路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【HUNTER・11.19】:【速報】永原譲二大任町長が許可権限盾に“し尿処理業者”を恫喝|強要の疑いで事件化の可能性も

2024-11-19 05:15:30 | 【地方自治・都道府県市町村・地方議会・議員年金・デジタル田園構想・地方地盤沈下】

【HUNTER・11.19】:【速報】:永原譲二大任町長が許可権限盾に“し尿処理業者”を恫喝|強要の疑いで事件化の可能性も

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER・11.19】:【速報】:永原譲二大任町長が許可権限盾に“し尿処理業者”を恫喝|強要の疑いで事件化の可能性も

 し尿処理場の管理・運営を行うため田川市・郡の8市町村で構成する一部事務組合「田川地区広域環境衛生施設組合」の組合長を務める永原譲二大任町長が今年春頃、地域内のし尿処理業者を一堂に集め、許可権限を盾に恫喝。強制的に自身の言い分を認めさせた上、意に沿わない業者との業務提携を結ばないよう求め、参加者全員に提携拒否を誓わせていたことが明らかとなった。

 権力を悪用して業者に忠誠を誓わせた形で、行政機関のトップとしてはあるまじき行為。「強要」が成立する可能性が否定できず、告訴、告発があれば刑事事件に発展する可能性もある。

                 ◆   ◆   ◆

 田川地域のし尿処理行政を巡っては、今年3月、永原氏が『平準化』と称し、関係自治体に相談することなく、し尿処理業者の受け持ち区域を一方的に変更。永原氏自身が汚泥再生処理センター(田川地区クリーンセンター)に業者を呼びつけ、『平準化』を理由に、個々の受け持ち区域変更を宣告していた。

 また同月、組合長権限で複数の業者の一般廃棄物収集運搬業や浄化槽清掃の許可を取り消しを強行。区割り変更や業者の許可取り消しに伴って、住民と長年契約関係にあった業者が何の説明もなく突然変わるという事態となり、田川市などで混乱が広がっていた。契約トラブルは現在も続いており、し尿処理が滞るケースが多数出ている。

 永原氏が地域内業者を集め許可権限を悪用して強要とみられる行為に及んだのは、許可取り消しになった業者が業界団体の県組織に相談したことを知ったためだったようで、参加者全員を前に、「行政をなめている」「なめてる」「まだやるか」などと何度も申し向け威圧したという。

 些細なことに怒りをぶつける形で、参加者全員に「許可を取り消されるかもしれない」「許可更新を拒否される」といった恐怖心を植え付けた格好。永原氏の独演は2時間以上にわたった模様で、途中、“民営であるし尿処理業務を行政が引き取ることができる。そうなれば業者の数は少なくて済む”といった趣旨の発言を繰り返し、逆らえないように誘導していた。

 許可権限を盾に脅しとも取れる言葉で相手を畏怖させ、業者の権利や自由を奪う手法は、違法性が問われるべきもの。こうした人物を組合長に据えている「田川地区広域環境衛生施設組合」の良識が問われる事態となった。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【話題・地方自治・福岡県田川市、大大任・し尿処理場の管理・運営を行うため田川市・郡の8市町村で構成する一部事務組合「田川地区広域環境衛生施設組合」の組合長を務める永原譲二大任町長を巡る疑惑】  2024年11月19日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説・11.19】:【APEC会議】:自由貿易へ試される結束

2024-11-19 05:02:50 | 【TTP、BRICS、RCEP協定、IPEF、FTA、APEC、EPA他】

【社説・11.19】:【APEC会議】:自由貿易へ試される結束

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・11.19】:【APEC会議】:自由貿易へ試される結束

 自由貿易の重要性が改めて強調されるのは、警戒感の裏返しでもある。足並みをそろえて困難に立ち向かえるか、結束が試される。
 アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議は、「効率的な多国間協力が一段と重要だ」とする宣言を採択した。
 貿易・投資、気候変動を含む環境など「前例のない激しい変化」が起きていると危機感をあらわにした。世界が向き合うべき課題であり、その解消に取り組む決意を打ち出したように見える。同時に、トランプ次期米大統領へのけん制が含まれているのは間違いない。
 国際社会はトランプ氏の大統領返り咲きに身構えている。トランプ氏は保護主義や「米国第一主義」を掲げてきた。関税の大幅引き上げや、気候変動対策の国際枠組み「パリ協定」からの再離脱に踏み切ろうとしている。
 関税引き上げは、米国への全輸入品に10~20%、中国には60%を課すと主張する。中国との対決姿勢は鮮明だ。世界トップの経済大国が高関税政策を取り入れると、貿易が停滞することは避けられない。
 関税の報復合戦に発展すれば世界の景気が減速する懸念が強まる。米国では高関税に伴うインフレが想定され、その解消へ各国に新たな要求を突き付けるかもしれない。
 中国の習近平国家主席は会議で、自由貿易体制を維持するために力を合わせるべきだと訴えた。米中貿易戦争が再燃すれば中国経済の減速がさらに広がり、社会の不安定化を招きかねない。習氏は欧州や新興・途上国を巻き込んだ国際協調に主導的役割を果たすことをもくろみ、トランプ氏に対抗する国際世論の構築を目指すとみられる。
 先の石破茂首相との会談で習氏は、日中の共通利益を拡大する「戦略的互恵関係」の包括的な推進を確認した。また、東京電力福島第1原発処理水放出を巡る日本産水産物の輸入再開を着実に履行することを申し合わせた。日中には懸案も多く、関係の安定化へ対話を重ねる意義は大きい。こうした動きも対米圧力の一助としたい思惑もあるはずだ。
 首脳宣言は、急激な変化の分野として貿易・投資などの他に、食料・エネルギー安全保障を挙げた。新型コロナウイルス禍やロシアのウクライナ侵攻で、供給網が分断されたことが背景にある。中東情勢の緊迫化も加わり、小麦や石油の供給網の寸断や価格高騰が一段と意識されるようになっている。
 経済安全保障の強化に向けた友好国連携が重視されるようになっている。こうした動きには、中国が産業に必要な重要鉱物の輸出制限などの経済的威圧を強めたことを受け、中国への依存度を減らした新たな供給網をつくろうとした経緯があったことを忘れてはならない。
 首相は、自由で開かれた貿易・投資環境を維持、強化する重要性を強調した。首脳宣言も確認した。実効性を高める取り組みや努力が求められる。

