路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【政治プレミアム】:民主主義の危機とは何か 岸田政権を「総括」する ■白井聡・京都精華大学国際文化学部准教授

2022-10-18 04:00:50 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【政治プレミアム】:民主主義の危機とは何か 岸田政権を「総括」する ■白井聡・京都精華大学国際文化学部准教授

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政治プレミアム】:民主主義の危機とは何か 岸田政権を「総括」する ■白井聡・京都精華大学国際文化学部准教授 

 岸田文雄政権がどのような政権だったのか、その権力の本質について総括したい。「気が早い」と思われるかもしれないが、「ミネルヴァの梟(ふくろう)は黄昏(たそがれ)時に飛ぶ」(ヘーゲル)。一部報道によれば、岸田氏は政権運営の意欲を失いつつあるという。

白井聡氏=山田尚弘撮影

白井聡氏=山田尚弘撮影

 この見方を裏づける証拠はないものの、政権が何を目指すのかについて、首相のリーダーシップが機能している気配はなく、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と自民党の癒着問題についても、国民を納得させるような説明もできていなければ、本質的な解決策を打ち出すこともできていない。つまりは機能不全に陥っている。

 してみれば、仮に岸田政権が今後もしばらく継続するとしても、そこに現れている権力の構造に変化は起きないであろう。岸田氏には何の意思もないまま、現在と同様の状況がダラダラと続く、という成り行きが想像可能である。いま重要なのは、その権力構造の実態をつかむことである。

 思い起こしてみよう。岸田氏は昨年秋の自民党総裁選において、「民主主義の危機」を指摘していた。具体的にどのような危機であるのかほとんど説明されなかったので、曖昧模糊(もこ)とした話なのだが、真面目にとらえるならば以下のように考察することができる。

 戦後日本の民主政治における権力の核心部は、ジャンケンのような三すくみの構造によって成り立っていると言われてきた。核心部を成す三つの要素は、政(政府与党)・官(官僚)・財(財界・大企業)である。

 政は官に対して「任命権・人事権」を持つので優位に立つが、財界からのカネと集票に依存するので逆らえない。官・行政機構は、法令のつくり方ひとつで企業の活動を左右でき、場合によっては業務を停止させる権限さえ持つが、政治には負ける。財界は、官・行政機構には負けるが、政治に対しては優位に立つ。ジャンケンと同じように、三つのうちの一つが絶対優位になることはなく、この三つの力の微妙なバランスによって政治が成り立ってきた。

 そうだとすれば、「民主主義の危機」とは、この三つの力のバランスによる政治の危機を意味するはずである。…、残り1224文字(全文2104文字)

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 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 政治 【政局・連載「政治プレミアム」】 2022年10月18日  04:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政治プレミアム】:野党第一党に必要な「政党シンクタンク」 ■山内康一・前衆院議員

2022-10-18 04:00:40 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【政治プレミアム】:野党第一党に必要な「政党シンクタンク」 ■山内康一・前衆院議員

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政治プレミアム】:野党第一党に必要な「政党シンクタンク」 ■山内康一・前衆院議員 

 立憲民主党は野党第1党として、理念やビジョン、めざす社会像を明確化する必要がある。単なる思いつきではなく、専門知やデータに基づいた確固たるビジョンをつくるには、政党の政策立案機能を強化しなければならない。

記者会見を終え、会見室を出る立憲民主党の泉健太代表=東京都千代田区で2022年9月15日、竹内幹撮影

 記者会見を終え、会見室を出る立憲民主党の泉健太代表=東京都千代田区で2022年9月15日、竹内幹撮影

 立憲民主の政務調査会事務局には、職員が十数名いて優秀なスタッフもいる。しかし、政務事務局スタッフは、日々の法案対応や各部会の準備など目先の業務に追われがちで、じっくり時間をかけて長期的な調査研究ができる体制ではない。また政調スタッフの多くは総合職的な職員で、党内の人事異動で担当が変わることもあり、政策に関する学術的なトレーニングを受けた人ばかりでもない。

 目の前の政策課題に機動的に取り組む政務調査会事務局とは別に、じっくりと長期的な課題に取り組む「政党シンクタンク」を創設すべきだ。政調事務局と連携しつつ、専門性の高いスタッフ(研究職)をかかえ、外部のシンクタンクや研究者、NGO、NPOや大学と連携し、大きなビジョンや長期プランを提示する「政党シンクタンク」が必要だ。

 営利のシンクタンクや政府のシンクタンクとは異なり、「政党シンクタンク」は党の政策を国民に正しく理解してもらうため、メディアへの広報活動や市民向けの啓発キャンペーン、党の地方組織との共催のイベント等も積極的に行う必要がある。

