路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【菅首相】:与党も野党も求める「コロナ患者入院制限」方針の撤回を拒否 

2021-08-05 07:05:30 | 【感染症(1類~5類)・新型コロナ・エボラ・食中毒・鳥インフル・豚コレラ】

【菅首相】:与党も野党も求める「コロナ患者入院制限」方針の撤回を拒否

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【菅首相】:与党も野党も求める「コロナ患者入院制限」方針の撤回を拒否 

 政府が決めた新型コロナウイルス患者の入院制限方針について、与党内から4日、撤回を主張する声が相次いだ。公明党幹部は再検討を求め、自民党の新型コロナ感染症対策本部などの合同会議は撤回を要求することを決めた。菅義偉首相は、首相官邸で記者団に「撤回しない」と拒否する考えを示し「必要な医療を受けられるための措置だ。説明し理解してもらう」と述べた。

菅義偉首相(2020年9月撮影) 菅義偉首相(2020年9月撮影)

 政府が2日に決定した方針に対し、与党がそろって見直しを迫る異例の事態。首相は入院制限方針の対象について「東京や首都圏など爆発的感染拡大の地域であって、全国一律ではない」とも説明した。

 厚生労働省は方針を自治体に正式通知したが、都道府県が求めていた入院の具体的な判断基準は示さなかった。東京都がつくる基準を尊重する方向で、現場の自治体に任せた形だ。

 政府はインド由来のデルタ株による感染者急増を踏まえ、入院制限で深刻な重症者の治療を優先し「第5波」を乗り切る考え。ただ医療現場を担う自治体に加え、与党からの異論にも直面した。

 公明の高木美智代政調会長代理は衆院厚労委員会で「酸素吸入が必要な中等症の患者を自宅で診るなんてことはあり得ない」と指摘、政府に再考を促した。

 政府の新型コロナ感染症対策分科会の尾身茂会長は委員会で、政府方針に関し事前に「相談はなかった」と明らかにした。田村憲久厚労相は政府による独自の判断で問題はなかったとの認識を示したが、首相は記者団に「厚労省が必要な相談をすべきだった」と強調した。

 立憲民主、共産、国民民主の各党は国対委員長会談を開き、撤回要求で一致した。

 厚労省の3日付の通知によると、入院制限は患者が急増する地域で実施可能。入院できるのは「重症や、中等症以下で特に重症化リスクの高い人」とした。全国知事会はこれまで入院できた中等症のうち、自宅療養となる患者の判断基準を明示するよう求めていた。

 判断基準に関し、田村氏は委員会で「いま都でつくってもらっている」と言及。都は専門家の意見を聴き、見直し作業を本格化させた。(共同)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・新型コロナウイルスの感染拡大に伴う施策・新型コロナウイルス患者の入院制限方針】  2021年08月05日  07:05:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【滋賀県】:小1妹死なせた疑い17歳兄を逮捕 解剖の結果、内蔵の一部に破裂など判明

2021-08-05 01:04:30 | 【事件・犯罪・疑惑・詐欺・闇バイト・旧統一教会を巡る事件・ネット上の誹謗中傷他】

【滋賀県】:小1妹死なせた疑い17歳兄を逮捕 解剖の結果、内蔵の一部に破裂など判明

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【滋賀県】:小1妹死なせた疑い17歳兄を逮捕 解剖の結果、内蔵の一部に破裂など判明 

 自宅で小学1年の妹(6)の腹や背中を蹴るなどし、死なせたとして、滋賀県警は4日、傷害致死の疑いで、大津市の無職の少年(17)を逮捕した。

 少年の証言から、妹は1日午前、市内の児童公園で少年と遊んでいる際、高さ2~3メートルのジャングルジムから転落死したとみられていたが、県警は虚偽の説明だったとみており、死亡の経緯を調べる。

 逮捕容疑は、7月下旬ごろから今月1日ごろまでの間、妹を複数回暴行し、1日に外傷性ショックで死なせた疑い。県警は認否を明らかにしていない。少年は妹と母親と3人暮らしだった。

 1日午前9時40分ごろ、妹が転落したのを目撃したとして少年から通報を依頼された近隣住民が「ジャングルジムから女の子が転落した」と119番。救急隊員が駆け付けた際、妹はあおむけで倒れ、意識はなかった。

 県警は当初、事故死とみて調べていたが、司法解剖などの結果、内臓の一部の破裂などが外傷性ショックにつながったことが判明。事件の可能性が浮上したという。

 県警によると、先月21日未明に、県内のコンビニに少年と妹が2人でいるところを店が110番し、県警が児童相談所に通告していた。その際、外傷は確認されなかった。(共同)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【事件・犯罪・疑惑】  2021年08月05日  01:04:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【新型コロナ】:福岡が緊急事態宣言要請へ「陽性者の増え方が急激で、想定を超えている」

2021-08-05 00:21:30 | 【感染症(1類~5類)・新型コロナ・エボラ・食中毒・鳥インフル・豚コレラ】

【新型コロナ】:福岡が緊急事態宣言要請へ「陽性者の増え方が急激で、想定を超えている」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【新型コロナ】:福岡が緊急事態宣言要請へ「陽性者の増え方が急激で、想定を超えている」

 福岡県が新型コロナウイルス感染の急拡大を受け、緊急事態宣言の発出を政府に要請する方針を固めたことが4日、県関係者への取材で分かった。5日に要請し、服部誠太郎知事が記者会見を開いて説明する予定。

 県幹部は取材に、感染力の強いデルタ株の影響により「陽性者の増え方が急激で、想定を超えている」と述べた。

 福岡では4日、1日当たりで最多となる752人の新規感染が確認された。2日から、まん延防止等重点措置が適用されているが、感染拡大を抑えるにはより強い対策が必要と判断した。

 緊急事態宣言が決まれば、福岡では6月21日に解除されて以来で4回目となる。

 3日時点の病床使用率は31・6%。新規陽性者数や病床使用率に関する独自基準を超えたとして、県は5日、既に発動している「福岡コロナ警報」を「特別警報」に引き上げることを決める見通し。(共同)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・地方自治・福岡県・医療・新型コロナウイルスの感染拡大に伴う患者数の増減】  2021年08月05日  00:21:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【安倍前首相】:「五輪に反対する人は反日的」またまたトンデモ主張

2021-08-05 00:04:30 | 【感染症(1類~5類)・新型コロナ・エボラ・食中毒・鳥インフル・豚コレラ】

【安倍前首相】:「五輪に反対する人は反日的」またまたトンデモ主張

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【安倍前首相】:「五輪に反対する人は反日的」またまたトンデモ主張

 4日投開票の都議選に向け、応援演説に駆け回った安倍前首相。東京では新型コロナウイルスの感染が再拡大しつつあり、五輪開催に不安を抱く有権者も多い中、前回1964年の東京五輪に触れて、「あの時の感動、日本選手の活躍、試合を通して未来に見た夢や希望、勇気……」などと情緒的なフレーズを繰り返す場面もあった。

開催反対も「こんな人たち」(C)日刊ゲンダイ(日刊ゲンダイ)

懲りない昭恵夫人「勝負の3週間」でも“マスクなし密旅行”  

 発売中の「月刊Hanada」(8月号)でも、桜井よしこ氏との対談で五輪について語っているのだが、開催の意義について、安倍氏はこう説明する。

 <「共有する」、つまり国民が同じ想い出を作ることはとても大切なんです。同じ感動をしたり、同じ体験をしていることは、自分たちがアイデンティティに向き合ったり、日本人としての誇りを形成していくうえでも欠かすことのできない大変重要な要素です>

 <感動を共有することは、日本人同士の絆を確かめ合うことになる>

 日本人のアイデンティティーとか、誇りを形成とか、国粋主義的な話ばかり。安倍氏自身が招致時に「復興五輪」と訴えていたのは、やはり口からでまかせだったということか。

 しかも、コロナ禍での五輪開催に反対する声があることについては、こんな暴論だ。

 <極めて政治的な意図を感じざるを得ませんね。彼らは、日本でオリンピックが成功することに不快感を持っているのではないか。共産党に代表されるように、歴史認識などにおいても一部から反日的ではないかと批判されている人たちが、今回の開催に強く反対しています>

 今夏の開催に反対する声が根強いのは、現状で強行すればコロナ感染再拡大や医療崩壊のリスクがあるからだ。決してイデオロギー的な対立ではない。安倍氏は、世論調査で中止や延期を求める6~7割の人も反日的だというのか。懸念を宮内庁長官が代弁した天皇も反日的か。

 だいたい、開催直前になっても観客の有無さえ決まらず混乱しているのは安倍氏のエゴのせいなのだ。昨年、「2年延期」が主流だった関係者の声を振り切って1年延期に決めたのが安倍氏だ。自分の首相在任中に開催したかったのだろう。

 安倍氏は4年前の都議選でも演説中に「辞めろコール」にブチ切れ、「こんな人たちに負けるわけにはいかない!」と叫んでいたが、当時から何ひとつ変わっていない。自分と異なる意見を敵視して「反日」と決めつけるネトウヨ思考。こんな幼稚な男が今もデカい顔をしているのだから、自民党も支持者もどうかしている。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 政治・経済 【政治・東京都議会選挙】  2021年07月03日  13:15:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

 

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【安倍前首相】:せっせと…都議選告示直後から“お詫び行脚”本当の狙い

2021-08-05 00:04:10 | 【公文書・国民の知る権利・国民共有の知的資源・情報公開・権力者による隠ぺい】

【安倍前首相】:せっせと…都議選告示直後から“お詫び行脚”本当の狙い

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【安倍前首相】:せっせと…都議選告示直後から“お詫び行脚”本当の狙い