 元稿:高知新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年11月19日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説・11.18】:【敦賀原発不合格】:決定を重く受け止めよ

2024-11-19 05:02:40 | 【電力需要・供給、停電・エネルギー政策・原発再稼働・核ゴミの中間最終貯蔵施設他

【社説・11.18】:【敦賀原発不合格】:決定を重く受け止めよ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・11.18】:【敦賀原発不合格】:決定を重く受け止めよ

 安全性を重視した妥当な判断と言える。突きつけられた結論を重く受け止める必要がある。
 原子力規制委員会は、日本原子力発電が再稼働を目指す敦賀原発2号機(福井県)の審査不合格を正式決定した。不合格は2012年の規制委発足後初めてとなる。
 規制委はこれまでに、原子炉建屋から北約300メートルにあるK断層が活断層で、建屋直下まで延びている可能性が否定できず、原発の新規制基準に適合しないと結論付けていた。新基準は活断層の上に重要施設の設置を禁じている。
 原電は再審査を申請する方針で、即時廃炉とはならない。新たに試掘溝を掘って調査する計画などを具体化して、本年度中に公表するとしている。ただ、規制委の結論を覆す新証拠が必要となり、活動性の否定は困難とみられている。敷地内を走る活断層「浦底断層」の影響も無視できない。ハードルは高そうだ。
 断層問題は重大な関心事だ。規制委の有識者調査団は13年、2号機直下の断層は活断層だと評価し、原電は反論する形で15年に審査を申請した。しかし、審査資料で千カ所以上に記載不備があり、データの無断書き換えも発覚した。
 規制委は2度にわたり審査を中断している。原電本店の立ち入り調査も行われた。
 原電は課題に誠実に向き合っているのか、事業者としての資質に疑念さえ向けられる。山中伸介委員長は「大いに反省してほしい」と厳しい言葉を投げかけている。安全を確保するという大前提を軽視するかのような姿勢では信頼性を確保できるはずはない。
 原電は東海第2原発(茨城県)も再稼働が見通せない。原発専業であり、所有する全2基は11年5月の運転停止から発電ゼロが続く。経営の両輪は運転停止の長期化が見込まれる状況だ。
 それでも売電先の大手電力5社から「基本料金」を受け取ることで経営を維持している。電力料金に上乗せされ消費者が負担していることを忘れてはならない。
 政府は近く取りまとめる経済対策に、電気代抑制へ安全性が確保された原子力発電の最大限活用を盛り込む方向だ。石破茂首相は10月の所信表明演説で「利活用」と言及したが、原発回帰を鮮明にした岸田政権の路線を踏襲することになる。
 巨大地震が想定される日本で、原発の安全性は維持できるのかという疑問は根強い。東日本大震災による甚大な事故の教訓は、原発に依存しない社会の実現だ。言うまでもなく、安全性に疑念がある原発の再稼働が認められてはならない。
 敦賀2号機は今回は不合格決定となったが、これまで建屋直下に活断層がある可能性が否定できない場所で稼働していた事実は無視できない。自然災害の想定は難しいだけに、新たな知見からの検証を繰り返し安全性を高める必要がある。問題があれば立ち止まる実効性のある制度の構築が求められる。

 元稿:高知新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年11月18日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説・11.17】:【日中首脳会談】:懸案解決へ対話を重ねよ

2024-11-19 05:02:30 | 【中国・共産党・香港・一国二制度・台湾・一帯一路、国家の個人等の権利を抑圧統治】

【社説・11.17】:【日中首脳会談】:懸案解決へ対話を重ねよ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・11.17】:【日中首脳会談】:懸案解決へ対話を重ねよ

