【政界地獄耳】:山中新横浜市長の公約実現性は不透明 野党は支えられるか/08.24
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳】:山中新横浜市長の公約実現性は不透明 野党は支えられるか/08.24
★22日に投開票された横浜市長選挙が政局の引き金になったことは間違いない。一方、立憲民主党推薦、共産党、社民党が支持、連合神奈川の推薦と事実上の野党統一候補の形となった山中竹春が圧勝した。もし彼らが組織の勝利などと浮かれるのならば、当選した山中をどう支えるのか。党中央では共産党とは組まないと言い張る連合が相乗りした。組織上の機関決定がどうしたとか推薦と支持だとかの理屈は結構だ。この共闘は勝つためなのか勝ち馬に乗りたいだけなのかをはっきりさせてもらいたい。
★横浜市議会は定数86。自民党横浜市会議員団・無所属の会36人、立憲民主党・国民フォーラム横浜市会議員団20人。公明党横浜市会議員団16人、共産党横浜市会議員団9人という構成になっている。山中与党は立憲と共産の29人になる。少数与党で政治経験のない山中が議会で立ち往生するのは目に見えている。加えて山中は公約で3つのゼロを掲げている。(1)敬老パス自己負担ゼロ(75歳以上)(2)子どもの医療費ゼロ(0歳から中学生)(3)出産費用ゼロ(基礎的費用)。だからカジノが必要だという理屈ならともかく、この財源の担保が見当たらず実現性が不透明だ。
★議会ではこの点を突かれるだろうが、市役所内での予算編成も組み替えができるだろうか。政治は当選だけさせればあとは知らないというのならば、野党統一とは選挙に勝つためだけの選挙互助会の機能でしかない。だが野党はこの公約を掲げ市民に訴えたのだ。できもしないなら民主党政権のマニフェストと同じことの繰り返しになる。山中選対幹部を務めた立憲民主党代議士・青柳陽一郎はカジノ賛成だったが、15年には反対に転じているとされているが超党派のカジノ推進議連と言われる国際観光産業振興議員連盟の18年2月の名簿にも立憲議員として名前が載っている。山中のパワハラ発言、イソジン問題も火種となろう。今度は新市長サイドの説明責任が問われる。(K)※敬称略
◆政界地獄耳
政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)
元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】 2021年08月24日 08:11:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。