を初めて突破した。4月にはKKT杯バンテリン・レディースで優勝し、通算4勝目を挙げている。トップ10入りも最多の18度だった。女子ゴルフの世界ランキングは3月5日時点で47位で、今後さらに順位が上がることに期待したい。
 15年前、ダイキンで県勢初優勝を果たした宮里藍選手はその後、活躍の舞台を世界へと広げた。比嘉選手も日本女子ゴルフ界の新世代のトップ選手として、スーパースターへの道を歩んでほしい。
 来年は東京五輪が開催される。五輪強化対策本部が指定した強化合宿選手の8人の中に、比嘉選手も選ばれた。合宿で栄養士の助言を受けて食事も見直した。五輪出場の切符を手に入れるためにも、今季の活躍は欠かせない。
 今季39試合の開幕戦はダイキンで始まった。残り38試合でも比嘉選手の持ち味を生かしたプレーで勝利を重ねてほしい。
 2位に入ったのが、同じく県勢の新垣比菜選手だ。8位に宮里美香、13位に上原彩子、47位に大城さつきの県勢3選手が続いた。比嘉選手と共にほかの県勢選手の躍進も県民は望んでいる。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年03月12日  06:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【金口木舌】:もてなしの温かみ

2019-03-15 06:01:20 | 【スポーツ全般・屋内外の競技種目・オリ、パラ、デフリンピック・国民スポーツ大会】

【金口木舌】:もてなしの温かみ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【金口木舌】:もてなしの温かみ 

 先週、このコラムで暖冬に触れ「半袖姿も目立つ」と書いたら、途端に寒が戻ってしまった。一度はしまった上着を出したり、車内でヒーターを使ったりした人もいるだろう

 ▼同訓異字を解説する「漢字の使い分けときあかし辞典」を開いてみた。さんずいの「温」は液体や固体など触ることのできるあたたかさ、日へんの「暖」は日差しなどの直接触ることのできないぬくもりに用いることが多い
 ▼「温厚」など性格に「温」を当てるのは、人柄は“触れて”感じるものだからと説く。7人制ラグビーのニュージーランドの読谷合宿は、村民と選手らの温かなやりとりが感じられるものだった
 ▼読谷村のもてなしには定評がある。国内トップリーグの合宿数は徐々に増え、ことし過去最多の7チームが予定する。将来のオールブラックス入りを狙うニュージーランドの選手は伝統の舞「ハカ」で歓迎に応えた
 ▼自らを鼓舞し、相手への敬意を表す意味があり、15人制では試合前に行う。7人制では優勝時など試合後に観客に向かって舞うことが多く、感謝のメッセージが強くうかがえる
 ▼約200年前、来琉した英艦隊のバジル・ホールは美しい自然や礼儀正しい人々を欧州で紹介し、琉球が注目された。沖縄で過ごしたアスリートたちによって、この地の「あたたかさ」がまた広まっていくだろう。読谷の取り組みに学びたい。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【金口木舌】 2019年03月12日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:東日本大震災8年 想定外なくすのが肝要だ

2019-03-15 06:01:15 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【社説】:東日本大震災8年 想定外なくすのが肝要だ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:東日本大震災8年 想定外なくすのが肝要だ 

 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故から8年となった。震災では死者が1万5897人、行方不明者は2533人に上った。避難者は今でも全国で5万人を超え、深い傷痕を残したままだ。