 地域の安定を図り、国際協調を進める必要がある。対立を回避するには対話を重ねることが重要だ。
 石破茂首相と中国の習近平国家主席が初めて会談した。日中の共通利益を拡大する「戦略的互恵関係」の包括的な推進を確認した。
 昨年11月に岸田文雄前首相が習氏と会談した際にも同様の確認をしている。石破政権は岸田政権の対中政策を踏襲して関係発展に取り組む方向だ。中国側は、日中関係の安定が根本的な利益にかなうという姿勢を示してきた。
 習氏は、日中関係が改善と発展という重要な段階にあるとの認識を表明した。首相は課題と懸案を減らし、協力と連携を増やすと応じている。山積する課題の解消は簡単ではない。それだけに積極的な対処が求められる。
 東京電力福島第1原発処理水の海洋放出を巡り、中国が日本産水産物の輸入再開を着実に履行することを申し合わせた。両政府は先に輸入再開の方針で合意したと発表しているが、再開時期は定まっていない。習氏の発言は前進を期待させるが、具体的な言及はなかったようだ。早急な実施が求められる。
 中国は経済的威圧を強めてきた。各国は中国への依存度を減らして新たな供給網を確立しようと動いている。中国は包囲網とみて反発し、対立は深まっている。
 経済減速が懸念される中国は、関係改善を日本からの投資の呼び込みにつなげたい狙いがある。一方、景気低迷が政権批判につながらないように対日強硬姿勢を取らざるを得ないとの見方もある。これでは関係進展は望めない。
 米国のトランプ次期大統領が保護主義的な政策を打ち出していることに、世界が身構えている。米中関係も先鋭化しかねず、日本への影響も避けられない。国際協調の必要性は高まっている。
 安全保障への警戒感も高まる。領海侵入を繰り返し、中国軍機による領空侵犯も発生している。首相は軍事活動活発化に憂慮を伝え、台湾海峡の平和と安定の重要性を強調した。しかし、台湾問題で譲歩しない中国の立場は鮮明だ。
 懸案はこれらにとどまらない。中国では日本人男児刺殺やスパイ容疑での日本人拘束など、在留邦人の安全に関わる問題が相次いだ。習氏は日本人を含む全ての外国人の安全を確保する考えを示した。日本の対中感情を悪化させている背景を顧みる必要がある。
 両首脳は、今後も会談を重ねる方針で一致した。外相の相互往来や閣僚級の対話実施も申し合わせた。意見の相違がある中で、首脳や高官同士の直接対話は意義がある。
 今回の首脳会談は、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に合わせて1年ぶりに行われた。前回もAPECに伴う会談で、首脳同士での緊密な会談と意思疎通を図ることで一致している。APEC以外でも実施することが関係の緊密化を印象付ける。

 元稿:高知新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年11月17日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説・11.16】:【「年収の壁」協議】:財源問題と一体で検討を

2024-11-19 05:02:20 | 【税制・納税・減税・年収「103万円の壁」・ふるさと納税・物納・脱税・競売】

【社説・11.16】:【「年収の壁」協議】:財源問題と一体で検討を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・11.16】:【「年収の壁」協議】:財源問題と一体で検討を

 少数与党になった石破政権の今後を左右するテーマだけに、政治的な駆け引きや思惑が先立つことも懸念される。それによって制度・政策がゆがむような事態は避けたい。
 年収が103万円を超えると所得税が発生する「年収の壁」の見直しが、大きな焦点になっている。
 政権運営で野党の協力が必要になっている自民、公明両党は、国民民主党との「部分連合」をうかがう。政策協議で国民民主が強く求めているのが、選挙で重点的に訴えて支持を得た「壁の引き上げ」だ。
 引き上げれば労働者の手取りは増える。しかし、自治体の大幅な税収減は避けられない。財源問題を棚上げしたままでの議論は無責任であり一体的な検討を求めたい。
 国民民主の指摘通り、物価高で国民の負担感は増している。所得税の非課税枠は、最低限の生活費には課税しないとの考え方に基づいており、物価上昇に伴って見直しを議論するのは自然な流れだろう。
 また、最低賃金が上がる一方で年収の壁は変わらないため、パートやアルバイトの働き控えにつながっている。壁の見直しは、深刻化する人手不足解消の一助にもなるとして企業側の期待も小さくない。
 ただ、引き上げ幅を巡っては立場によって考え方が異なる。国民民主は、非課税枠103万円が1995年から据え置かれているため、以降の最賃上昇率に基づき178万円を求める。そうなると国と地方の税収減は合計で年7兆6千億円、うち5兆円が地方分と試算される。地方側からは「身近な行政サービスに影響する」「財政破綻する」と否定的な意見が相次いでいる。
 国民民主は、掲げた政策を実現するという政治的な意味にこだわりたいだろうが、財政問題に無関心では政策協議に加わる資格も問われる。与党は基本的に譲歩せざるを得ない立場だが、健全財政、地方の財源への責任がある。減る税収にどう留意するか、十分な分析と協議が求められる。
 手取り増が消費につながって税収減はカバーできるとの主張もあるが、短期的に収入が増えても、社会保障制度に見通しが立たなければ消費は簡単に増えないのではないか。そもそも「所得税の103万円の壁」のみに焦点を当てていると、さまざまな面でつじつまが合わなくなる。
 非課税額の引き上げは高所得者ほど減税額が大きく、格差を助長する側面もある。
 手取り増にこだわるなら、扶養の観点からも整合をとるべきだ。学生がアルバイトなどで103万円を超える年収があれば親は扶養控除が受けられなくなって手取りが減ることもある。配偶者が103万円を超えると手当を打ち切る企業もある。
 働き控えをなくす意味では社会保険料負担が生じる年収水準も議論する必要がある。「106万円の壁」「130万円の壁」と呼ばれる線引きがそのままでは効果は薄いとみられる。こういう課題と一体的に、税制、社会保障制度を考えていくべきだ。

 元稿:高知新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年11月16日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説・11.15】:【独居の高齢者】:孤立防ぐ安心の社会を