 「7.4」首都決戦の行方はどうなるか。任期満了に伴う東京都議選が25日告示された。

 小池都知事はダウン。菅首相も「コロナ対策に集中する」(自民党関係者)との理由で応援に入らないという。“主役級”2人が表立った活動をしない中、鼻息が荒いのが安倍前首相だ。2017年の前回都議選の街頭演説で「こんな人たちに負けるわけにはいかない!」と絶叫し、自民党の歴史的敗北の一因をつくった“戦犯”である。

2017年、前回の都議選で「こんな人たちに!」(安倍前首相)/(C)日刊ゲンダイ

  2017年、前回の都議選で「こんな人たちに!」(安倍前首相)/(C)日刊ゲンダイ

 安倍前首相は25日、2選挙区に現地入り。前回都議選で落選した元職の崎山知尚候補が出馬する荒川区と、都連幹事長で現職の高島直樹候補が立つ足立区だ。随分と精力的だが、一体どうしたのか。

 「前回の都議選では、政調会長だった崎山氏だけでなく、当時の都議会議長と都議会自民幹事長も落選しています。3幹部の落選は、議席を半分以下に落とした歴史的敗北の象徴的な出来事だった。安倍さんは『こんな人たちに――』発言で、迷惑をかけたと責任を感じているのでしょう。“お詫び”のために2選挙区に応援入りするそうです」(官邸事情通)

 確かに前回都議選での安倍前首相の言動は酷かった。選挙戦最終日、JR秋葉原駅前に立った。1000人は下らない聴衆の一部から「安倍やめろ!」コールが上がると、プッツン。批判する聴衆を指さし「こんな人たちに――」と絶叫したのだった。

 しかし、都議選の応援に入る本当の狙いは、存在感のアピールとみられている。実際、2選挙区を回った後は、サッサと東京を離れ、衆院選を見据えた地方行脚に出かける予定だ。

 ■「赤木ファイル」で頓挫か

 安倍前首相は最近、新しく設立された議連で続々と顧問に就くなど、存在感のアピールに余念がない。ただ、もくろみ通りにいくのかどうか。

 「今後、国会で問題視されそうなのが、財務省の公文書改ざんの経緯が記された『赤木ファイル』です。“森友事件”が再びクローズアップされる可能性がある。安倍夫妻が関係した学園と財務省の土地取引を巡って、公文書を改ざんさせられ、自殺に追い込まれた財務省職員がまとめた資料です。野党の追及が始まれば、安倍さんは猛批判の的になる。地方行脚などやっている場合ではなくなります」(永田町関係者)

 モリ・カケ・サクラが払拭されない限り、表舞台に出られないと自覚した方がいい。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 政治・社会 【政治ニュース】  2021年06月25日  13:50:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【安倍晋三前首相】:東京都議選で自民候補応援 「こんな人」発言の前回は惨敗

2021-08-05 00:04:00 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【安倍晋三前首相】:東京都議選で自民候補応援 「こんな人」発言の前回は惨敗

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【安倍晋三前首相】:東京都議選で自民候補応援 「こんな人」発言の前回は惨敗 

 安倍晋三前首相(66)が25日、首相退任後、初めて選挙応援でマイクを握り、自民党候補を激励した。

 東京都議選告示のこの日、荒川区の尾久八幡神社で行われた崎山知尚前都議の出陣式に参加。境内の“特設ステージ”に立つと、強い雨が約1時間降り続いていた空を見上げ「雨も晴れてきましたね。私は日本で3本の指に入る晴れ男と言われています」と晴れやかな笑顔を見せた。

荒川区の自民党立候補者の応援に駆けつけて激励する安倍晋三元首相(撮影・鎌田直秀)荒川区の自民党立候補者の応援に駆けつけて激励する安倍晋三元首相(撮影・鎌田直秀)

荒川区の自民党立候補者の応援に駆けつけてだるまの目入れを行う安倍晋三元首相(撮影・鎌田直秀)荒川区の自民党立候補者の応援に駆けつけてだるまの目入れを行う安倍晋三元首相(撮影・鎌田直秀)

 7月23日に開会式を迎える東京オリンピック(五輪)・パラリンピックの成功も誓った。「いよいよ迫ってきました」と前振り後、集まった高齢者たちに向けて「皆さま1964年のオリンピック、パラリンピックは覚えていますか? 生まれていない方も多いかと思いますが…」。約300人の聴衆の笑いを誘った。

 さらに「当時、私はまだ、かわいい小学生。かわいいかどうかは議論があるかと思いますが」と自虐的に話すと笑いが起こった。

 「あの時の感動、日本選手の活躍、試合を通して未来を見た夢や希望、勇気。あの瞬間を今の子どもたちにも経験してもらいたい。そんな思いで8年前、誘致に全力を尽くしました。おかげさまで誘致はした」と冗舌に語ったうえで「でもコロナ下にあって成功させていく、これは大変です。何とか成功させることが世界に希望につながっていく、勇気を与えることになるんだろうと思っている。もちろん感染症にしっかり目を凝らしながら、みんなが安心出来る、安全な大会にしていかなくてはいけない」。観覧者からは拍手も沸き起こった。

 前回17年の都議選を振り返った時だけは表情が引き締まった。「4年前、残念ながら我が党は惨敗をしました。当時、総裁であった私にとって痛恨の極みでありました」。森友学園、加計学園、豊田真由子衆議院議員の暴言暴行、稲田朋美防衛相の自衛隊発言など、問題が相次いでいた中での都議選だった。7月2日の最終日に、JR秋葉原駅前で街頭演説に立った安倍氏の言葉を打ち消すかのような「安倍ヤメロ~」などの怒号も飛んだ。安倍氏も「演説を邪魔するような行為を自民党は絶対しません。こんな人たちに負けるわけにはいかない」などと応戦したことから「こんな人たち」発言に有権者の不信が募った。

 「崎山議員のように経験があって有能な議員を落としてしまった。崎山さん、荒川区の皆さまに対して、本当に申し訳ない気持ち。もう1度、経済対策が必要。経済再生していくように、東京都議と手を組んで、安心出来る、活力のある日本を復活させていきましょう」と力を込めた。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・選挙・東京都議会選挙】  2021年06月25日  14:13:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【社説②】:安倍氏の「復権」 負の遺産の説明が先だ

2021-08-05 00:03:50 | 【事件・犯罪・疑惑・詐欺・闇バイト・旧統一教会を巡る事件・ネット上の誹謗中傷他】

【社説②】:安倍氏の「復権」 負の遺産の説明が先だ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:安倍氏の「復権」 負の遺産の説明が先だ 

 昨年8月末に持病の悪化を理由に突然辞任した自民党の安倍晋三前首相が、党内の保守系グループや議員連盟の役員に相次いで就任し、動きを活発化させている。

 菅義偉政権が三つの衆参補欠選挙と再選挙で全敗するなど低空飛行が続く中、近づく衆院選と党総裁選に向け「再々登板が視野にあるのでは」との臆測も出ている。

 国会議員がさまざまな活動に取り組み、発信することに基本的には異を唱えるつもりはない。

 ただ、史上最長の政権を担った安倍氏の影響力は大きい。体調が回復し、活動を本格化させるのであれば、その前に説明すべきことが山積している。

 「桜を見る会」前日の夕食会費補填(ほてん)問題は真相が究明されていない。ほかにも森友・加計学園の問題など「負の遺産」が残る。

 これらの疑惑に頬かむりしたままの「復権」には首をかしげる国民も少なくないのではないか。

 安倍氏は自民党憲法改正推進本部の最高顧問にも名を連ねた。

 先月下旬には、改憲手続きを定めた96条に関し「国会議員の3分の1ちょっとが反対なら、国民の半数以上が賛成でも変えられないのはいかがなものか」と述べた。

 96条改定は首相就任後、最初に言及したものの、理解が広がらないと見るや矛先を変え、9条への自衛隊明記を提唱した。

 憲法を順守すべき首相自らが改憲の旗を振り、二転三転する主張に世論の支持は得られなかった。

 安倍氏は原発の新増設や建て替えの必要性を唱える議連の最高顧問も引き受けた。

 東京五輪招致に際し、安倍氏は東京電力福島第1原発の処理汚染水について「状況はコントロールされている」と演説した。

 ところが、現状はどうだ。

 処理水保管が限界に達し、政府は海洋放出の方針を決めた。風評被害を懸念する地元漁業者は反発している。当時の見通しが妥当だったか安倍氏に説明を求めたい。

 桜を見る会の疑惑は昨年末、安倍氏が衆参の議院運営委員会で陳謝したものの、秘書に責任転嫁するような発言を繰り返した。

 提示を拒んでいるホテルの明細書を示し、補填の原資や動機を明らかにすべきだ。

 森友問題は担当した財務省職員に自殺者が出て、妻が真相を知りたいと国を訴えた。

 だが、当該の学校法人と関わりが深かった安倍昭恵夫人からも説明がない。前首相ともども事実をすべて語る責任がある。

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2021年05月05日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【安倍前首相】:関与を問われても…だんまり 河井氏への1.5億円提供

2021-08-05 00:03:40 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【安倍前首相】:関与を問われても…だんまり 河井氏への1.5億円提供

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【安倍前首相】:関与を問われても…だんまり 河井氏への1.5億円提供 

 2019年参院選広島選挙区を巡る公選法違反(買収)事件で有罪となった河井案里元参院議員の陣営への1億5000万円提供問題を巡り、当時党総裁だった安倍晋三前首相は25日、記者団から自身の関与を問われ、何も答えなかった。1億5000万円の使途などに関する説明責任に関しても無言を貫いた。
 