 岩手、宮城、福島の被災3県ではいまだに1700戸以上がプレハブ仮設住宅での生活を余儀なくされている。町の再建も遅れている。阪神大震災では約5年で仮設住宅がなくなった。それと比べると、復興までまだ道半ばだ。
 復興は順調かとの懸念は全国に根強くある。共同通信社が先月に実施した全国世論調査で「順調と思わない」と答えた人は「どちらかといえば」と合わせ計49%に上り、「どちらかといえば」を加えた「順調」の48%を上回った。
 2020年度末に廃止される復興庁について同社が被災3県の市町村長に聞いたアンケートでは、9割が後継組織が必要だと考えている。半数が、2020年東京五輪・パラリンピックで掲げられた「復興五輪」の理念は十分に浸透していないと感じている。自治体からは「被災地が置き去りだ」との声も上がる。
 それからしても被災地では深刻な状況が続いている。政府や国民は被災地に寄り添い、支援を続ける必要がある。
 福島第1原発事故はいまだに収束せず廃炉作業が続いている。大震災が残した大きな教訓の一つは、原発事故の恐ろしさだ。震災を機に自国のエネルギー政策を見直し、再生可能エネルギーへかじを切った国は少なくない。しかし日本は、いまだに原発を重要な基幹電源と位置付け、発電比率20~22%を目標に掲げている。30基以上稼働させないと確保できない割合だ。
 原発は安全でもコスト安でも安定的でもないことを学んだはずだ。環境問題に取り組む市民団体グリーン連合は、日本の再生エネルギーの目標は欧州各国に比べて低すぎ、不健全な原発延命策が取られていると指摘している。日本は原発の危険性や高いコストに向き合い、脱原発のエネルギー政策に転換すべきだ。
 第2、第3の事故が起きないか、国民の不安は高まっている。先の共同通信の世論調査では、福島第1原発のような深刻な事故が再び起こる可能性について86%が「心配が残る」と回答した。廃炉作業や避難区域の現状への関心は「高いままだ」「高くなった」と計67%の人が答えている。
 自身の居住地で大きな地震や集中豪雨といった自然災害に遭う恐れを感じている人も77%に上る。東日本大震災の後も熊本地震、西日本豪雨、北海道地震など立て続けに発生していることが背景にある。国民の危機感は増し、大震災が残した不安は過去ではなく現在進行形なのだ。
 地震などの災害は、断層帯が存在する沖縄も例外ではない。日本列島のどこでもいつでも起こり得る。日ごろの防災意識と対策を徹底し「想定外」をなくすことが肝要だ。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年03月11日  06:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。 

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【金口木舌】:伝えたい記憶

2019-03-15 06:01:10 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【金口木舌】:伝えたい記憶

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【金口木舌】:伝えたい記憶 

 「においが街に充満し、あちこちでハエが飛び交っていた。ペットボトルに酢と砂糖を入れた自家製のハエ取り器を置くと、あっという間にたくさん捕れた」

 ▼7年前、宮城県石巻市を訪ねた。街を一望できる日和山公園から写真を撮っていると、60代ほどの男性2人が「どこから来たの」と気さくに声を掛け東日本大震災の体験を語った
 ▼1人は地震が発生した年の夏を振り返り、魚が原因とみられる腐敗臭が街に漂い、それが忘れられないとペットボトルの話をした。もう1人は避難の途中、津波によって車ごと流された。仮設住宅に暮らしているという
 ▼2人は公園を訪れる人に、同じように体験を伝えていた。がれきが横たわる場所を見詰め、言葉を続けた。「石巻や福島、東北の復旧はほんとに時間がかかる。何かと、頑張らなぁ」
 ▼大震災から、きょうで8年。2月7日現在、沖縄で311人が避難生活を続ける。震災や東京電力福島第1原発事故の教訓を生かしたいとの思いで体験を伝える人々がいる。語りたくない、語れない。大切な人を失い、そんな思いの人たちもいる
 ▼震災の記憶継承に取り組む石巻市の団体によると、日和山公園では今も、津波で家族を亡くした市民らが訪問者に体験を伝えている。あの2人も誰かに声を掛け続けているのだろうか。その声は今を生きたかった人の思いでもある。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【金口木舌】 2019年03月11日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:法制局長官の暴言 国会を侮辱、すぐ更迭を

2019-03-15 06:01:05 | 【国会(衆議院・参議院・議運 ・両院予算委員会他・議員定数・「1票の格差」...