2024-11-19 05:02:10 | 【超高齢化・過疎・孤立・終活・認知症・サ高住問題・人口急減・消滅性自治体】

【社説・11.15】:【独居の高齢者】:孤立防ぐ安心の社会を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・11.15】:【独居の高齢者】:孤立防ぐ安心の社会を

 世帯の単身化が止まらない。国立社会保障・人口問題研究所が都道府県別世帯数の将来推計を発表した。2050年には、全世帯に占める1人暮らしの割合が27都道府県で40%を超える。
 とりわけ深刻なのは65歳以上の高齢者が1人で暮らす割合だ。地方を中心に32道府県で全世帯の20%を上回る。最も高いのが高知の27・0%で、徳島25・3%、愛媛24・9%と続き、四国の高さが目立つ。
 未婚の人が増え、少子高齢化で同居する家族の人数も減ることが背景にある。
 誰もが1人暮らしになる可能性がある。安心して暮らせる仕組みづくりが急がれる。
 1人暮らしの高齢者は、配偶者や子どもと同居している人と比べて孤立しやすい。認知機能や体力の低下が進めば、家事や行政手続きなど日常生活で困りごとが増える。孤独死につながる恐れも高まりかねない。暮らしを支える見守り活動の重要性が高まっている。
 見守り活動を担うのは主に地域の民生委員らボランティアだ。頼れる人が近くにいない住民にとっては、同じ目線で話せる身近な相談相手であり、存在そのものが安心感につながる。
 しかし課題もある。担い手の確保が難しいことだ。
 厚生労働省によると、22年度末時点で民生委員は約1万3千人が欠員になっている。高齢期も働く人が増えたことや担い手の高齢化が進んだことが大きな理由だ。
 民生委員は見守りが必要な高齢者らを訪ね、必要に応じて行政や福祉サービスに橋渡しする。そのほか交流サロンの開催や配食サービス、災害時要支援者の把握など役割は幅広い。やりがいを感じる一方で、地域課題が複雑化し負担が増している面もある。
 政府は今年9月に高齢化対策の中長期指針「高齢社会対策大綱」を改定し、多様な選定方法を導入して担い手確保を目指す方針を示している。高知県内では民間企業などとの見守り協定の締結も進む。官民一体となり、地域社会の見守り力を高めたい。
 人手を補うために情報通信技術(ICT)を使った新たなサービスも各地で広がっている。カメラ中継やメールでの安否確認など遠隔で見守ることができる。
 中山間地域では過疎高齢化が深刻で、緊急時の対応が困難な場合がある。仁淀川町では3年前に独居高齢者の「孤独焼死」が起きた。近年は高齢者を狙った事件も相次ぐ。さまざまな手段で対策を進めたい。
 一方で社会保障制度の充実も急務だ。しかし、制度を支える現役世代は減り、介護職などサービスの担い手は不足している。医療や介護の体制維持が難しくなっている。
 国は、高齢者が住み慣れた地域で医療や介護を一体的に受けられる「地域包括ケアシステム」の推進を掲げる。取り残される人を出さない手だてを講じていく必要がある。

 元稿:高知新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年11月15日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【主張①・11.19】:国際男性デー 心身の健康考える機会に

2024-11-19 05:01:50 | 【人権・生存権・同性婚・人種差別・アイヌ民族・被差別部落・ハンセン病患者】

【主張①・11.19】:国際男性デー 心身の健康考える機会に

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【主張①・11.19】:国際男性デー 心身の健康考える機会に 

 11月19日は「国際男性デー」だ。

 男性の心と体の健康や幸福に目を向ける日として、1999年にカリブ海の島国、トリニダード・トバゴで始まったとされる。

 男性の健康や働き方などを巡る課題に向き合い、どうすれば豊かな人生を送ることができるかについて考える機会にしたい。

 健康面で近年、関心が高まっているのは男性の更年期障害に関してである。不安になったり、いらいらしたり、大汗をかいたりするなどの更年期障害は女性特有の症状ではない。

 男性ホルモンである「テストステロン」の分泌が減ることで男性も発症しやすくなる。中高年男性の6人に1人がかかっているという。

 女性の更年期障害は、女性ホルモンが減少する閉経前後の約10年間に起こる。男性はストレスの影響でテストステロンが急減することもあり、若くても起こり得る点で女性と異なる。

 閉経といった女性にみられるようなはっきりとした現象が男性にはないため、症状が更年期によるものという自覚がない人は多い。心身の不調を感じたときは、治療を受けたり、運動、睡眠、食事などの生活習慣を見直したりすることが重要だ。

 経済産業省は、男性の更年期障害による欠勤や業務効率の低下などの経済損失が年間1兆2千億円に上ると試算している。企業側は労働生産性に関わる問題でもあると認識し、性別にかかわらず、この症状に悩む人が働きやすい環境の整備に努めることが求められよう。

 男性を巡る課題はほかにもある。育児はその一つだ。子育ての負担が女性に集中する「ワンオペ育児」は母親の孤立や産後うつを招き、少子化の要因にもなっているとの指摘がある。

 厚生労働省の令和5年度調査で男性の育児休業取得率は30・1%と初めて3割を超えた。ただ、女性は84・1%で開きがある。国際男性デーを機に、夫婦で父親の育児について考えてもよいのではないか。

 2人に1人ががんになる時代だ。必ずしも不治の病ではなくなってきたとはいえ、罹患(りかん)すれば落ち込んだり、将来への不安を抱いたりする。働き盛りの男性ががんになったとき、生きがいを見失わず、仕事と治療を両立させる社会の在り方についても思いを巡らせたい。