 
 党から河井陣営への1億5000万円の支出について、自民党の二階俊博幹事長は24日の記者会見で、責任は自らと安倍氏にあるとの見方を示していた。
 
 党総裁当時に案里元議員の擁立を主導し、二階氏から資金提供の責任者として事実上名指しされた安倍氏は、25日の衆院本会議後、記者団に「支出に関与したのか」「1億5000万円の8割が税金で賄われている。説明責任はどう考えるか」と聞かれ、無言で国会を立ち去った。
 
 党が支出した1億5000万円は、8割を占める1億2000万円が税金を原資とする政党交付金。支出の一部が買収に使われた疑惑もあり、説明責任を求める声は党内からも上がっている。

◆林幹事長代理「根掘り葉掘り踏み込むな」

 二階氏ら党の現執行部は、案里元議員や夫で元衆院議員の克行被告が逮捕、起訴され、捜査当局に資料が押収されているとして、正確な使途を説明できないとしている。二階氏の会見では、記者団から相次ぐ質問に、同席した林幹雄幹事長代理が「根掘り葉掘り踏み込まないでほしい」と、いら立ちを見せる場面もあった。
 
 党内のベテラン幹事長経験者は「カネを出す権限は総裁にある」と安倍氏の関与を推察する。だが現執行部側は「個別の誰が(決めた)とかではなく、組織決定して交付している」(林氏)と、責任の所在があやふやなまま幕引きを図りたい考えだ。(山口哲人)

 【関連記事】河井氏への1・5億円提供 二階幹事長「責任は総裁と私に」…決定の過程は答えず

 元稿:東京新聞社 主要ニュース 政治 【政局・2019年参院選広島選挙区を巡る公選法違反(買収)事件で有罪となった河井案里元参院議員の陣営への1億5000万円提供問題】  2021年05月25日  21:50:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER】:政権を悩ます河井事件と1億5千万円

2021-08-05 00:03:30 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【HUNTER】:政権を悩ます河井事件と1億5千万円

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER】:政権を悩ます河井事件と1億5千万円 

 4月25日に投開票された3つの国政選挙で自民党は3連敗。コロナ対応でも成果がを出せない菅政権は、益々追い込まれることになった。

 「こんなことになるとは、想像もしなかった。せめて広島だけはと思っていたが……」――自民党の幹部が、力なく語る。

 3つの国政選挙のうち、衆院北海道2区は元農相・吉川貴盛被告が贈収賄事件で議員辞職したことで不戦敗。羽田雄一郎元国交相の急死で補欠選挙となった参院長野選挙区は、もともと「羽田ブランド」が圧倒的に強いところ。自民党は勝ち目なしとみられていたが、その通りの結果だった。唯一、残された参院広島選挙区に注目が集まったが……。

 ■河井事件の逆風に晒された自民

 広島の参院補選は、公職選挙法違反で有罪判決が確定した河井案里氏の議員辞職を受けてのもの。自民党は、宏池会会長で総裁を目指す岸田文雄氏が、広島出身の経産官僚・西田英範氏を擁立し必勝態勢を敷いた。

 西田氏が出馬表明をしたのは2月。まだ野党はまとまっておらず、候補者さえ決まっていなかった。当初は、元東京地検特捜部検事で広島出身の郷原信郎弁護士が有力視されたが、本人が辞退。3月中旬になってようやく、フリーのアナウンサーだった宮口治子氏の擁立が決まる。その頃の状況を、立憲民主党のある幹部はこう振り返る。

 「保守王国の広島で宮口さんではとうてい勝てっこない。おまけに1か月以上も西田氏に出遅れです。勝てないな、という思いでした」

 確かに、序盤の世論調査では西田氏が10ポイント以上の差をつけ、このまま押し切るかに見えた。しかし、菅政権のコロナ対応のまずさもあって、西田氏の支持が後退、宮口氏が盛り返す。選挙当日の出口調査でも宮口氏が10ポイント近く優勢で、最終的には3万票以上の差をつけ西田氏に勝利した。

 勝敗に大きな影響を及ぼしたのが、河井夫妻による巨額買収事件だったことは言うまでもない。2019年の参院選で、河井夫妻が買収のためばらまいたとされるのは2,900万円。大半が、自民党の広島県連所属の県議、市議らに渡っていた。実力者である奥原信也県議には200万円、三原市長だった天満祥典氏には150万円と、桁違いの買収額だったことが分かっている。

 カネをもらったある県議は、こうぼやく。

 「内輪で寄ると『なんであいつがオレよりたくさんもらったんだ』など反省もなく、愚痴る連中がいますよ。おまけに、カネをもらった市議や県議には『選挙にかかわるな』と岸田さんからお達しでしょう。『じゃ、勝手にやれよ』となんもしませんでした。ポスター貼りとか動員とか少しは手伝ったけど、知った顔に声をかけても、『あんた、いくらもらったんじゃ。アホらしくて選挙なんて行けるか』と叱られる。本当に河井夫妻のばらまきの後遺症が、すごかった」 

 慌てたのが、岸田氏だ。河井克行被告の衆院広島3区は、中選挙区時代は岸田氏の地盤でもあったが、早々に公明党の副代表・斎藤鉄夫衆院議員が出馬表明。参院広島選挙区の再選挙で勝たないと、「岸田さんの総理総裁への道は閉ざされる」(自民党幹部)という見方が広がっていた。

 選挙戦終盤、宮口氏が西田氏に追いつけ、追い越せで混戦になった時の岸田氏の演説。

 「再選挙になったのは、とんでもないヤツがいたからだ」「誰が、候補にしたのか」「党は猛省すべきだ」

 すると、西田氏は案里氏が歳費を返還しないのはおかしいと「歳費を返還できる仕組みを国会でやらせてほしい」と岸田氏に呼応するように声を張り上げた。まったく反省のない自民党側の態度を有権者が見限った結果が、宮口氏の勝利だったというわけだ。

 ■政権の命運握る1億5千万円の使途

 永田町では、参院広島選挙区で敗れたことで「岸田氏は終わった」という声しきり。しかし、本当の爆弾がはじけるのは、これからだ。

 現在、河井克行被告の裁判が東京地裁で進んでおり、検察は懲役4年を求刑している。懲役2年から3年の実刑判決が予想される中、すでに克行被告は買収の容疑を認めており、1審で判決が確定する事態もあり得る。判決確定となれば押収品が返還されることになる。

 河井夫妻は、東京地検特捜部の捜査で資料が押収されたという理由で、参院選の選挙運動費用収支報告や関連政治団体の収支報告を行っていない。押収されていた帳簿などの資料が返ってくれば、収支報告書の提出が可能となるため、自民党本部から渡った1億5千万円の行方も明らかにされる。そうなると、克行被告の「買収に使ったの2,900万円は自己資金。1億5千万円は電話作戦や広島県内の全戸配布などに使った」や、案里氏の「タンス預金が買収資金」といった公判での主張の真偽が、改めて問われることになる。ちなみに捜査関係者は、買収原資についての河井夫妻の話は「その場しのぎ」とみている。

 岸田氏は自民党批判を訴えながらも、毎日のように、党本部に陣取る二階俊博幹事長に電話をかけて支援を求めたという。ある二階派の議員は、次の展開を心配している。

 「二階幹事長にとっては、参院広島選挙区の勝敗や、肌が合わない岸田氏のことなどどうでもよかった。頭の中は1億5千万円のことでいっぱいだ。実際は1億5千万円以上のカネが動いている。『なぜ克行被告は否認から態度を一変させたのか』とかなり焦っていた」

 河井夫妻の裁判が終われば、1億5千万円の使途で責任を問われるのは幹事長である二階氏と菅首相、そして安倍晋三前首相の3人だ。コロナ禍で「失政」が続く政権に、1億5千万円がとどめをさすことになるかもしれない。(山本吉文)

 元稿:HUNTER 主要ニュース 政治・行政 【政局・広島の参院補選は、公職選挙法違反で有罪判決が確定した河井案里氏の議員辞職】  2021年05月19日  08:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

 

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【安倍前首相】:「ポスト菅」候補4人列挙 自身の就任は「全く考えていない」

2021-08-05 00:03:10 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【安倍前首相】:「ポスト菅」候補4人列挙 自身の就任は「全く考えていない」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【安倍前首相】:「ポスト菅」候補4人列挙 自身の就任は「全く考えていない」

 自民党の安倍晋三前首相は近く発売の月刊誌「Hanada」7月号のインタビューに応じ、「ポスト菅」候補として茂木敏充外相、加藤勝信官房長官、下村博文政調会長、岸田文雄前政調会長の4人を列挙した。

 次期党総裁選を巡り、菅義偉首相の続投を支持する意向も重ねて示した。

安倍前首相(撮影・河田真司)安倍前首相(撮影・河田真司)

 安倍氏は、茂木氏を「誰もが手腕を評価している」、加藤氏を「私の臥薪嘗胆(がしんしょうたん)時代から支えてもらい、アピールをせずに黙々と仕事をする珍しい政治家」と論評。下村氏は「政調会長として党務で頑張っている」、岸田氏は「誠実な人柄で外相での実績は評価されている」とした。

 菅首相に関しては「菅政権はたった1年しかたっていない。政権には春もあれば冬もある。歯を食いしばって、みんなで支えていくべきだ」と言及した。

 安倍氏の3度目の首相就任を望む声があるとの質問には「全く考えていない」と答えた。(共同)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・政局】  2021年05月25日  22:09:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 ※「ポスト菅」を安倍氏が列挙。語るべきは自身の「桜」と1億5千万円だと思うが。朝日新聞 5月27日 夕刊 素粒子

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【政局】:末期状態の菅政権、でも何よりヤバいのは「ポスト菅」がいないこと