【社説】:法制局長官の暴言 国会を侮辱、すぐ更迭を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:法制局長官の暴言 国会を侮辱、すぐ更迭を 

 「法の番人」もすっかり地に落ちたものだ。

 内閣法制局の横畠裕介長官が参院予算委員会で野党議員の質問姿勢を批判した。官僚が国会議員をやゆする政治的発言をするのは異例だ。立場や職責をわきまえず、国権の最高機関である国会を侮辱する暴言であり、看過できない。安倍晋三首相は横畠長官をすぐに更迭すべきだ。
 横畠長官は6日の参院予算委で、内閣に対する国会の行政監視の役割を説明する中で「(委員会で)声を荒らげて発言することまで含むとは考えていない」と答弁した。質問した議員を暗に指している。
 野党の反発を受け、横畠長官は「越権だった」として発言を撤回し謝罪した。自民党内からも非難され、予算委員長が厳重注意するに至った。
 戦前も、官僚が国会を冒瀆(ぼうとく)した「黙れ事件」があった。1938(昭和13)年3月3日、衆院委員会で、陸軍省軍務課員の佐藤賢了中佐が説明員という立場を逸脱して、国家総動員法案の必要性を長々と演説した。「やめさせろ」という議員のやじに、佐藤が「黙れ」と怒鳴り、審議が中断。陸軍大臣が陳謝した。
 その後、佐藤は栄進し、東条英機首相側近として要職を歴任した。軍部が力を強め、戦争へ突き進んでいく時代だ。
 行政府の職員が立法府をおとしめるという愚は民主主義の破壊につながる。繰り返してはなるまい。
 内閣法制局は、法制面から内閣を補佐する政府の「法律顧問」だ。憲法解釈に意見を述べ、国会に提出する法案の合憲性などを事前審査する。
 時の政権の意向に左右されず、専門的見地から法律上の見識を示すのが組織として本来の在り方だ。官僚の中でも最も中立性が求められる。
 しかし、横畠長官が就任した2014年5月以降、法制局の姿が変節している。
 14年7月の集団的自衛権行使を容認した閣議決定では、憲法解釈変更を手助けした。歴代の法制局長官が「行使はできない」としてきた見解を横畠長官は大転換し、「必要最小限度の行使は憲法9条の下でも許される」とした。
 15年の安全保障関連法の審議では、多くの憲法学者が違憲と主張する中、合憲論を繰り返した。16年には「憲法上あらゆる核兵器の使用が禁止されているとは考えていない」との見解を表明した。
 まさに「法の番人が安倍政権の門番に成り下がった」という野党の批判通りだ。法制局は法治主義を忘れて、政権の顔色うかがいに奔走しているのではないか。今回の発言もその延長だ。
 背景には恣意(しい)的な人事がある。集団的自衛権の行使を容認する際、政権は法制局未経験者であっても、意に沿う人物を長官に起用した。横畠氏の前任者である。
 一強政権の下なら何でもできると、官僚が虎の威を借る狐と化している。安倍首相の任命責任が厳しく問われる。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年03月10日  06:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。 

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【金口木舌】:惻隠(そくいん)の情

2019-03-15 06:01:00 | 【事件・未解決事件・犯罪・疑惑・詐欺・闇バイト・旧統一教会を巡る事件他】

【金口木舌】:惻隠(そくいん)の情

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【金口木舌】:惻隠(そくいん)の情 

 「人をいたわしく思う心、あわれみの気持ち」。広辞苑を引くとこう書かれている。「惻隠(そくいん)の情」という言葉だ

 ▼現在ではあまり聞くことはなく、小説などで目にする機会も少ない。勝負がついて戦意がなくなった相手を、それ以上、攻撃しないこともこの言葉に基づく考え方だ。上の立場にある者が下位の者を気にかけるような印象がある
 ▼「他人の心中をおしはかること」。こちらは立場の弱い人が強い相手にすることが多い。2017年に流行語大賞に選ばれた「忖度(そんたく)」だ。どちらも、悪い意味ではない。だが今では、「忖度」という言葉を聞いて受ける印象は良くない
 ▼現在も疑念が消えていない森友学園・加計学園の問題。官僚が「忖度」したと指摘されている。再び耳にするようになったのは、国会で野党の追及が続く統計不正問題。官邸サイドの意向を受けて、官僚の「忖度」が働き、行政がゆがめられることはあってはならない
 ▼忖度との関連で静かに注目を集めているのが「元号」だ。安倍晋三首相は4月1日に「平成」に代わる新元号を事前公表する。専門家数人から2~5個の候補を考案してもらうという
 ▼元号には過去に何度も使われた漢字がある。これまでに17回使われ10番目に多いのが「安」だ。「安久」「安寧」「安泰」「永安」。予想が飛び交うが、よもや元号まで「忖度」されることはあるまい。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【金口木舌】 2019年03月10日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【デスク日記】:所属する運動部で