 元稿:産経新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【主張】  2024年11月19日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【主張②・11.19】:国の会計検査 税金の無駄遣い許されぬ

2024-11-19 05:01:40 | 【税制・納税・減税・年収「103万円の壁」・ふるさと納税・物納・脱税・競売】

【主張②・11.19】:国の会計検査 税金の無駄遣い許されぬ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【主張②・11.19】:国の会計検査 税金の無駄遣い許されぬ

 国の予算の使い方を調べる会計検査院が令和5年度の決算検査報告をまとめた。税金の無駄遣いや改善が必要だと指摘したのは計345件、総額648億円に上った。

会計検査院の案内板=東京・霞が関

 このうち法令違反などの不当事項は計294件、約77億3千万円だった。新型コロナウイルス対策での巨額の不適切支出など杜撰(ずさん)な実態も明らかになった。

 国民が納めた税金を無駄なく効果的に使うべきは財政運営の大前提である。それなのに、いつまでも不適切な支出が相次ぐのはどうしたことか。

 田中弥生院長が「いずれも経済、社会活動や日常生活に影響する」と改善を求めたのは当然だ。再発防止を徹底し、今後の予算編成や執行に生かせるかどうかが厳しく問われよう。

 特に見過ごせないのは新型コロナ対策の支出だ。不当事項のうち約22億円は厚生労働省などのコロナ関連事業で、虚偽を含む申請で補助金などが「過大に交付された」と指摘された。

 例えば、東京都内にある医療機関は発熱患者用の診療室が14部屋あると申請し、2年度に6億1千万円超の補助金を受け取った。だが、実際にはマンションの1室(約62平方メートル)を14に区切っただけで、トイレも「診療室」に数えていた。

 コロナ禍などの緊急時には審査に時間をかけず、迅速に対応する必要がある。だが、それを理由に易々(やすやす)と不正を許すようでは問題だ。チェックの緩さを厳しく検証すべきである。

 このほか自治体に支給したコロナ対策交付金で、会計検査院が3年度以降に国への返還を求めた計205億円の不正受給などのうち170億円が未返還であることが分かった。内閣府と総務省は未返還金の額などを正確には把握していなかった。

 会計検査院はコロナ禍で補正予算の規模が膨らんだことを踏まえ4年度補正のうち138事業を抜き出して調べた。その結果、34事業の約1・5兆円分が全額翌年度に繰り越され、約6千億円が「不用」とされた。

 規模が優先されがちな補正予算を巡っては、当初予算で認められないような不要不急の施策が含まれているとの批判が根強い。近く経済対策とそれを裏付ける補正予算が編成される。石破茂首相は今回の指摘を踏まえて、施策の必要性や緊急性を厳しく吟味すべきである。

 元稿:産経新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【主張】  2024年11月19日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【産経抄・11.19】:天安門事件を目撃した日本人たち

2024-11-19 05:01:30 | 【中国・共産党・香港・一国二制度・台湾・一帯一路、国家の個人等の権利を抑圧統治】

【産経抄・11.19】:天安門事件を目撃した日本人たち

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【産経抄・11.19】:天安門事件を目撃した日本人たち 

 1989(平成元)年6月5日付の小紙一面のトップ記事はもちろん、「天安門事件」である。前日の4日未明から、中国・北京の天安門広場に民主化を求めて集まった学生や市民に対して、人民解放軍が無差別に発砲した。AP通信が配信した写真は、血だらけとなった仲間をリヤカーに乗せて病院に急行する学生の姿を捉えていた。

北京市中心部に位置する天安門=3月(三塚聖平撮影)

 ▼文化訪中団の団長だった作家の水上勉さんは広場に近いホテルから、銃撃に倒れる人々の姿を目撃していた。2日後に日本政府の救援機で帰国するが、かなりの心労があったはずだ。帰宅してすぐ心筋梗塞の発作を起こし救急搬送されている。

 ▼「話の肖像画」を読んでいて、夢グループ創業者、石田重廣さん(66)が事件直前に、天安門広場の近くを散策していたと知った。ただ翌々日に、世界に衝撃を与えた惨劇の現場になるとは夢にも思わなかった。「大勢の人たちがわーわー、わーわー騒いでいるのね。いや、すごいなあ、活気があるんだなって」、続きは、

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 元稿:産経新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【産経抄】  2024年11月19日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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【社説①・11.19】:兵庫県知事選 真偽不明の情報が拡散した

2024-11-19 05:00:50 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【社説①・11.19】:兵庫県知事選 真偽不明の情報が拡散した

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①・11.19】:兵庫県知事選 真偽不明の情報が拡散した

 民主主義の根幹である選挙で示された民意は尊重されねばならない。 

 だが、その民意の形成過程で、真偽不明の情報がSNS上で拡散し、公正であるべき選挙が 歪 ゆが められたとすれば、ゆゆしきことだ。

 兵庫県議会の全会一致で不信任が決議されたことを受けて失職した前知事の斎藤元彦氏が、出直し選で返り咲いた。

 不信任の発端は、斎藤氏のパワハラ疑惑を元県幹部が内部告発したことだった。斎藤氏は告発を公益通報として扱わず、県幹部に調査を命じて元幹部を特定し、懲戒処分にした。元幹部は7月に死亡した。自殺とみられている。