2021-08-05 00:03:00 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【政局】:末期状態の菅政権、でも何よりヤバいのは「ポスト菅」がいないこと

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政局】:末期状態の菅政権、でも何よりヤバいのは「ポスト菅」がいないこと

 ■安倍“長期”政権の影響かもしれない

 ◆菅政権、初の国政選挙で全敗

 「菅政権初の国政選挙」が2021年4月25日に行われた。

 選挙結果は事実上の「全敗」、与党にとって惨憺たるものであった。衆院北海道2区では公認候補を立てることすらできず「不戦敗」、参院長野選挙区も、広島選挙区も与党公認候補は議席に届かないという結果となった。さらに同日に行われた名古屋市長選挙においても、与党が推した候補が河村たかし市長に敗北を喫した。

 この結果、永田町では、続く6月20日の静岡県知事選や、7月4日の東京都議会議員選挙などの地方選挙、さらには今年予定されている衆院選についても、「菅首相では勝てないのではないか」と懸念する声が聞こえてくるという。

菅義偉首相[Photo by gettyimages]
 
 政党の代表がその地位にいられるのは、「選挙に勝てるカオ」だから、と考えてよい。2012年の政権奪還以降、自民党の安倍晋三氏があれほど長く総裁を務められたのも、選挙に勝ち続けたからである。通例であれば、現総裁が「選挙に勝てるカオ」ではないと判明すると、新たな総裁を選出しようという動きが党内で加速するはずである。その結果として、いわゆる「菅おろし」という事態もありうるだろう。

 しかしそれは「ポスト菅」あっての話である。現在の自民党は、政権への支持率が落ち込んでいるにもかかわらず、菅首相の代わりとなる「有力な総裁候補がいない」という状態である。

 ◆争点は「政治とカネ」と「新型コロナ」

 この補欠選挙、再選挙は日本政治の今後に重大な影響を与えるだろう。というのも「菅首相では選挙で勝てない」と露呈したのと同時に、「ポスト菅」の有力候補が失速した原因も、今回の補欠選挙、再選挙だからである。

 この3選挙はそもそも、与党自民党にとって不利な条件の下で始まっていた。菅政権に重くのしかかっていたのは、第一に「政治とカネ」の問題、第二に「新型コロナ・ウィルス」への対策といった、2つの課題に対する国民からの厳しい評価である。

 衆院北海道2区の補選は、アキタフーズにまつわるスキャンダル報道で自民党の吉川貴盛元農相が議員辞職したことに伴うものであり、参院広島選挙区の場合、2019年参院選での選挙買収容疑で有罪判決が確定した、自民党の河井安里氏の後任を選ぶものであった。これら2つの選挙では「政治とカネ」の問題が大きな争点であった。

 さらに、参院長野選挙区では、羽田雄一郎・立憲民主党参院幹事長の新型コロナ・ウィルス感染による死去にともなう補選が行われた。羽田氏は国会議員で初めて新型コロナ・ウィルスにより死去し、また投票日には東京などで3度目の緊急事態宣言も発令されたので、「新型コロナ・ウィルス」への政府の対策を争点とする選挙でもあった。

 新型コロナウィルス感染により亡くなった羽田雄一郎立憲民主党参院幹事長[Photo by gettyimages]

 このように3選挙の直前から、この2つが争点になっていたことで、与党の公認候補は厳しい戦いを強いられると予想された。

 しかし、与党公認の候補者が存在しない北海道2区は別としても、当初から与党自民党の公認候補が敗北、しかも全敗すると予想されていたわけではない。少なくとも自民は、参院広島選挙区では勝算はあるものと考えていた。しかしその「広島ですら」敗北したことが、現在の自民党の苦境を象徴していると思われる。

 ◆「広島で敗北」の大きすぎる余波

 というのも広島にはかつての池田勇人元首相に代表される強固な地盤があり、2019年参院選では、与党自民党の公認候補であった、河井杏里氏と溝手顕正氏の票を足して56万票以上を集めていた。対する野党候補は33万票にも満たず、共産党の7万票が上乗せされたとしても野党候補には負けないという計算があった。

 広島の選挙で、与党自民側も決して負けられない理由があった。それは広島1区選出の岸田文雄前政調会長の存在である。選挙直前の3月27日に自民党広島県連の会長に就任した岸田氏は、2019年参院選で自派の溝手氏が落選したことで、「岸田は選挙に弱い」という風評を立てられ、それが2020年の自民党総裁選で足を引っ張り、思ったように支持が広がらなかったという評価もある。

 そのため、今回の選挙を勝ち抜いて不名誉な風評を払拭することを目指していたという側面もあった。「ポスト菅」を狙う岸田氏にとっては、この選挙で勝つことで、そのポジションを確実なものにできる、まさに千載一遇のチャンスでもあった。そこで会長就任前に「先頭に立つ」という決意を表明し、今回の補選に全力を注いだのであった。

岸田文雄元政調会長[Photo by gettyimages]
 2012年政権奪還以降の「安倍―菅」政権の政策を継続し、ポスト菅の一番手を確実にすると見られた岸田氏だったが、その戦略は、選挙結果によって打ち破られた。岸田氏の肝いりで行われた再選挙の結果、3万票以上の差を付けられて敗北することとなったのである。河井夫妻の「政治とカネ」の問題があったとしても、伝統ある宏池会の強固な地盤を持ち、「ポスト菅」の有力候補であった岸田氏の指揮の下での敗北の影響は大きいといえる。
 こうなってくると「ポスト菅」には、やはり菅首相しか残らないということになる。そこで菅首相の立場に立って考えてみると、政権の延命のためには、総裁選前に衆院選を行い、そこで勝利した実績で総裁選を乗り切ることしかない。そうでなければ派閥主導の総裁選が先行してしまい、「菅おろし」を誘発しかねず、無派閥の菅首相にとって予期せぬ事態を招く恐れがある。

 「ポスト菅」が見えてこない、それは日本政治史上最も長く権力を維持し続けた「長期政権の呪縛」なのかもしれない。この呪縛に対する無力感と、それを表す低投票率は、全国に蔓延しているウィルスならぬ、将来の見通せない「政治不信」、ひいては次のリーダーの見えない閉塞感を誘発していくのだろうか。

 

 ■白鳥 浩 法政大学教授

 1968年生まれ。博士(政治学)。日本学術振興会特別研究員、長崎県立大学専任講師、静岡大学助教授を経て、現在、法政大学大学院公共政策研究科教授。ノルウェー王国オスロ大学政治研究所客員研究員、ドイツ連邦マンハイム大学客員教授、英国オックスフォード大学客員フェロー等を歴任。著書は『市民・選挙・政党・国家』(東海大学出版会)、『都市対地方の日本政治』(芦書房)など、編著として『政権交代選挙の政治学』『統一地方選挙の政治学』(ミネルヴァ書房)ほか。特に「シリーズ・現代日本の選挙」(ミネルヴァ書房)の選挙分析には定評がある。専攻は現代政治分析。国際・国内・地方の現代の政治変容に関心を持ち、テレビ・新聞等の各種メディアにおけるコメントでは的確な解説が評価を得ている。今後の与野党の健全な関係による日本の民主主義の発展を願っている。

 元稿:現代ビジネス 主要ニュース 政治 【政局・選挙・担当:白鳥 浩 法政大学教授】  2021年05月20日  06:02:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政局】:菅の失政にほくそ笑む…安倍晋三いよいよ「3度目の登板」へ準備が始まった…!

2021-08-05 00:02:50 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【政局】:菅の失政にほくそ笑む…安倍晋三いよいよ「3度目の登板」へ準備が始まった…!

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政局】:菅の失政にほくそ笑む…安倍晋三いよいよ「3度目の登板」へ準備が始まった…!

 ■菅は安倍へ「宣戦布告」

 結局、参謀は将軍にはなれないのか。誰もがそう思い始めた矢先、例の男が計ったように存在感を増してきた。菅が「時間切れ」となる総裁選まで残り4ヵ月。三たび天下を取るには十分な時間だ。発売中の『週刊現代』が特集する。


 ◆絶好調の独演会

「 ムリとはなんだ、ムリとは! ええ!」

 官邸に菅の怒声が響くことが、4月から明らかに増えている。以前はもっぱら官僚たちが標的だったが、最近は閣僚相手でもお構いなしに怒鳴る。

 議員や官僚がひっきりなしに菅のもとを訪れる。しかし菅は孤独だ。誰かが恐る恐る「それは難しいかと……」と反論しようものなら、罵声が飛ぶ。

 人心が離れてゆく。菅はますます苛立つ。

 いま、菅の頭にはワクチンしかない。ワクチンを打ちまくらなければ、この窮地は打開できない。東京五輪も開けない。

 だから、全国から逐一状況を報告させる。遅いところは締め上げる。ほら、「7月には絶対に接種を終わらせます」という自治体が増えてきた―。

 (やればできるじゃないか。その調子でお前ら、寝ずにやるんだ。こっちだって寝てないんだ)

 明らかな無茶振り、そして忖度の強要だが、意に介さない。 

 菅が平常心を失っているのは、コロナ対策がどん詰まりのせいだけではない。「あの男」のニヤニヤがこのところ、何度も視界に入ってくるのが鬱陶しくて仕方ないのだ。

 たとえば、自民党が北海道・長野・広島の補選と再選挙で全敗した翌々日の4月27日にも、その男は上機嫌で喋りまくっていた。

 「(米国の前大統領トランプが)日本に来たとき、『拉致被害者の家族のみなさんと会ってください』と言ったら、彼は『何分でもいいよ。それはシンゾーにとって大切なのか』と言う。