2019-03-15 06:00:40 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【デスク日記】:所属する運動部で

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【デスク日記】:所属する運動部で 

 所属する運動部で、西日本スポーツの「時代~プロ野球昭和から平成へ」という企画を担当している。月1度の掲載で、初回の1月は昭和の選手のファッションがテーマの一つだった。そこでデータベースを物色すると、平成の「おしゃれ」とはひと味違うお宝写真たちに出合えた。

 猟銃を小脇に抱え、カモ撃ちを楽しむ西鉄の野武士たち。パンチパーマが似合うこわもての選手たち…。中でも昭和を感じたのは、ドラフトで指名された高校生の後ろでカメラに鋭い視線を送る仲間たち。平成では少なくなった伝統的な不良の姿だった。

 「やんちゃ」な生徒が多いことで有名な高校からプロ入りした昭和生まれの元選手は「多感な時期を、多感な生徒ばかりの学校ですごしたけど、やりたいことをやれた」と胸を張る。大事なのは外見などではなく、人間の内面。ファンを魅了した元選手の野球人生に、改めてそう感じさせられた。 (相島聡司)

 =2019/03/15付 西日本新聞朝刊=

 元稿:西日本新聞社 朝刊 主要ニュース オピニオン 【デスク日記】 2019年03月15日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【デスク日記】:私の妻(45)は1月27日からしばらく、ひどく元気がなかった

2019-03-15 06:00:30 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【デスク日記】:私の妻(45)は1月27日からしばらく、ひどく元気がなかった

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【デスク日記】:私の妻(45)は1月27日からしばらく、ひどく元気がなかった 

 私の妻(45)は1月27日からしばらく、ひどく元気がなかった。大ファンの人気アイドルグループ「嵐」が、来年末での活動休止を発表したからだ。私は普段、妻に小言をいろいろ言われるが、それもなくなる落ち込みよう。「私が死んでもここまで悲しまないのでは」と感じたほどだ。

 全国のファンが同じような「嵐ロス」にさいなまれたことだろう。第三者的な立場の私としては、メンバー5人全員が35歳以上になり、いつまでもトップアイドルとして突っ走るのはしんどいと思う。「自由な生活がしてみたい」というリーダー大野智さんの気持ちもよく分かる。

 福岡県内には嵐メンバーの名前と同じ糸島市の桜井神社と潤神社、福岡市西区の二宮神社のほか、嵐がCMを撮影した「光の道」で有名な福津市の宮地嶽神社もある。「嵐スポットを巡るドライブでも」と傷心の妻を誘っても「あなたとは嫌」と断られるかな? (野津原広中)

 =2019/03/14付 西日本新聞朝刊=

 元稿:西日本新聞社 朝刊 主要ニュース オピニオン 【デスク日記】 2019年03月14日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【デスク日記】:「ちょっと一杯行きませんか」-

2019-03-15 06:00:20 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【デスク日記】:「ちょっと一杯行きませんか」-

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【デスク日記】:「ちょっと一杯行きませんか」- 

 「ちょっと一杯行きませんか」-。仕事を終えた深夜、後輩から飲みの誘い。職場を出たものの、ふと立ち止まる。財布の中身は? そういえば1週間近く財布を開けていない。中には千円札が1枚。「現金もっとらんけん、○△ペイが使えるとこにして」