 斎藤氏ら当時の県側の対応は、公益通報者保護法の趣旨に反していた疑いがある。

 知事選での斎藤氏の勝因は、県立大無償化などの実績が評価されたことなどが挙げられている。だが、大きな原動力となったのは、斎藤氏の支持者によるSNSでの情報発信だったと言えよう。

 失職直後の斎藤氏は、他候補に引き離され、再選は困難との見方が多かった。しかし告示後、SNS上に「斎藤さんは悪くない」といった投稿が増え始めた。

 斎藤氏を擁護するため、亡くなった告発者の名誉を傷つけるような発信が相次ぎ、斎藤氏支持の論調ができた。

 自分の当選ではなく、斎藤氏を当選させると公言して、政治団体「NHKから国民を守る党」の立花孝志党首が出馬し、その種の情報を発信したことも、斎藤氏の熱烈な支持者を生んだようだ。

 その結果、公益通報を巡る本質的な議論がかすみ、斎藤氏擁護の声が大きなうねりとなった。

 7月の東京都知事選や先の衆院選でも、特定の候補や政党がSNSでの発信を駆使し、予想を上回る躍進を果たした。

 SNSの情報は虚実入り交じっているだけでなく、広告収入を目当てにしたかのような無責任な投稿も少なくない。

 選挙で相手候補を 貶 おとし めることを狙ったような投稿に影響されて民意が形成されることになれば、選挙の公平、公正さを保てず、民主主義の危機を招く。各政党は、国会でSNSと選挙のあり方について議論を深めるべきだ。

 県民の信任を得たからといって斎藤氏の疑惑が消えたわけではない。県議会の百条委員会や県の第三者委員会は、公益通報に関する調査を続けている。斎藤氏に問題があったという結論が出たら、誰が、どう責任をとるのか。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年11月19日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②・11.19】:GDPプラス 先行きのリスクに備えを急げ

2024-11-19 05:00:40 | 【統計データー・GDP(国内総生産)・国民経済計算・行政サービスのデジタル化】

【社説②・11.19】:GDPプラス 先行きのリスクに備えを急げ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②・11.19】:GDPプラス 先行きのリスクに備えを急げ

 日本経済は緩やかに回復しているが、先行きのリスクが増えてきた。政府は、物価高を上回る賃上げと活発な投資を促していくための具体的な取り組みを急がねばならない。 

 2024年7~9月期の実質国内総生産(GDP)速報値は、前期比の年率換算で0・9%増だった。2四半期連続のプラス成長となったが、4~6月期の2・2%増から伸びは鈍化した。

 GDPの過半を占める個人消費は前期比0・9%増だった。内需のもう一つの柱である企業の設備投資は0・2%減となった。全体としてプラス成長を維持できたのは、消費の底堅さが大きい。

 ただし、一時的な要因が多いことが気がかりだ。

 新車販売の回復は、認証不正問題で落ち込んでいた反動の面がある。食品や飲料への支出拡大は、南海トラフ地震臨時情報や台風の影響で買いだめが起きたためという。外食や宿泊は伸び悩んでおり、国民の節約志向は根強い。

 この期間は、1人当たり年4万円の定額減税や、電気・ガス料金への補助金が再開された影響で、所得環境は大幅に改善していた。しかし、期待されたほど消費が押し上げられたとは言い難い。

 政府は、月内にもまとめる経済対策で、低所得世帯への給付金支給や、電気・ガス料金への補助再開などを検討している。そうしたバラマキ的な政策では、日本経済の成長力は高まりそうにない。

 日本は、賃上げと投資が主導する「成長型経済」へと移行するべき重要な局面にある。そうした中、先行きの懸念材料が増えており、備えを急ぐ必要がある。

 今回のGDP速報で、輸出は景気が停滞する中国向けが振るわず、前期の2・6%増から0・4%増へと伸びが縮小した。トランプ次期米大統領は高関税を課すと主張しており、輸出は今後、さらに打撃を被る可能性がある。

 外需頼みではなく、内需を拡大することが不可欠だ。だが、最近の円安・ドル高は、物価高を助長して家計を苦しめている。

 企業が600兆円を超える内部留保を活用せずに抱えていては、物価高を克服する賃上げと投資の好循環は実現しない。大企業が高い賃上げを先導し、中小企業にも恩恵を広げてもらいたい。

 政府は、賃上げ優遇税制などの施策をさらに練ってほしい。デジタル化や脱炭素、人手不足を解消する省力化など取り組むべき重要分野は多い。技術革新に向けた投資を後押しすることも大切だ。 

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年11月19日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①・11.18】:APEC会議 首脳外交の重責を果たせるか

2024-11-19 05:00:30 | 【外交・外務省・国際情勢・地政学・国連・安保理・ICC・サミット(G20、】

【社説①・11.18】:APEC会議 首脳外交の重責を果たせるか

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①・11.18】:APEC会議 首脳外交の重責を果たせるか

 超大国のリーダーたちとの会談を、石破首相はひとまず無難にこなしたと言えるだろう。 

 だが、国際情勢が激変する中、政権基盤の 脆弱 ぜいじゃく な首相が、首脳外交の重責を果たし続けられるかは見通せない。

 首相が、ペルーで開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議に出席した。

 首相は現地で、中国の習近平国家主席と初めて会談し、日中双方の利益を追求する「戦略的互恵関係」の推進で一致した。

 首相は、中国軍の活動に深刻な懸念を伝えた。中国で日本人を殺傷する事件が相次いでいることを踏まえ、在留邦人の安全確保を求めたほか、日本産水産物の輸入再開を約束した日中合意を早期に実施するよう要請した。