 だから『いや、私にとって大切ということではなくて、日本にとって大切なんですよ』と(答えた)」 

 衆院議員の木原誠二、平将明とともにネットの生放送番組に出演した前総理の安倍晋三が、こんな調子で1時間13分にわたって在任時の思い出を語り続けたのである。

 「政局の話こそしなかったけれど、トランプ、メルケル、オバマと各国首脳との逸話をハイテンションで滔々と語り、まるで外交が苦手な菅総理に当て付けるようでした。

 収録が終わった後も帰ろうとせず、さらに1時間も喋っていたそうです」(自民党中堅議員)

 身振り手振りをまじえて、さながら「ひとり再現VTR」だ。

 「伊勢志摩サミットの時に、お手水をするじゃないですか。私はみんなに言ったんです。『日本の宗教的行事ですから、やらなくても結構ですよ。私は神道だからやりますよ』と。

 そうしたらオバマが『私もやるよ。どういう意味があるんだ』と聞くんです。『身が清められる、いろんな穢れが落ちるんです』と言ったら、オバマ大統領は『なら、俺たちは1トンくらい(水が)必要だな』って(笑)」

 大統領たちとの「ツーカー」エピソードが次から次に出てくる。

 しかし、一方の菅はこの番組の10日前、初めての訪米で大統領のバイデンにハンバーガーを1個出されてあしらわれた。

 ファイザーのCEOには「忙しい」と会ってすらもらえなかった。わざわざ訪米前に安倍の事務所を訪れて教えを乞うたというのに、散々だ。

 (なにがドナルドだ、シンゾーだ。どっちも過去の人のくせに)

 ◆ボクは役者が違う

 憔悴しきった菅を尻目に、安倍はこの1ヵ月だけでも「ポストコロナの経済政策を考える議員連盟」「保守団結の会」「原子力リプレース推進議員連盟」と議連の会合3つ、自民党新潟県連の会合、さらに講演会「日本国憲法のあり方を考えるシンポジウム」で立て続けにマイクを握った。

 安倍に近い自民党議員が言う。

 「どこへ行っても会場は満杯。安倍さんとしても、党内と国民にどのくらい『安倍待望論』が広がっているか見極める意図があるのでしょうが、わざわざ確かめるまでもないという感じです」

 1年前、体調不良で国会にも記者会見にも出てこなくなった弱々しい安倍の面影はもうない。この4月には、ごく親しい自民党関係者の前でこう豪語したという。

 「もう体調は万全。これからはアップデートしたアベノミクスで、コロナ後の日本に貢献したい」

 アベノミクス、それは「安倍政権の」経済政策を指す言葉にほかならない。「スガノミクス」、そんな言い回しをするつもりはハナからない。

 「もちろん、自分が政権を取るとまでは言いません。しかし、一兵卒として政権を支える、という言葉とは裏腹の大言壮語です。

 党内が失政続きの菅総理に倦んでいること、皆がカムバックを期待していることをわかった上で言っているんでしょう」(自民党関係者)

 安倍は確信を抱いている。俺とスガちゃんではそもそも器が違う。格が違う。役者が違う。あんな草履取りではなく、みんな俺の帰りを待っているじゃないか―。

 二度あることは三度ある。菅が失策を連発する様子を認めた安倍が、3度目の登板に向けて動き出したことは、もはや疑いようもない。

 そして5月3日、安倍は菅に対して直接的なメッセージを送った。BSフジ「プライムニュース」で述べた「菅再選支持表明」だ。安倍の派閥、清和会所属議員が言う。

 「番組の中で安倍さんは、『総理を支える』と何度も繰り返し、派内では『言いすぎでわざとらしい』とまで言われていた。

 要するに、こういう意味です。『総理になれたのは俺のおかげだということを忘れるなよ』」

 菅は、ますます腸を煮えくりかえらせた。

 (こっちが必死な時に、図に乗りやがって)

 元の上司がしゃしゃり出てきて、好き勝手なことを言うほど腹立たしいものはない。殴りたいくらいだ。

 ◆菅の「宣戦布告」

 安倍が辞めたおかげで、菅が念願の総理の座を摑むことができたのは事実だ。とはいえ、安倍はコロナ禍の真っただ中で政権を投げ出した。

 その尻拭いをしているのは自分ではないか。菅は思う。このボンボンが―。

 自民党ベテラン議員が言う。

 「菅政権の要職には、安倍さんの盟友である麻生(太郎財務相・副総理)さんの他にも加藤勝信官房長官、弟の岸信夫防衛相など、安倍印の人ばかりが就いている。

 特に、菅さんは腹心の梶山弘志を官房長官にしたかったのに、安倍さんがどうしても加藤にしろと言うから呑んだ。そして案の定、加藤は機能していない。

 東京五輪も、あの森喜朗さんですら当初は『コロナ終息には時間がかかるから、2年延期にしたらどうだ』と言っていたのに、安倍さんが自分の総裁任期に間に合わせようと1年延期にした。そうしたら、このざまです」

 安倍はコロナの難局を菅に押し付けて逃走した。なのに、それを忘れたかのように菅をコケにし、自分の失敗は棚に上げて「なんなら、もう一回やってもいいけど?」と色気まで見せているのだ。

 (許すべからず)

 安倍が人前への露出を増やし始めたのと時を同じくして、不可解な事件が立て続けに起きた。それは菅による「宣戦布告」だと永田町で捉えられている。

 ひとつめは、財務省が突如「赤木ファイル」の存在を認めたことだ。

 安倍が中心となって起きた森友学園問題で、公文書の書き換えを命じられた近畿財務局職員の故・赤木俊夫さんが、経緯を文書に書き残していた。それが赤木ファイルだ。

 安倍とその妻・昭恵の関与を示す証拠となるかもしれない、超のつく重要書類である。

 「そんなものを出すか出さないかなんて、財務省単独では絶対に判断できない。

 ファイルの隠蔽を指示したのは安倍氏か今井(尚哉前首相補佐官、安倍の最側近)氏、菅総理のうちの誰かと言われていましたが、今回、菅総理は情報公開を容認した。

 明らかに安倍氏、そして麻生財務相に対する牽制です」(全国紙財務省担当デスク)

 そしてもうひとつが、前経産相で衆院議員の菅原一秀に、新たに公選法違反疑惑が浮上したことだ。

 菅原は昨年、選挙区内の有権者に香典を出したかどで捜査を受けたが不起訴になった。

 それが先月、地元のイベントに祝儀を出していたことが寄付行為にあたるとして、東京地検特捜部の再捜査を受けたのである。

「菅原さんは菅グループのひとつ『令和の会』の会長で、菅総理が目を掛ける子分。この大変なタイミングで狙い撃ちされたのに、総理が彼を守ろうとしないのが不可解だ。今やる必要がある事件なのかどうかも謎だ」(自民党閣僚経験者)

 どちらも一歩間違えれば、菅自身が巻き込まれかねない案件である。官房長官時代の菅であれば、どんな手を使ってでも握りつぶし、表沙汰にはしなかっただろう。

 そんな爆弾を菅が野放しにする理由は、ひとつしか考えられない。

 (俺をおちょくり、陥れようとするなら、どうなるかわかるよな。またモリ・カケ・サクラを蒸し返されたいか? 東京地検も動くかもしれないぞ)

 これらは安倍と麻生に対するメッセージなのだ。

 ◆二階と小池の真意

 夏までに何がなんでもワクチンを行き渡らせ、無観客だろうが東京五輪を強行する。菅が安倍、そして麻生を黙らせ退ける道は、それしかない。

 五輪後の総選挙に敗れたら最後、9月に控える自民党総裁選で菅は戦えない。そこへ安倍が出てくる展開になれば、自動的に安倍の3度目の登板が決まるだろう。

 まもなく清和会は細田派から安倍派に衣替えする。自民党最大派閥の領袖となる安倍に歯向かうのは、容易ではないからだ。 

 目下、菅にとって読めないのが党幹事長、二階俊博の動向である。二階はこのところ、東京都知事の小池百合子とあからさまに距離を詰めている。

 表向きは五輪情勢について情報交換をしているというが、不穏なのは先月中旬に二階が「五輪中止」を視野に入れるような発言をしたこと、そして会談の時間が徐々に長くなっていることだ。

 「いま最大の懸案は、小池が政府に先んじて『五輪中止』を言い出すのではないかということ。小池はそれをテコにして、国政復帰を画策する可能性が高いのです。

 この状況では、むしろ開催強行よりも中止の旗振り役になるほうが支持を得やすい。小池が『中止の責任をとる』と言って都知事を辞め、二階さんが後見人となって国政に戻れば、菅さんも安倍さんも無視できない」(前出・自民党中堅議員)

 過去に二階は小沢一郎らとともに自民党を割り、自由党や保守党を作って時の政権を揺さぶってきた。当時の二階は「5人いれば何でもできる」が口癖だった。

 政治家人生最後の大政局となるこの夏に、かつての勘を取り戻すのではないか。小池を担いで大立ち回りを見せる可能性もある……。

 小池との接近は、そう思わせるためのブラフかもしれないし、あるいは本気なのかもしれない。二階の真意を読み切れる者は永田町に、いやこの国に存在しない。

 コロナが招いた未曾有の政局は、いよいよ大詰めを迎える。すべてが終わった時に笑うのは、安倍か、菅か、二階か。それとも―。
(文中一部敬称略)

 発売中の『週刊現代』ではこのほかにも「スクープ  ワクチン接種で死んだ日本人39人 遺族と医師の証言」「年齢別 申請すればもらえるおカネ 無料で受けられるサービス」「わがままに死ぬための教養」「トヨタvs.ホンダ 本当の勝者はどっちだ」「大手4社の100商品を全実名テスト 体にいいパン 悪いパン」などを特集している。

 ■『週刊現代』2021年5月22・29日号より

 ◆週刊現代の最新情報は公式Twitter(@WeeklyGendai)で

 元稿:現代ビジネス 主要ニュース 政治 【政局・菅政権・担当 講談社 週刊現代編集部】  2021年05月17日  09:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

 

 

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【内田樹氏に聞く】:菅政権は続かない 安倍前首相の再々登板も

2021-08-05 00:02:40 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【内田樹氏に聞く】:菅政権は続かない 安倍前首相の再々登板も

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【内田樹氏に聞く】:菅政権は続かない 安倍前首相の再々登板も

 ◆【内田樹氏に聞く】「不本意ながら五輪中止」の演出をするだろう

 内田樹氏に今後の政局についてインタビューした。先の衆参両議院の補選で野党に3連敗を喫した菅内閣は最早、解散前に退陣危機に晒されていると内田氏は見ている。  

 しかし、後任となる自民党総裁人事がいないという。そこで、驚くような総裁人事で次期総選挙を戦うしか自民党はないのではないかという。それは、「安倍総理再登板」だと言う。そして、超タカ派的政策を打ち出し、野党に勝負を挑むのではないかという。

            ・・・

 ― 今回自民党候補が、補選で三連敗しました。どう見ますか?