 昨秋、スマートフォンのQRコード決済デビューした。行きつけの屋台が参加する半額還元キャンペーンにつられて始めたこともあり、仕事帰りの「ちょっと一杯」もスマホで「ピッ」が日常に。たまるポイントにも気をよくし、現金を使うことが激減した。

 懸念もある。現金が見えないため、「懐が痛む」感が少ないのは、日々の酒量が増えたことで実証済み。決済履歴からは消費傾向も分かる。個人情報漏れを危ぶむ意見にも異論はないが、この半年の履歴を確認すると、屋台、屋台、屋台…。情報と呼ぶには、あまりに偏った消費傾向に、まあいいか、ときょうも一杯「ピッ」。 (下本地正人)

 =2019/03/13付 西日本新聞朝刊=

 元稿:西日本新聞社 朝刊 主要ニュース オピニオン 【デスク日記】 2019年03月13日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【デスク日記】:インターネット上に投稿された男の子の虐待動画が拡散し、福岡県内の・・・

2019-03-15 06:00:10 | 【学校等の陰惨ないじめ・暴力・体罰・自死・家庭での虐待・不登校・児相】

【デスク日記】:インターネット上に投稿された男の子の虐待動画が拡散し、福岡県内の母親が逮捕された事件

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【デスク日記】:インターネット上に投稿された男の子の虐待動画が拡散し、福岡県内の母親が逮捕された事件 

 インターネット上に投稿された男の子の虐待動画が拡散し、福岡県内の母親が逮捕された事件。投稿が子どもからのSOSと捉えられ、ネット上では「頑張れ」「大人に相談を」と励ましが広がり、動画を見た人の匿名の通報からほぼ1日での逮捕となった。

 一方、動画を巡っては、子どもがどこの誰か分からず、投稿者のアカウントの写真を見て「球磨焼酎の樽(たる)がある」「青井阿蘇神社の獅子面では」→熊本県人吉市の子か→市や八代児童相談所に通報を-と善意のフェイクも拡散。名指しされた役所や児相には、通報や問い合わせが相次いだ。

 熊本総局でも複数の記者を投入して情報の確認を進め、8日夕の「福岡の母親逮捕」の連絡まで振り回された。うそも本当も瞬時に拡散するネット社会は、恩恵と共に思わぬ影を落とし続ける。徒労感の恨み節で、記者たちに顛末(てんまつ)の一斉メール。「子どもが無事なら良かった」の反応に救われた。 (相本倫子)

 =2019/03/12付 西日本新聞朝刊=

 元稿:西日本新聞社 朝刊 主要ニュース オピニオン 【デスク日記】 2019年03月12日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【東京都江東区】:アポ電強盗殺人事件、長野拠点か 事件後一時潜伏も

2019-03-15 01:27:30 | 【事件・未解決事件・犯罪・疑惑・詐欺・闇バイト・旧統一教会を巡る事件他】

【東京都江東区】:アポ電強盗殺人事件、長野拠点か 事件後一時潜伏も

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【東京都江東区】:アポ電強盗殺人事件、長野拠点か 事件後一時潜伏も 

 東京都江東区のアポ電強盗殺人事件で、犯行に使われた車両とみられる軽乗用車が、2月28日の事件前に長野県から東京方面に向かい、事件後には神奈川県を経由して再び長野県に戻っていたことが14日、捜査関係者への取材で分かった。

 警視庁深川署捜査本部は、いずれも長野県出身で住所不定、無職須江拓貴(22)=強盗殺人容疑で逮捕、酒井佑太(22)=同=の2容疑者が、土地勘のある長野県を拠点にし、事件後には一時潜伏した可能性があるとみて捜査している。

 神奈川県を経由したのは川崎市の土木作業員小松園竜飛容疑者(27)=同=を自宅方面に送ったためとみられる。

アポ電強盗殺人事件、長野拠点か 事件後一時潜伏も

  加藤邦子さんが死亡しているのが見つかった現場のマンション(共同)

 捜査本部は、都内や両県の防犯カメラ画像などの記録を詳細に解析し、江東区の現場から逃走した3人組の軽乗用車の動きを特定。捜査関係者によると、犯行車両と特徴がほぼ一致する軽乗用車が2月28日の事件前後に、長野県と東京を往復していたことが分かった。