 これに対し習氏は「日本人を含む外国人の安全を確保する」と述べた。水産物の輸入再開については「きちんと実施していく」ことで合意したという。

 来年、米大統領に返り咲くトランプ氏は、米国の産業を守るため、中国製品に高関税をかけることを表明しており、米中対立が深まる可能性が指摘されている。

 習氏が今回、首相の要請に応じるかのような発言をしたのは、日中については距離を縮めておく必要があると判断したのだろう。

 ただ、そうであるなら、安全確保や輸入再開を具体的な行動で示すことが先決だ。今後の中国側の出方に注目したい。

 一方、首相はAPECのスピーチで、ウクライナを侵略するロシアを批判したほか、中東情勢について全ての当事者に自制を求めた。日本が主体的に平和の回復に取り組むことが重要だ。

 首相はまた、日米韓3か国の首脳会談にも臨んだ。3首脳は、安全保障や経済分野での協力を進めるため、「日米韓調整事務局」を新設することで合意した。

 多国間の協力を軽視しがちなトランプ氏に政権交代後も、日米韓の連携が後戻りしないよう、制度化する狙いがある。

 北朝鮮はロシアに兵士を派遣し、その見返りとして、ロシアはミサイル技術を北朝鮮に提供している模様だ。露朝の軍事協力の拡大は、アジアにおける脅威を一段と高めている。

 中国の覇権的な活動への警戒も怠れない。8月には、軍用機が初めて日本領空を侵犯した。

 アジアの安定には、米国の抑止力が欠かせない。この地域への米国の関与をどう維持していくかは重い課題である。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年11月18日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②・11.18】:M&Aの仲介 中小企業が安心できる環境に

2024-11-19 05:00:20 | 【経済・産業・企業・起業・関税・IT・ベンチャー・クラウドファンティング

【社説②・11.18】:M&Aの仲介 中小企業が安心できる環境に

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②・11.18】:M&Aの仲介 中小企業が安心できる環境に

 中小企業は後継者不足が深刻で、廃業する例が増えている。技術や雇用が失われ、日本経済にとって大きな損失だ。 

 事業承継のための有効な手段であるM&A(合併・買収)を、安心して利用できる環境を整えていく必要がある。

 経済産業省は、不適切なM&Aを仲介していた15事業者に対し、再発防止策を講じるように初めて指示した。中小企業が被害を受けるM&Aが問題となる中で、買収側企業の信用情報などを十分に審査しなかったとみられている。

 M&Aの仲介業とは、企業の買い手と売り手を引き合わせて手数料を得るビジネスだ。直接に規制する法律はなく、資格や免許の制度も設けられていないため、新規に参入しやすい。

 コンサルタント会社や金融機関などが手がけてきたが、最近は十分な実務能力がないのに参入する企業があるのは見過ごせない。

 M&Aが増える中、国は2021年に登録制度を設けた。約2800社が登録し、今回、問題になった15事業者も含まれている。

 業界の健全性を促していくために登録制度自体の意義はある。ただ、書面審査が中心で、今回の件は問題のある業者を把握する難しさを浮き彫りにしたと言える。

 実際に、摘発されていないものの、詐欺的で悪質な手口があるという。まず、買収側の企業が、後継者が見つからない中小企業の株式を買い取った上で、現預金などの資産の譲渡も受ける。

 中小企業の経営者は、金融機関から融資を受ける際、個人の資産を担保にして返済を保証するよう求められることが多い。

 この経営者保証は、本来、買収時に解除されるべきものだが、買い手側は、保証を解除しないままに、経営権を握った中小企業を倒産させてしまう。

 この結果、事業を譲渡した中小企業の経営者には、借金だけが残ることになる。ある買い手企業に対し、30社以上が被害を訴えている大規模な事案もあるという。

 まずは、捜査当局には、悪質な買い手側企業の摘発に全力で取り組んでもらいたい。

 中小企業にM&Aを広げ、事業承継を後押しする重要性は一段と増している。問題のある仲介業者が放置されれば、中小企業はM&Aの活用をためらうだろう。

 M&A業界の健全化に向けては、免許や資格の制度化を求める声がある。政府は、事業者の信頼性を確認できる仕組みを構築していくことが求められる。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年11月18日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説・11.19】:兵庫知事に斎藤氏 SNSの功罪が表面化

2024-11-19 04:01:30 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【社説・11.19】:兵庫知事に斎藤氏 SNSの功罪が表面化

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・11.19】:兵庫知事に斎藤氏 SNSの功罪が表面化

 パワハラなどの疑惑告発文書問題で兵庫県知事を失職した斎藤元彦氏が、新人6人を抑え再選された。 

 今回の知事選は、自らを告発した文書を巡る斎藤氏の不適切な対応に端を発したものだ。

 斎藤氏は公益通報の調査結果を待たず、告発者を懲戒処分にした。その後、告発者は自死。一連の対応や疑惑への説明が不十分であることから県議会は不信任決議案を全会一致で採択し、斎藤氏が自動失職した経緯がある。

 出直し選挙に挑んだ斎藤氏の、告発問題への対応の是非が問われるはずだった。

 しかし、共同通信社が実施した出口調査で、投票で重視したことに「告発文書問題」と回答した人は9%にとどまった。最多は「政策や公約」の39%で、「人柄やイメージ」が27%と続いた。