 内田 自民党の地方組織が弱くなっていることが大きいと思います。昔は地方議会から国会議員になるというキャリアパスがありました。県会議員から総理になった竹下登が典型です。でも、いつの間にか、地方議会から国政に出て来るという道筋が痩せ細って来ました。

 党執行部が「一本釣り」をしてきた候補者を、縁もゆかりもない選挙区から立候補させるという党営選挙が支配的なスタイルになりました。  

 この候補者たちは執行部の「オーディション」に通ったというだけで、個人的には何の組織的基盤も持っていないので、執行部から「次は公認しない」と言われたら、自動的に失職することになります。だから、絶対に執行部に逆らわないのです。安倍政権はそういう「イエスマン議員」をかき集めて国会議員団を編制し、上意下達の党組織を作ろうとしました。そして、それに成功しました。  

 その結果、自民党はトップダウンの「安倍一強」の組織になったわけですけれども、その代償として、地方議員から国政へという道がなくなりました。地方議員の中には強い後援会組織を持っていて、仮に党公認が得られなくても当選できるという人もいます。

 でも、そういうインディペンデントな議員は別に党執行部にへつらう必要がありません。自分の立場を通す政治家は上意下達的党組織にとっては邪魔になります。だから、安倍―菅政権は、そういうタイプの地方議員を絶対に国会議員にしませんでした。執行部に逆らうと国政には出られないということを思い知らせることで地方議員を抑え込もうとしました。

 自立的な地方組織を抑え込んで、党執行部が選んだ、「イエスマン」候補者たちを地方に押し込んでいきました。その結果、地方組織はしだいに弱体化し、自民党の国会議員団と自民党の地方組織の間には溝ができました。この間の選挙の連敗も、党中央と地方組織の間で意思疎通ができなくなったことの結果だと思います。

 中選挙区時代には同選挙区内で自民党候補同士が競うということはよくありました。群馬県の中曽根康弘・福田赳雄の「上州戦争」が有名です。その結果、国会議員たちは自分の後援会組織の拡充をはかりました。だから、自民党議員同士が競合すればするほど党組織が強くなるということになったのです。

 でも、小選挙区以降、党執行部のオーディションに通った人を党営選挙で当選させるという仕組みになったせいで、政治家自身に自力でしっかりした後援会組織を作るというインセンティヴが失われました。

 ―野党も青年組織がないですよね。

 内田 野党も同じです。地方議会で経験を積んでから国政に出てゆくというチャンネルがあるのは共産党くらいです。若い人は地方議会から政治経験を積むというのはとても教育的なキャリアパスなんですけれど、野党もテレビに出て知名度がある人を「一本釣り」して、組織のない選挙区に放り込むという自民党と同じことをやろうとしています。  

 それでは若い人をじっくり育てるということができません。野党には地方組織が育たないことについての危機感がどれくらいあるんでしょう。僕は地域の野党の集会にときどき呼ばれるんですけれど、平均年齢は70歳くらい。20代、30代の若い人たちを地域の活動に巻き込むための仕組みがありません。

 ―共産党の実質的な青年組織といえる日本民主青年同盟(民青)も京都大学だと中核派より数が少なく辛うじて残っている状態らしいです。各政党の青年組織は弱くなっています。国民が政治に無関心なのも原因ではないでしょうか?

 内田 なんでも「国民の政治的無関心」のせいにしちゃダメですよ。昔からずっと国民は基本的には政治に無関心でした。それをどうやって目覚めさせるのかということが政治にかかわる人間の本務なのです。今はどの政党も地方組織が弱くなっていますが、その最大の原因は地方の人口減少です。

 ―菅政権はどうなるでしょう? 出鼻をくじかれたという感じですが。

 内田 菅首相はもう長くは持たないと思います。でも、「ポスト菅」に人物がいません。岸田さんが後継者としては順当なんでしょうけど、いろいろ横槍が入りそうな気がします。

 ―二階さんと仲は悪いし、自分のところ(広島県)で落としてしまいましたからね。

 内田 自分の派閥の候補者を蹴落とした河井案里のせいで補選に負けるなんて、岸田さんにしたら納得のゆかない話でしょう。  

 でも、この時期に県連の会長を引き受けて選挙に負けて、次の選挙では公明党候補を推さなければいけないという「貧乏くじ」を引かされ続けているということは総裁候補としては大きなダメージになります。「運の悪い人のように見える」というのは政治家にとってかなり致命的なことです。

 日露戦争のとき、海軍大臣だった山本権兵衛が、東郷平八郎を連合艦隊司令長官に推薦したときに、明治天皇に推薦理由として「東郷は運のいい男ですから」と言ったという話が広く知られていますけれど、ナポレオンもそうでした。  

 指揮官を登用するときに「運がいい」ということを重く見ました。だから、若くても、運のいい軍人をどんどん重用しました。その結果、ナポレオンの軍隊はヨーロッパ最強になりました。「運が悪い」というのは政治家の実力とは関係ないんですけれど、現実にはそれでものごとが決まることがあります。

 ―私は岸田さんって宏池会の典型のような気がしますね。「政策に強くて政局に弱い」という政治家で、勝負に弱いのでしょう。

 内田 たしかに岸田さんは勝負勘があまりよくないです。でも、菅首相のままでは衆院選挙は勝てないでしょう。このまま菅を看板にして選挙したらどうなりますか? 五輪は中止、感染は収束しません。そんな状態で任期満了で総選挙を迎えたら、自民党には勝つ要素が何もないでしょう? 

 議席を減らすことは間違いなくて、問題は「負け幅」をどれくらい抑えることができるかにかかっています。自民党の国会議員たちは自分の議席を守りたいから、とにかく「一票でも増えそうな看板」が欲しいのです。できたら看板を付け替えたいでしょう。

 でも、イエスマンばかりで党を固めてきたから、「ポスト菅」世代にはまったく人材がいません。だから、菅首相が解散のタイミングを見つけられないまま任期満了で総選挙ということになります。それが自民党が一番敗けるシナリオだと思います。

 ★オリンピックはどうなる?★

 ―安倍さんも「追い込まれ解散はするな」と菅さんにアドバイスしたそうですが。

 内田 でも、「最も負け幅の少ない解散」のタイミングはもう過ぎてしまったんです。五輪かコロナかどちらかについて「菅政権がうまくやったように見える」時点で解散総選挙すべきだったんです。  

 だから、三月はじめから四月にかけて、新規感染者が減って、二回目の緊急事態宣言を解除して、第三波がまだ来ないうちのわずかな隙間だけが「コロナは抑えたように見えて」かつ「東京五輪は実施されそうに見える」唯一のタイミングだったのです。

 解散するとしたらそこしかなかったと思います。でも、菅首相は決断できませんでした。バイデン大統領と会談して安定的な日米関係を国民にアピールしてからの方が選挙には有利だと算盤を弾いたからです。

 その政治判断そのものは間違っていません。日本の有権者が首相に期待するのは第一に「アメリカに信頼されていること」だからです。それをアピールしてから解散するつもりだったら、その間に「東京五輪の中止やむなし」と「菅政権はコロナ対策で先進国最下位」というニュースがSNSからあふれ出て、新聞や地上波までに広まってしまいました。

 だから、今は政府は必死になって「五輪は予定通り実施する」と「ワクチン接種は順調に進んでいる」というキャンペーンを展開して、内閣支持率を下支えしているわけです。でも、この二つとも成否がすぐにわかるから、長くは使えません。  

 あと100日経てばいやでも五輪開会式の日が来るし、ワクチン接種がいつ受けられるかを全国民は「わがこと」として注視しています。どちらもうやむやにしてごまかすということができません。  

 仮に世論の反対を押し切って、強引に東京五輪を開催したとしても、医療危機の中で強行すれば国内の医療崩壊は加速するし、世界中から数万人のアスリートと関係者を東京に集めて、またそれが世界に散らばるわけですから、秋以降には「東京五輪が世界的なパンデミックを引き起こした」という海外からの非難が殺到します。だから、遠からず「五輪中止」を宣言せざるを得ません。

 ―堪え難きを堪え、忍び難きを忍びみたいな感じでしょうか。

 内田 そうですね。「ポツダム宣言受諾」みたいな感じで、外圧に屈して、不本意ながら五輪中止のやむなきに至ったという「演出」をするんだと思います。  

 五輪参加予定のアスリートたちが号泣したり、五輪担当大臣や都知事が地団駄踏んで悔しがる、そういう絵柄を電通がもう今から用意していると思いますよ。「臥薪嘗胆」とか「捲土重来」とかいう古くさい四文字熟語をきっと誰かが口走りますよ。

 ―東京に出張に行った時、チケットを100万、200万円つぎ込んで買って楽しみにしていた人も諦めてましたもん。楽しみにしていた人や選手でも諦めモードだと思います。

 内田 もう国民のおおかたは諦めてるでしょう。医療資源がここまで逼迫しているんですから、五輪は誰が考えても無理なんです。

 ― 選手もまともに練習できてないし、まともな大会にならないでしょうね。

 内田 感染症対策で先進国最低の国に、自国のアスリートを送り出すというのは、各国のNOCにしてもかなり勇気の要る決断だと思いますよ。アスリート自身だって、万一コロナに感染して後遺症が残ると以後の選手生命にかかわります。そんなリスクを冒してまで東京には来ないでしょう。

 ★衆議院解散時期・安倍再登板か?★

 ―衆議院の解散は秋というのが永田町筋からも聞こえてくる情報ですが。

 内田 僕の予測は先ほど申し上げたように、解散のタイミングが見つからないままずるずると任期満了までゆくですね。

 ―では総選挙前に自民党総裁が入れ替わるという?