 アカデミックな研究機関と「政党シンクタンク」とのちがいは、情報発信や啓発活動を重視する点だ。政党の「政策コミュニケーション」の司令塔になるのが政党シンクタンクだ。公共政策に関しては、すばらしい政策のアイデアを持っていても、学会の限られた人にしか知られていなければ意味がない。わかりやすく論点を整理し、政策のアイデアを多くの人に知ってもらい支持を広げることが重要だ。

 ◆個人では限界がある

 どんなに優秀な政治家でも、ひとりで情報を集めたり政策を立案したりするのには限界がある。個々の政治家の個人技に頼るのではなく、チームで組織的に政策を研究し、政策提言や情報発信を行うことが大切だ。

 与党なら霞が関の情報と人材(官僚)を使って政策を立案できるが、野党は政府情報へのアクセスが限られるため、シンクタンクの活用で弱点を補う必要がある。また、かつて「霞が関は日本最強のシンクタンク」と言われたが、省益や業界団体とのしがらみもあり、現状を大きく変革するアイデアは出にくい。霞が関に依存しない政策づくりのためにも「政党シンクタンク」が必要だ。…、残り728文字(全文1745文字)

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 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 政治 【政局・連載「政治プレミアム」】 2022年10月17日  04:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政治プレミアム】:自民党政治の終わりは近い? …読まれた記事TOP3

2022-10-18 04:00:30 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【政治プレミアム】:自民党政治の終わりは近い? …読まれた記事TOP3

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政治プレミアム】:自民党政治の終わりは近い? …読まれた記事TOP3 

 岸田政権を巡る記事などが読まれました。

閣議に臨む岸田文雄首相=首相官邸で2022年10月14日、竹内幹撮影

閣議に臨む岸田文雄首相=首相官邸で2022年10月14日、竹内幹撮影

 ◇ ◇

 【1】<自民党政治の終わりは近い?> 田中均 元外務審議官

 田中氏は政権の対応について、「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)を巡る問題でも岸田文雄首相や自民党指導部の言は国民を納得させるには程遠い」と言います。

 【2】<「分配」はどうなった 岸田政権の看板倒れ> 稲葉剛 つくろい東京ファンド代表理事

 「新しい資本主義」は新自由主義の弊害を是正し、分配を重視するはずではなかったか。いったいどうなっているのか、という指摘です。

 【3】<国会に出ないガーシー氏と「議員特権」

 海外に在住したまま帰国せず、国会に出席しないガーシー参院議員。どう考えるべきでしょうか。

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 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 政治 【政局・連載「政治プレミアム」】 2022年10月17日  04:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政治プレミアム】:衰退する日本 野党の責任も重い ■井手英策・慶應義塾大学経済学部教授

2022-10-18 04:00:20 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【政治プレミアム】:衰退する日本 野党の責任も重い ■井手英策・慶應義塾大学経済学部教授

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政治プレミアム】:衰退する日本 野党の責任も重い ■井手英策・慶應義塾大学経済学部教授 

 衰退に向かう日本のような国では、野党の責任も重い。

 安倍政権が分断の政治をしたというが、野党も踏み絵を踏ませている。原発に反対か、消費増税に反対か、憲法改正に反対か、次々と「反対の踏み絵」を踏ませて全部踏まないと仲間と認めない。「正義の線」を引くことに酔いしれ、その結果、味方は減る一方だ。

記者会見する立憲民主党の泉健太代表=衆院第2議員会館で2022年9月30日、竹内幹撮影

記者会見する立憲民主党の泉健太代表=衆院第2議員会館で2022年9月30日、竹内幹撮影

 「野党共闘」と言ってまるで立憲民主党と共産党が一蓮托生(いちれんたくしょう)であるかのような印象を国民に与え、「反対の線」で可能な限り政策をそろえようとする。ならば一つの党を作ったほうが早いのであって、各党の独立を前提とした共闘からはそれ、違いが分かりにくくなる。

 実際、立憲民主党の中でも消費減税に対して否定的な声は相当あったが、共闘が優先され、そうした声は押しつぶされた。野党共闘などと力まず、淡々と選挙区調整をやればいいだけのことではなかったのか。

 ◆「私たちの理念」が欠けている

 「格差是正」はいまだに野党のキーワードだが、この発想も消費期限が切れている。格差自体はどの国にもある。まっとうな格差とそうではない格差をきちんと説明しなければならないのだが、格差は何倍まで許されるのかを論理的に説明することは、不可能である。