 斎藤氏は1期目の行財政改革などの実績をアピール。得票率は前回選挙とほぼ同じ約45%だった。改革を求める民意は重い。

 知事不信任決議後に出直し選で再選したのは2002年の長野県知事選の田中康夫氏以来2例目となる。

 ただ今回、県政の混乱と停滞を招いたのは斎藤氏自身だ。

 県職員の4割が「知事のパワハラを目撃した」とアンケートで回答するなど、知事としての資質への疑いは依然として残っている。

 当選で「みそぎを済ませた」ことにしてはならない。

              ■    ■

 過去最多の7人が立候補し批判票は分散した形だ。

 立候補した「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏が「当選する気はない」と公言し、斎藤氏への投票を呼びかけるなど立候補の在り方にも疑問符が付く選挙だった。

 近年の他の選挙と同様、多くの有権者がSNSで情報を得た。

 投票率は55・65%で、前回21年を14・55ポイント上回った。従来投票率が低い傾向にある若者世代をはじめ、票の掘り起こしにSNSが果たした役割は大きい。

 一方、斎藤氏の最大のライバルだった元尼崎市長の稲村和美氏について「稲村氏が当選したら外国人参政権を推進する」との誤情報や、「(斎藤氏は)県議会にはめられた」とする陰謀論も飛び交った。

 デマやフェイクにどう対応するのか。有権者のリテラシーに頼るだけでは足りない。プラットフォームへの働きかけなど取り組みの検証を始める時だ。

              ■    ■

 SNSの熱気は熱気を呼び、分断を深める危険性もある。

 議会への対抗姿勢を鮮明にする斎藤氏の主張は拡散され、街頭演説では支持者らによる「斎藤」コールが湧き起こった。そうした中で亡くなった告発者を非難する発言もあったほか、興奮した観衆同士の小競り合いも散見された。

 斎藤氏は「選挙が終わればオール兵庫だ」としたが、できた溝を埋めることができるのか。SNS選挙の可能性と危うさが表面化した選挙だった。

 元稿:沖縄タイムス社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年11月19日  04:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説・11.17】:警報級大雨恐れ 命守る行動の再確認を

2024-11-19 04:01:20 | 【災害・地震・津波・台風・竜巻・噴火・落雷・豪雪・大雪・暴風・土石流・気象状況】

【社説・11.17】:警報級大雨恐れ 命守る行動の再確認を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・11.17】:警報級大雨恐れ 命守る行動の再確認を

 豪雨被害から雨が続き、北部の被災者は疲労困憊(こんぱい)だろう。だが、18日にかけてさらに北部や中南部に警報級の大雨が降る恐れがある。長雨で地盤が緩んでおり、警戒を怠ることはできない。命を守る行動を優先してほしい。 

 北部を襲った豪雨から1週間がたった。国頭、東、大宜味、名護、恩納の5市村では床上浸水53件、床下59件が確認され、住民は土砂を片付ける作業に追われた。

 河川の氾濫や土砂崩れ、道路損壊が各地で発生。名護市源河と東村有銘を結ぶ県道14号は全面通行止めとなり、今も再開のめどが立っていない。

 台風25号に伴う雨雲の影響で16日も雨が降った。

 土壌には多くの水分が蓄積されており、沖縄気象台は、少しの雨でも土砂災害につながる可能性があるとして厳重な警戒を呼びかけている。天気予報をチェックし、十分備えてほしい。

 逃げ遅れたり、被害を拡大させないためには早めの行動が必要だ。

 浸水の危険がある場合は、あらかじめ2階以上に大切な物を運んでおく。

 雨どいや排水溝などに詰まったごみを片付け、水はけを良くしておくことも大事だ。

 車で避難する場合、必要な物は事前に車に積んでおきたい。

 通行止めや冠水で道路を通れない場合もある。自治体や報道機関の情報を確認してほしい。

              ■    ■

 豪雨は各地に深い爪痕を残した。

 全容はまだ分からないが、農作物や家畜への影響が明らかになってきた。

 大宜味村の養鶏場では、浸水被害で飼育していた約2万6千羽が死んだ。

 東村では、パインなどが大打撃を受けた。綿密な計画の下で育てられたブランド品種「ゴールドバレル」の苗が腐るなど深刻な被害が出ている。

 国頭村では河川の氾濫による浸水で、今も数十人がホテルや空き家などで避難生活を送る。

 大宜味村では津波浄水場が床上浸水し、施設の機能が停止した。長いところでは6日間、断水が続いた。

 氾濫した国頭村比地川は、かねて地域住民が危険を懸念し、県に浚渫(しゅんせつ)工事を何度も要請していたことが分かった。抜本的な対策が必要である。

              ■    ■

 被害の一方、支援の動きも広がっている。

 浸水被害がひどい同村比地に連日、北部市町村の職員が入り、堆積した泥をかき出すなど復旧作業に当たっている。義援金や寄付金を集める動きも出ている。

 焦燥感を募らせる被災者の心のケアも欠かせない。

 災害はいつ、どこで起こるか分からない。互助の精神が必要だ。

 今回、県の初動が遅れ、災害救助法の適用が困難になっている。県の危機管理体制の見直しが必須だが、今、困っている人にどんな支援ができるのかが重要だ。県と国、与野党が協力して早急に方策を講じてほしい。

 元稿:沖縄タイムス社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年11月17日  04:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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