 内田 総裁の看板は選挙前に付け替えざるを得ないでしょう。それが自民党の得意技なんですから。安倍再登板だってあり得ますよ。

 ―私もそう思ったんです。岸田さんじゃ無理だし、安倍再登板ぐらいしかないんです。

 内田 安倍さんは岸田さんと違って「運が良さそう」に見えますからね。第二次政権だって、検察がしっかり仕事をしていたら、公民権停止は当然で、逮捕投獄だってあり得たはずなのに、病気だと言って世論の同情をかき集めて逃げ切りました。  

 2012年の総裁選も、石原幹事長が出馬して、谷垣総裁が降りたせいで、漁夫の利を得て浮かび上がりました。それも第一回投票では石破に負けていたのに、第二回で蘇りました。そのあたりの「悪運の強さ」については自民党国会議員団には期するところがあるんじゃないでしょうか。

 ―そうですね。二回とも病み上がりでまた復活することもあり得ますね。

 内田 病気だという割には診断書も見せなかったしね。そういうふうに全部放り出して逃げ出すタイミングの見はからい方もなかなかのものですよ。

 ―岸田さんが本当は順当だったはずなんですけど、とてもじゃないけど、勝負弱いしこの前の選挙であんなことになってしまった。しかし、総裁候補のタマがいなさすぎますね。

 内田 石破さんはもう無理でしょう。稲田朋美や野田聖子も党内に安定した支持基盤がありません。

 ―全然、派閥基盤がないですよ。二階さんはロートルすぎますし。

 内田 河野太郎も人望ないし。消去法だと、とにかく議席を守りたいという人たちに担がれて安倍再々登板というのはあり得ますよ。

 ―第三次安倍政権ですか。

 内田 可能性としてはあり得ると思う。その場合には、はっきり「極右」の公約を掲げて登場するんじゃないかと思います。「民主主義はもうダメだ。中国を見よ、ロシアを見よ、トルコを見よ!」と強権的・独裁的な政体の方が効率的だし、国際社会でも恐れられるのだと言い切れば、それを歓迎する国民はかなりいますよ。

 ―そこまで右翼的な政策で行くでしょうか?

 内田 それが選挙で一番「負け幅が少ない」方法だと思ったら、やるでしょう。現にそれ過去で6回選挙に勝ってるのですから。安倍さんがそこから得た経験則は「国民を分断して、現政権を支持する国民の利害のみを配慮する」というネポティズム政治をしている方が選挙には勝てるということでした。

 ふつうの為政者は国民の統合を目指すものですけれど、選挙に勝って多数派を制するということだけに限定すれば、国民を分断して、政権に盾突く者にはつねに「ゼロ回答」で応じる方が効果的なんです。

 支持者の利害だけを配慮し、自分を支持しない有権者には「何もやらない」ということを続けていると、野党支持の有権者はしだいに無力感に蝕まれて、政治に絶望するようになります。そして、投票に行かなくなります。投票するのが与党支持者だけになれば、そりゃ選挙には勝ち続けますよ。

 ―今の世の中、「何処も腐っているんだから、腐っているところに食い込むしかない」と言ったある新聞記者がいますがどうでしょう?

 内田 腐っているところに食い込んだら、本人も腐るだけですよ。

 ―しかし、今の立憲民主党、国民民主党、日本共産党では、外交安全保障等の政策の違いもあります。

 内田 そんなのどうでもいいんじゃないですか。だって、昔は「自社さ連立政権」なんてものがあったんですよ。自民党と社会党が連立を組んだんですよ。政策なんてどうだっていい、とにかく政権与党でいたいというのが自民党の本音なんです。  

 自民党は歴史的に見ても、政策的一貫性なんかまったくない政党でしょう。そういう与党については何も言わないで、野党に対してだけは「政権交代したいなら全野党の政策は一致すべきだ」と要求するというのは、メディアのダブルスタンダードですよ。

 全野党の政策のすり合わせが終わるまで、政権交代を求めるべきではないなんていうルールを誰が決めたんですか。そんなルールを認めたら、自民党の永久政権が続くだけです。

 ―連合が色々言ってきますし・・・。共産党との連立には。

 内田 連合なんてもう要らないですよ。政策協定するにしても、ざっとでいいんですよ。それよりも一日もはやく政権交代を実現しないと日本は終りですよ。とりあえず政権交代したら、メディアは新政権をめちゃくちゃに叩くでしょう?   

 政権内部で足並みがそろわないから、政府部内から情報だってどんどんリークされます。だから、政権交代すれば、政策決定プロセスについてきわめて透明性の高い政府が出現することは間違いないです。とりあえず「報道の自由度ランキング」ではたちまち世界ベストテンに入りますよ。その一事が実現できるだけでも政権交代する甲斐はあると僕は思いますね。

 ■聞き手 角田 裕育 (ジャーナリスト)

 1978年神戸市生まれ。大阪のコミュニティ紙記者を経て、2001年からフリー。労働問題・教育問題を得手としている。著書に『セブン-イレブンの真実』(日新報道)『教育委員会の真実』など。

 元稿:News SOCRA 主要ニュース 政治 【政局・コラム・「内田樹氏に聞く」・担当:角田 裕育(ジャーナリスト) 】  2021年05月01日  13:14:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【安倍前首相】:「当然菅首相が続投すべき」 退陣後初生出演 政権7年8カ月振り返りやり残したことは

2021-08-05 00:02:30 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【安倍前首相】:「当然菅首相が続投すべき」 退陣後初生出演 政権7年8カ月振り返りやり残したことは

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【安倍前首相】:「当然菅首相が続投すべき」 退陣後初生出演 政権7年8カ月振り返りやり残したことは

 今回の放送では、憲政史上最長の在職日数を誇った安倍晋三前首相が退陣後初めてテレビに生出演。何が長期安定政権と強力なリーダーシップを可能としたのか。安倍外交が残したもの、そして宿願ともいえる憲法改正への思いについて伺った。

 ◆成果はアベノミクスと外交、憲法改正などのやり残しも

反町理キャスター:
安倍前首相の在職日数は連続・通算ともに歴代最長。ご自身の考える一番の成果は。

安倍晋三 前首相:
ひとつはデフレ不況からの脱却。後にアベノミクスといわれたマクロ経済政策を掲げて政権を奪還し、有効求人倍率が初めて1倍になった。もうひとつは、日米同盟が危うくなり日本の国際的な地位が相当低下していた中、平和安全法制を制定し日米同盟を確固たるものにした。それを背景に日本の国際的な地位を高めることができた。

反町理キャスター:
やり残したことは?

安倍晋三 前首相:
何といっても憲法改正。同時に拉致問題の解決、そして日露平和条約。これを成し遂げられなかったことは本当に残念。 

◆2012年の選挙で維新があと一歩伸ていれば……

反町理キャスター:
注目すべきは安倍さんの選挙の強さ。総裁選、総選挙、参院選を合わせると9戦9勝だった。記憶に残るような際どい選挙はあったか。

安倍晋三 前首相:
やはり政権奪還の2012年、そして2017年。

反町理キャスター:
2017年の選挙は小池旋風があった。第一党を取られるかもしれないという危機感も?

反町理キャスター(左)、安倍晋三前首相

安倍晋三 前首相:
小池百合子さんが前年に自民党推薦候補を破り東京都知事になっていた。都議会議員選挙でも我々が大敗。政権を失った2009年に似ているとも言われた。第一党の地位を失うとは考えなかったが、在任中一番支持率が低下していた時期。選挙をすべき時期ではないとの意見もあったが、薄氷を踏む思いで判断した。

反町理キャスター:
「排除」という言葉が出た瞬間、小池さん・希望の党に対する求心力が明らかに落ち、自民の議席数維持につながった。どう感じたか。

安倍晋三 前首相:
排除という言葉は非常にきつい。言葉遣いとして日本では反発を受ける。ただ小池さんは国家安全保障問題担当の補佐官や防衛相も経験し、平和安全法制の重要性、現実を理解している。平和安全法制を廃止したい人たちを同じ政党に入れられないというのは、政治の指導者としてまっとうな考え方。

反町理キャスター:
もう一つの選挙が2012年、政権奪還時の総選挙。橋下徹さん率いる維新の会の獲得議席が54、民主党が57。

安倍晋三 前首相:
国会運営において野党の主役となる野党第一党がどちらになるか。たった3議席が大きな差。大阪都構想があり橋下さん自身は選挙に出なかったが、出ていれば間違いなく維新が野党第一党。

反町理キャスター:
保守二大政党への可能性もあったと。憲法論議や野党の戦術含め、その場合どういう国会になっていたか。

安倍晋三 前首相:
もっと建設的な議論になったはず。憲法においても、審査会を拒否はせず、その中で議論しようとなる。大きく違った。

◆「菅首相が当然続投するべき」
安倍晋三 前首相(左)、菅義偉 首相(画面)

反町理キャスター:
今年は任期の問題もあり、総選挙もあと半年以内に必ずある。安倍首相ならいつ解散を? 