 私がベーシックサービスを提唱しているのは、貧しいという理由で病院に行けない、大学に行けないのは理不尽だからだ。したがって、サービスの利用格差をなくし、誰もがサービスにアクセスできるよう「アクセス保障」を行う。誰もが競争の輪に加われる社会であれば、その上でできる格差は許容可能なものになる。

 要は、「みんなが大学にいける世の中を作ろう」と言えばいいのであって、具体的な目標を定めず、どのように人びとが不安から解放されるのかを示さずに「格差を小さくする」と繰り返すのでは無内容だ。

 野党は「安倍が、安倍が」ではなくて、「私たちがどういう社会を作るか」を具体的に示していくべきだった。権力としっかり距離をとって、おかしいものはおかしいとはっきり言うのは当たり前だ。…、残り884文字(全文1723文字)

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 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 政治 【政局・連載「政治プレミアム」】 2022年10月17日  04:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政治プレミアム】:自民党政治の終わりは近い?  ■田中均・日本総合研究所国際戦略研究所理事長

2022-10-18 03:59:30 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【政治プレミアム】:自民党政治の終わりは近い?  ■田中均・日本総合研究所国際戦略研究所理事長

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政治プレミアム】:自民党政治の終わりは近い?  ■田中均・日本総合研究所国際戦略研究所理事長 

 7月末からおよそ2カ月間、私は腹部大動脈瘤(りゅう)感染除去・バイパス手術のため東京慈恵会医科大学付属病院に入院し、20時間に及ばんとする手術と10日間にわたる集中治療室での治療を含め文字通り「死線をさまよって」いた。幸い友人で血管外科の世界的名医、大木隆生教授が私の主治医で、全力で向き合ってくれたおかげで手術は成功し回復の途上にある。

衆院本会議に臨む細田博之衆院議長=国会内で2022年10月6日、竹内幹撮影

衆院本会議に臨む細田博之衆院議長=国会内で2022年10月6日、竹内幹撮影

 この間、内外情勢に大きな変化があった。特に、7月8日の安倍晋三元首相襲撃事件から今日に至る日本の政治状況には深刻な懸念を持たざるを得ない。冷戦後の自民党政治も終焉(しゅうえん)に入りつつあると見るべきなのかもしれない。

 ◆「信なくば立たず」

 要するに「信なくば立たず」である。世界平和統一家庭連合(旧統一教会)を巡る問題でも岸田文雄首相や自民党指導部の言は国民を納得させるには程遠い。大方の国民には、やはり自民党と旧統一教会の関係は深く、特に岸信介元首相から安倍元首相に至る系譜の中で相当深い持ちつ持たれつの関係があったのではないか、それが露呈することは自民党にとって著しく不都合であり、とにかく早く蓋(ふた)をすることに躍起となっているのではないか、と映る。

 細田博之衆院議長は三権の長である。煮え切らない態度をとることにより細田氏個人の問題とともに、衆院議長の権威がおとしめられていくことに責任を感じるべきなのだろう。細田氏は、自民党は圧倒的勢力であり、自身がかつて領袖(りょうしゅう)を務めた安倍派は引き続き権力の中枢にあり続け、野党やメディアがどう言おうと最低限の説明で逃げ切れる、そのうち事件は風化していくであろうと考えているのかもしれない。

 説明にならない説明を繰り返し、多くの事実が後追いとなっていく山際大志郎経済再生担当相も…、残り1289文字(全文2028文字)

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 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 政治 【政局・連載「政治プレミアム」】 2022年10月13日  04:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【2022年10月16日 今日は?】:臓器移植法施行に伴い「日本臓器移植ネットワーク」発足

2022-10-18 00:00:20 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【2022年10月16日 今日は?】:臓器移植法施行に伴い「日本臓器移植ネットワーク」発足

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【2022年10月16日 今日は?】:臓器移植法施行に伴い「日本臓器移植ネットワーク」発足

 ◆10月16日=今日はどんな日

  臓器移植法施行に伴い「日本臓器移植ネットワーク」発足(1997)

       臓器移植とは

 ◆出来事

  ▼中国が初の原爆実験に成功と発表。米ソ英仏に次ぎ5番目(1964)▼台風26号の大雨で東京・伊豆大島で大規模土砂崩れ。死者・行方不明者39人(2013)

 ◆誕生日

  ▼阿川泰子(51年=歌手)▼林寛子(59年=タレント)▼石川亜沙美(77年=女優)▼徳沢直子(84年=モデル)▼瀧本美織(91年=女優)▼足立梨花(92年=タレント)▼西潟茉莉奈(95年=NGT48)▼中川可菜(97年=女優)▼八木優希(00年=女優)

  元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・今日は?】  2022年10月16日  00:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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