 殺害された江東区の加藤邦子さん(80)宅には事件前、資産状況を尋ねる「アポ電(アポイントメント電話)」があった。3人組のアポ電強盗は1月に渋谷区初台、2月に同区笹塚でも連続発生している。

 笹塚と江東区の現場で採取された靴の跡は酷似しているものもあり、同じ人物が関与したとみられる。一方で、現場付近の防犯カメラ画像には3容疑者とは別の人物が写っていることも判明した。捜査本部は、犯罪グループが事件ごとに実行役を入れ替えた疑いがあるとみて組織性を捜査。3人から押収した携帯電話には別人の名義のものが含まれ、軽乗用車も別人名義だったことなどから、調達方法を調べる。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【事件・犯罪・疑惑】  2019年03月15日  01:27:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【風向計】:五輪食堂の“印パ紛争” 編集委員 上別府 保慶

2019-03-15 00:20:50 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【風向計】:五輪食堂の“印パ紛争” 編集委員 上別府 保慶

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【風向計】:五輪食堂の“印パ紛争” 編集委員 上別府 保慶 

 NHK「きょうの料理」の講師を長く務め、「ひげのシェフ」として親しまれた帝国ホテルの総料理長、村上信夫さんが84歳で世を去ってから14年がたとうとしている。

 村上さんは1964年の東京五輪で、選手村に三つあった食堂のうち、アジア人の男子選手が使う「富士食堂」の料理長を任された。

 日本が大勢の外国人選手を“おもてなし”するのはこれが初めて。村上さんは前大会のローマ五輪を視察したが、選手食堂のイタリア人コックたちは気難しく、調理場の写真さえ撮らせてくれない。

 村上さんは、日本選手団の元にリコー社が贈った簡易カメラ24台があると聞きつけ、半分を譲り受けて選手食堂の関係者に配った。効果はてきめん。撮影はOKになり、施設の図面や食材のこまかな資料まで手に入れた。

 村上さんは、当時はまだ珍しかった冷凍食品のテストなどの準備を重ね、東京五輪の開幕の日を迎えた。式典の中継を調理場の白黒テレビで見ながら、まだコック見習いだった17歳の頃の「ショック」を思い出していた。

 東京五輪は、日本が太平洋戦争に突入する前年の1940年にも予定されていた。だが戦時下にふさわしからずと軍部が反対し、38年に中止が決まった。村上少年は残念でならなかった。後に召集され、シベリア抑留も経験しただけに、各国選手の入場を見ながら「ジーンとなった」。

 同じアジアとはいえ、食習慣がまるで違う選手の、それも大勢の胃袋を満たす仕事は毎日が試練だ。村上さんは、イスラム教徒が食べる羊肉は僧職者が作法にのっとり処理しなければならないと知って大弱り。トルコ人タレント、ロイ・ジェームスさんの父が東京回教寺院の高僧と聞き、生きた羊を運びお祈りをしてもらうなどして切り抜けた。

 さらに、食堂には国同士の争いも持ち込まれた。

 インド選手団は自国からコック2人を連れてきて彼らの舌になじむカレーを作らせたが、紛争状態にある隣国パキスタンの選手には鍋のふたを閉じて食べさせず、もめた。村上さんはインド人コックに食材を余分に提供してカレーをたっぷり作らせ、素知らぬ顔でパキスタン人にも配り、けんかを収めたという。

 印パの対立は今なお核兵器絡みで緊張が続くし、世界に紛争の種は尽きない。2020年の東京五輪でも、日本人の思わぬ所で摩擦は起きかねない。今は亡き村上さんの知恵を生かしたいものだ。

 以上は村上さんの伝記「人生はフルコース」(佐藤陽著、東京書籍)などに詳しい。

 =2019/03/14付 西日本新聞朝刊=

 元稿:西日本新聞社 朝刊 主要ニュース オピニオン 【風向計】 2019年03月14日  10:49:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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