安倍晋三 前首相:
菅首相が一人で判断すること。私は発言を慎まなければ。

反町理キャスター:
それは一人で考えるものですか。

安倍晋三 前首相:
基本的には一人でずっと考えます。2017年の時にはたまたま夏に河口湖で静養しており、ずっと考えていました。

反町理キャスター:
よく記者会見などで、「解散は全く考えていません」とおっしゃる。

安倍晋三 前首相:
これはもう決まり文句ですから。

反町理キャスター:
秋には総裁選。菅首相のここまでの評価は。

安倍晋三 前首相:
コロナ禍の中、私が突然病気のために辞任して大変だったと思う。本当に感謝している。そこで総裁選をしたばかりで、1年後にまた総裁を変えるのか。自民党員は常識をもって考えるべき。当然菅首相が続けられるべき。例えばその前に選挙があれば、そこで国民が菅首相を選んでいる。その後党内で変えるのはおかしい。 

 ◆安倍外交がオバマ大統領・トランプ大統領らと築いた関係性

反町理キャスター:
安倍外交の7年8カ月について。アメリカ大統領としては、ブッシュ、オバマ、トランプの各大統領と付き合った。

安倍晋三 前首相:
ブッシュ大統領は非常にフレンドリーな方。もともと弁護士のオバマ大統領は非常に実務的。トランプ大統領に従来の常識は通用しないが、ビジネスマンとして、納得すれば官僚的な手続きを飛ばしてでも大きな判断をできた人。

反町理キャスター:
仕事だから付き合っている部分もあったかと思うが、嫌な人とも仲良くする方法は。

安倍晋三 前首相:
嫌な人と思う人はいなかった。リーダー同士苦労が分かる。もちろん会議の場ではお互いに国益を守るために相当激しい議論をしますし、むかっとすることがはないわけではないが。

反町理キャスター:
2018年6月、カナダでのG7サミットの、誰も目線が合っていない有名な写真がある。むかっとしているときですか。

安倍晋三 前首相:
これは私はむかっとしていないです(笑)。

反町理キャスター:
トランプ大統領がむかっとしている?

安倍晋三 前首相:
コメントは差し控えますが(笑)。海洋プラスチックごみの問題などで相当激しいやりとりになったところ。日本というのは和を以て貴しとする国。私がある程度中和的なことを言えば、他の首脳もトランプ大統領も了解をしてくれました。

反町理キャスター:
安倍外交の柱のひとつが、安倍・トランプ関係。一緒にゴルフもされてきた。

ドナルド・トランプ米前大統領(左)、安倍晋三 前首相

安倍晋三 前首相:
そもそも日本はヨーロッパの国とは違って、アメリカが唯一の同盟国。日本の総理大臣にはアメリカの大統領と信頼関係を作る責任がある。

反町理キャスター:
今回の菅・バイデン会談の評価は。

安倍晋三 前首相:
大変高く評価している。共同声明において、対中国について世界が注目する中、台湾海峡も含めた地域の平和と安定にコミットした。菅首相自身がバイデン大統領とこの意義についてしっかり確認をした上で文書を発表したと聞く。

 ◆中国の軍事力増強、日本の危機感にようやく欧米が賛同

新美有加キャスター:
中国包囲網の意味合いも持つクワッド。2006年の時点で、安倍さんはご自身の著書「美しい国へ」において、日米印豪4カ国の首脳・外相レベルの会合で戦略的観点から協議を行い、日本がリーダーシップを発揮する必要がある旨を書かれています。

安倍晋三 前首相:
中国が歴史的なスピードで軍事力を増強する中、自由民主主義、法の支配、人権といった価値観を共有する国々と連携すること。ただ当時の段階では十分に賛同していただけず、局長級で会議を開いたのみだった。

反町理キャスター:
近年ようやく欧米が関心を持ってきたと。

安倍晋三 前首相:
インド太平洋の海は世界の公共財。自由で開かれていなければならない。中国を追い出そうということではない。その構想に、今やヨーロッパをはじめ多くの国々が賛同していただいたということ。

 ◆日本の防衛力は「打撃力を抑止力と考えるべき」

新美有加キャスター:
日本のあるべき防衛力について。辞任間際の2020年9月には敵基地攻撃能力を念頭に新たな安全保障政策の談話を発表。4月22日にも、本気で打撃力を抑止力として考えるべきだとの発言。

安倍晋三 前首相:
日本はミサイル防衛能力を持っており、アメリカと共同対処をしてミサイルを撃った基地に報復することで抑止力が成り立つ。でも果たして本当にそれでよいか。例えば反町さんが私に向かってピストルの弾を打ったら、私は私のピストルでその弾を撃ち落とす。この神業がミサイル防衛。私は決して反町さんを撃てない。
主体はもちろん米国であったとしても日本も事実上の共同対処で攻撃できるということにならなければ、抑止力は十分とは言えない

 ◆憲法改正「野党は堂々と議論に応じよ」

新美有加キャスター:
憲法改正の道筋について。自民党は憲法改正について、自衛隊の明記、緊急事態対応、合区解消・地方公共団体、教育充実の四つを提示。優先順位は。

安倍晋三 前首相:
私としてはやはり、自衛隊の明記が極めて重要と思う。

新美有加キャスター:
憲法9条に加憲する形で自衛隊の明記をする意義は。

安倍晋三 前首相:
自衛隊はもちろん合憲。国民から最も信頼されている組織と言われている。彼らの血のにじむような努力で勝ち取った信頼。しかし9条2項があるために、自衛隊は合憲であると言い切る憲法学者は3割前後と言う状態。この問題に終止符を打つのは私たち国会議員の責任。

反町理キャスター:
国会では6日、憲法審査会において国民投票法が採決されるかどうかに差し掛かっている。

安倍晋三 前首相:
常設委員会であり億を超える予算がかかっているのに、全然審議をしていない。国民の皆さんからすれば税金の無駄遣い。賛否あるのは当然だが、野党は堂々と議論に応じたらどうなのか。

反町理キャスター:
直近の各社の世論調査では、憲法改正については賛成・必要という人がだいぶ増えている。世の中の憲法に対する温度感が変わってきたと感じますか。

安倍晋三 前首相:
初めて日本人の手で憲法をどうするかということをみんなで考え、一票入れようと。そうやって新しい時代を切り開いていきたいと思います。

 ■BSフジLIVE「プライムニュース」5月3日放送

 元稿:FNN PRIME onine News 主要ニュース 政治  【政局・安倍前政権の考察・次の自民党総裁選】 2021年05月06日 11:50:00 これは参考資料です。 転載等各自で判断下さい。

 

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【菅首相】:解散戦略「本命」は任期満了近くか 安倍前首相の「菅再選支持」表明の背景と自民党内の“不穏”

2021-08-05 00:02:20 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【菅首相】:解散戦略「本命」は任期満了近くか 安倍前首相の「菅再選支持」表明の背景と自民党内の“不穏”

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【菅首相】:解散戦略「本命」は任期満了近くか 安倍前首相の「菅再選支持」表明の背景と自民党内の“不穏”

 ■安倍前首相も解散に言及 時期を左右するのは、「内閣不信任」ではなく「ワクチン」?

 安倍前首相は5月4日のBSフジ「プライムニュース」に出演し、次の自民党総裁選挙で菅首相の再選を支持する考えを表明。さらに総裁選前に衆院の解散総選挙が行われれば総裁選は無投票再選が望ましいとの認識を示すど、任期満了まで半年を切った衆院の解散のタイミングが改めて注目を浴びている。

【画像】BSフジ「プライムニュース」に出演した安倍元首相

 実は菅首相は4月26日、この解散総選挙にも絡むようなある発言をしている。前日に行われた衆参3つの国政選挙で全敗したことについて問われ、「国民の皆さんの審判を謙虚に受け止め、さらに分析をしたうえで、正すべき点、しっかり正していきたい」と述べたのだが、注目すべきはその次のフレーズだ。

 「そのうえで、7月末を念頭に、高齢者の皆さん、希望する方全員に、2回目のワクチン接種が終えるように政府として取り組んでいきたい」 「そのうえで」というやや強引な言葉の切り返しで、選挙から高齢者へのワクチン接種へと話を展開させたのだ。

 高齢者へのワクチン2回接種を7月末に終える目標は、3日前の3度目となる緊急事態宣言発令の記者会見で、菅首相が突如打ち出したばかりのものだ。この発言について政府関係者は「ワクチン接種に関する菅首相の強い思いの表れだ」と言うが、選挙結果への所感を尋ねた質問に対して接種目標を語るほど、菅首相の中でワクチン接種は、国政選挙ひいては衆院総選挙と、その結果を左右する内閣支持率に大きな影響を与えるものだと考えているのだろう。

 ◆訪米中も解散に関する質問が相次ぐも菅首相の答えは…

 元稿:FNN PRIME onine News 主要ニュース 政治  【政局・自民党・次の総裁選挙】 2021年05月06日 11:42:00 これは参考資料です。 転載等各自で判断下さい。

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